制作記#416
                      更新日2018年10月31日更新            

2018年10月27日(土) M1戦車搭載貨車#1(2軸ボギー貨車#1)



 アメリカのMicro TrainsからNゲージサイズの1/160のM1戦車と、戦車と貨車のセットが2018年9月から順次発売されます。
 
 貨車のセットは、DODX FlatCar Red 3pk(DODX長物車レッド 3両セット) $109.95

 


 DODX FlatCar Cascade Green 3pk(DODX長物車カスケードグリーン 3両セット) $124.95

 

 DODX FlatCar Cascade Mixed 3pk(DODX長物車 混色 3両セット) $124.95 

 

 日本では国鉄時代に陸上自衛隊のM4シャーマン戦車や61式戦車を鉄道輸送していましたが、74式戦車は以降は鉄道輸送を断念し、鉄道の車両限界を気にせずに設計することになったので、現在は鉄道で戦車を運ぶ光景を日本では見ることが出来ません。(装甲車や軽車両、火砲や施設科部隊の装備は現在でも鉄道による輸送が訓練で行われています)

 欧米では、戦車の鉄道輸送を現在でも見ることが出来ます。それは軌道の規格や地盤がしっかりしていて、重さのある現用戦車でも運べます。日本の狭軌の軌道と狭いトンネルとは大違いです。

 実際の戦車の輸送シーンはWeb検索すると、画像でも動画でも一杯出てきます。

 アメリカ国内での輸送は6軸の長物車にM1戦車が2両搭載されています。さすがアメリカ。日本では1両でも不可能なのに(^_^;)

 

 長物車への搭載は自走して行います。 M1戦車は幅が3.66mあるので、長物車の床板から少しだけハミ出ます。

 


 アメリカ陸軍の大規模な戦車部隊の駐屯地には戦車を貨車に積載するための設備があります。(写真はケンタッキー州 フォート・ノックスFort Knox)
 (JR東海の御殿場線御殿場駅にも撤去されていますが、かつてM4や61式戦車を長物車に搭載したと思うわれる場所が残っています)

 
 

 日本の第二次大戦中の戦車が軽装甲な戦車止まりで終わったのは、戦前の戦車を輸送する鉄道の規格が低いものであったという理由もあります。

 2018年4月28日にフジテレビ系列から放送された「池上彰緊急スペシャル」の在韓米軍の平沢市(ビョンテク)にあるキャンプ・ハンフリーズの紹介がありました。その冒頭、基地のゲートを入ってまもなく、鉄道貨車に積まれたアメリカ陸軍のM1戦車が映っていました。かつて日本が朝鮮半島の鉄道を敷設しましたが、日本屋内の狭軌のゲージ1.067mmでなく、大陸の鉄道と直通させるため、標準軌の1,433mmで鉄道を朝鮮半島で敷設したのは賢明でした。 M1戦車を輸送するくらい鉄道輸送の環境がいい韓国が羨ましくなります。
 
 韓国にある在韓米陸軍の駐屯地、キャンプ・ハンフリー(Camp Humphreys)、比較的最近、ソウル市内の龍山基地から基地機能が移転し、駐屯地全体が再整備されているので、貨車積込施設も新しいものになっています


 
 

 さて、MicroTrainsから発売されるM1戦車搭載貨車ですが、発売のアナウンスがあったのが1年以上前の2017年7月のこと。発売予定が2018年8月なので、1年以上も先なのですが戦車輸送列車には興味があるので予約してみました。

 過去にも、製作したドイツ軍の軍用列車や自衛隊の機材輸送列車の製作を行っています。

NATO軍(ドイツ軍)の軍用列車が征く

製作記#337 自衛隊機材輸送列車#1(FH70・73式装甲車・小型ドーザー)


製作記#338 自衛隊機材輸送列車#2(チキ・トラ)

製作記#339 自衛隊機材輸送列車#3(資材運搬車・AAV7)

 JR貨物が運行する自衛隊の機材輸送列車は、日本国内で見ることが出来ますが、M1戦車を搭載した貨物列車は絶対に日本国内では走ることはありませんが、フリーということで(^_^;)


 10月になり、最初に2軸のDODX FlatCarが発売されました。3軸のFlatCarは、1ヶ月遅れて11月の発売になるようです。
DODX FlatCar Red 3pk(DODX長物車レッド 3両セット) $109.95

 

 アメリカのN scale Supplyに1年前の7月に3種類のFlatCarを1つずつ予約しましたが、10月に先に発売された2軸のセットのみ先に送ってくれました。

 けっこう大きな箱に入ってきます。

 

 Rocoのレオパルド2戦車搭載貨車のように、完成された状態で来るかと思いましたが、M1戦車はキット形式になっています。

 

 戦車1両につきランナーえ枚です。Rocoのレオパルド2戦車はNATO3色迷彩が塗装済みで、貨車に載せられた状態でしたが、こちらは組み立てなければならないのですが、1/35のキットに比べたら1/160のキットなら組立塗装は容易です(^_^)

 クリアーのプラスチックのケースに入ったFlatCarはダイキャスト製の重いものが入っています。

 戦車のランナーはデザートカラーで成形されています。

 
 
 発売前の製品イラストでは、搭載した戦車を貨車に固定するタイダウンチェーンが描かれていますが、チェーンはエッチングパーツになっています。
 
 

 組立説明図です。タイダウンチェーンの取り付け方も載っています。

 


 それでは組立の開始です。

 最初は戦車の塗装です。
 M1戦車は最初のタイプが1981年に配備され、オリーブドライブ1色か、当時のアメリカ陸軍標準の4色迷彩とされていました。
 その後、ヨーロッパのNATO軍統一迷彩を制定しようということで協議され、アメリカ軍は4色迷彩を推しましたがコストの関係で現在の3色迷彩に決定されました。
 (我が陸上自衛隊は、さらにコストの関係で2色迷彩になりましたが・・・)

 それから1991年湾岸戦争や、2001年のイラク戦争、アフガニスタン紛争では、投入されたアメリカ軍の戦闘車両はデザートイエローで塗装されるようになりました。
 アメリカ本土に配備されている車両もデザートイエローで塗装された車両が多くなりました。(アメリカ国内の演習場の多くは、デザートイエローが効果的な場所が多くなっていますが)
 
 今では沖縄県や神奈川県で見かけるアメリカ軍の車両の中にデザートイエローで塗られた車両を多く見かけるようになりました。
 たしかにデザートイエロー1色ならばコストも低いのですが、いくら主戦場が中東・中央アジア地域といえども、本来ならば地勢的に3色迷彩が相応しいヨーロッパや韓国に、デザートイエローの車両が配備されているのを見ると、中東やアフガニスタンばかりが戦場ではない、本気で朝鮮半島で戦う気はあるのかと思ったりしたりします(^_^;)

 それで現在、アメリカ本土で鉄道輸送される戦闘車両の多くはデザートイエローで塗装されています。

 

 しかし、ここはやはり自分の持っているNATO軍のレオパルド戦車などに合わせて、3色NATO迷彩で塗装することにします(^_^)

 頑張ってタイダウンチェーンも取り付けたいと思います。

 



 ランナーの成形色はデザートイエローです。デザートイエローに仕上げるとしてもツヤが目立つので、塗装かツヤ消し処理をしたいところです。

 

 最初に下地処理として、プライマー成分入りのグンゼ オキシサイドレッドサーフェーサーを吹きます。

 

 その上に基本色として、タミヤのNATOグリーンのスプレーを吹きます。

 

 基本色が塗り終わったところで、迷彩色の2色を筆塗りするので、その前に組み立てます。
 戦車は輸送形態なので、戦闘時に立てられているアンテナや、風向計、機関銃などは付けられていません。

 

 手元にドラゴンの1/144のM1エイブラムスがあるので、比較の為に並べてみます。
 近似スケールの1/144と1/160ですが、かなり大きさが違うように思えます。

 

 長さも幅もだいぶ違うので、Nゲージに1/144の貨車に1/144の食玩の戦車を載せるのは無理かと思います。

 

 次回はNATO3色迷彩を施して、貨車に搭載したいと思います(^_^)
      


 製作記#1~100   101~150   151~200   201~250  251~300  301~350  351~400  400~450