レイアウト制作記#251
              更新日2012年6月25日更新         

2012年6月23日(土) とざきハイライン構想                          


 レイアウト制作記も#251を迎え、新たな部分を手掛けます(^_^)

 レイアウト制作記#80でレイアウト制作の工程表を作成しました。
 その後制作記#114#151で工程表を振り返り、最後に#200でも工程を確認しています。 
 
 今のところ、,
1.戸崎駅南口 駅舎工事、駅前広場整備事業   2008年9月 制作記109にて終了
2.駅西側保線工事(バラスト撒布・レール塗装・架線柱信号機等設置)、車掌区・保線区事務所工事  2009年5月 制作記136にて終了
3.駅前大通り西側アンダーパス工事  2010年11月 制作記182にて終了
4.県庁庁舎改築・・・・現在2つに分かれているビルの一体化)  2008年12月 制作記118にて終了
5.城山地区(県庁周辺)整備事業・・・カーブ線路周辺の整備とトンネル工事 
2012年6月 制作記250にて終了

7.新戸崎駅の対向ホームのリニューアル   2011年2月 制作記193にて終了

 以上、6つのプロジェクトが完了しました。
 これから着手するのが、
6.都市親水公園の整備  です。

 これが終了すると、レイアウトベースを拡張して、
8.東側へのレイアウト(シーナリー)の延長  未着手 
 と、
9.北側に港湾の情景     ←今回追加 
10.北側に商店街の情景   ←今回追加
 
 が、今後の展開となります。


 レイアウト建設当初、レイアウトの北側は、河か、水戸市の千波湖のように大きな池みたいな湖の上を線路が渡る情景にしたくて、最初からユニトラックの複線トラス鉄橋を2連とガター橋2連をエンドレスの一部に組み込んでいました。 思えば2005年の制作記#5で鉄橋の塗装を行いましたが、ようやく2012年になって、鉄橋の下の地面と水面を作ることになりました(^^;)

 河か、湖という設定は、2006年の大阪JAMの会場で1/144の宇高航路のホーバークラフトのキットを購入したときから変わりました(^^;)
 海辺(港湾)の情景にすることにしました。  港は軍港や漁港ではなく観光港にします。 そこに小型のフェリー船、大型の外洋タグボート、そして記念艦となった駆逐艦と護衛艦を並べようかと思います(^_^)


 まずは最初の水辺の情景として、高架橋を利用した遊歩道を作ります(^_^)

 下の写真の4階の高さの県庁公園から線路に挟まれた海辺を赤い矢印のように緩やかに下る遊歩道を作ります。



 私はアーバンガーデンが大好きです(^_^)
 今回も高架遊歩道も、ただ単に高架橋の製品を並べるだけではなく、アーバンガーデン化します(^_^)

 最初は、遊歩道は横須賀のヴェルニー公園のようなボードウォークを作る予定でした。



 船の甲板のように板張りの遊歩道を海面を脇に見ながらした。 歩くとコツコツと音がするのが好きです(^_^)

 最初は、このような遊歩道を造るつもりでした。
 
 しかし、2009年にニューヨークで高架線を公園にリノベーションした新聞記事を見ました。 それがハイラインです。

 ハイラインはただ単なる遊歩道にしたと言うだけではなく、高架線をハイセンスな公園にリノベーションした都市型の公園、またはエンターテインメント施設になっています。
 
 元々はニューヨークのマンハッタンのハドソン川に近い10番街(10th Avenue)に沿って1934年に開業した高架貨物線が1980年に廃線となり、しばらく放置されて取り壊しの議論が沸きましたが、1999年に公園として整備しようという機運が盛り上がりました。

 ハイラインのユニークなところはストリートの上を高架で通るのではなく、街区の中を建物の中を潜りながら通っている部分があることです。
 これは貨物線が貨物の積み卸しをする工場や倉庫の中に入り込んでいたからです。
 



 ハイラインの第1フェーズが2009年にオープンすると、高架橋の上というユニークな公園は世界中で反響を呼びました。
 今まで、観光客がまったく寄りつかない極悪犯罪多発地帯に、世界中から観光客が訪れるようになりました。

 廃線となった高架線を遊歩道にした先輩格はフランスのプロムナード・プランテ

 日本でも同じようなことが行われており、代表的なのが横浜市の開港の道で廃線となった横浜臨港線の跡地を開港の道で、桜木町駅から山下公園まで抜ける遊歩道で、一部に臨港線の鉄橋や高架線が残されています。
 現在進行中ですが、かつて東急電鉄 東横線の横浜~桜木町が地下化で横浜高速鉄道みなとみらい線に切り替わったために、JR根岸線と平行する高架線を、高架橋をそのまま生かして遊歩道にする計画があります。

 しかし、こういうことをやらせたら規模もインパクト、そして集客が多いのはアメリカの方が頭抜けています。
 残念ながら横浜の場合は、ただきれいに整備された遊歩道にしか見えなくなってしまい、ハイラインのようにわくわく感が感じられません(^_^;)

レイアウト制作にあたって、参考になるようなアーバンガーデンを見に行くのも楽しみの1つです(^_^)
 しかし、今回のモチーフはニューヨークにあります。
 一年前に、どうしてもハイラインを見に行きたくなり、陸マイレージを使って2泊4日で、飛行機とホテルを抑えて行く寸前までなりましたが、仕事の都合で取りやめになりました(>_<)    そのマイルと予算は香港への家族旅行に回したので、レイアウト制作前に訪れる夢は叶いませんでした・・・・・  

 実際に行く代わりに、ハイラインのサイトで販売している公式本 HIGH LINE The Inside Story of New York City's Park in the Skyを購入しました。 

 

 公式サイトのハイライングッズは日本からでも購入可能ですが、送料がかかります。 本代が$33ですが送料も合わせると$62になってしまいます。 ためしにAmazonで検索してみると同じ本が送料無料で2,244円で帰ることが判り、そちらの方で注文すると1週間ほどで送られてきました。 
 これでは国内の洋書販売店はAmazonに太刀打ち出来ません(^_^;)

 購入したハイライン本、ハイラインの構想段階のことも書かれています。
 完成したハイラインも奇抜なデザインがされていますが、コンペで応募されて実現しなかったものにも、かなり奇抜なアイデアが見られます。

 ローラーコースターを設けたり、ハイラインを長大なスイミングプールにしたり・・・・・


 大部分は、デザイン性に優れたものになっています。 なかには実現したら楽しいと思うようなプランも数多くあります。



 コンペには780チームが参加して、デザインとアイデアを競ったので、実現したプランは、すばらしいものばかりです(^_^)
 
 2012年の6月には第2フェーズがオープンしたばかりなので、ますます多くの観光客が押しかけることでしょう。



 今回、洋書のアーバンガーデン本に目覚めたのでAmazonで立て続けにランドスケープの本を購入しました(^_^)

 
 1冊目はWaterscapes: Contemporary Landscapes という水辺や水を使った公園や建築の本で、今年発行されたので去年までの世界各国のランドスケープが載っています。 
 これから水辺の風景をレイアウトに造るので、良き参考書です。 日本の事例も、アーバンドックららぽーと豊洲(2006年)、みなとみらいビジネスセンター、そしてノーマークでしたが千葉県の季美の森ニュータウン(2002)が掲載されています。 ゴルフ場が併設してあるニュータウンで、ゴルフコースに囲まれた池に浮かべたプランターにひまわりが咲いている水景で選ばれたのだと思いますが、常時ひまわりを浮かべているわけではない、というよりもう浮かべていないらしい・・・

 これに気を良くして、もう1冊購入したのが1000x Landscape Architecture という世界のランドスケープの1,000の事例を写真と簡単な図面を使って紹介している本です。 Amazonで1万円近くしましたが、大判のハードカバーで1,000ページ以上のコート紙を使っているので重さは10kgを越えており、専用の取っ手付きの携行箱が付いています。  海外から購入したら送料だけでもかなりの金額になると思うのですが、送料無料で1万円しないのは、かなりお買い得に感じます(^_^)
 日本の建築もバブル崩壊がなかったら、もっとこれらの本に取り上げられたのかと思うと
切歯扼腕しますが、これからはヨーロッパの建築界が長いトンネルに入るのかもしれません(^_^;)


 
 さて、いろいろと研究した後に、とざきハイラインの制作に進んでいきます(^_^)


 とざきハイラインは3つのパートに分かれます。

まず第1パート

 第1パートは廃線となった単線コンクリート高架橋をそのまま生かしてある遊歩道です。 県庁公園から緩やかに下っていきます。
 


 KATOユニトラックの単線高架橋を使います。
 
 まだレールが付いていますが、レールを外して新たに公園の路盤を載せる予定です。


 第2パートは、木製の埠頭調の遊歩道です。
 コンクリート製の橋脚を取り壊し、船の甲板をイメージした木製の遊歩道を新設した設定です。
 海面が近くなり、足下をさざ波が洗います。
 


 木製の遊歩道はBar MillsBanks Icing Platformを使いました。
 
 これは冷蔵貨車の屋根から氷を搭載するための設備で、今では氷を使って冷やしていないので、現在ではアメリカでも使用していない設備です。 今でも人気があるようで、アメリカのレイアウトでよく見掛けます。 



 カタログの写真を見ると木製の桟橋風に見えるので、買い求め作ってみました。

 素材はポリウッドをレーザーカットしたキットで、長さ150mm巾15mmのプラットフォームを2つ並べて300mmの長さで貨車が4両ほど停められる長さですが、巾が15mmでは遊歩道としては狭すぎるます。 横に2本並べて30mm巾 長さ150mmの遊歩道に仕立てました。



 まだ未塗装ですが、エアブラシやウェザリングマスターで仕上げようかと思います(^_^)


 第3パートはうって変わって、レンガ積みのアーチ橋の遊歩道です。

 明治時代に造られた鉄道用のレンガアーチ橋ということにします。



 このレンガアーチ橋も宇都宮ロコ模型店の店主がかつて作ったレイアウトから取り外したものを頂きました(^_^)
 ヨーロッパのKibriの単線アーチ橋ではないかと思います。すべてに碓氷峠のレンガアーチ橋のようにウェザリングが施されています。
 これを3つ並べて3連のレンガ橋にします。

 

 第3パートからは階段で降り、みゆき通りに通り抜けられます。 出口にはイベント広場を設け、フードバスなどが並ぶフードコートのような賑わう場所にする予定です(^_^)



 非常に短いハイラインの区画ですが、
 
 レンガ橋(明治時代)
 
 新造したウッドデッキ(平成)
 
 コンクリート製の高架橋(昭和)
 
 と、3つの世代に渡る構造物が連なるハイラインで、今はてんでんばらばらに見えますが、何とかまとめて行きたいと思います。
 ニューヨークのハイラインのように、緑がいっぱいのハイラインなればいいかと思ってます。



 次回から、まずハイラインが通るレイアウトベースの地面を仕上げます(^_^)

 製作記#1~100   #101~150   #151~200   #201~250  #251~300