2007年8月18日(土) 高層ビル躯体工事現場の作成 #5
(プレハブ事務所、工事足場の製作)
今回はエッチングパーツを使った作業です。
エッチングパーツは価格が高く、組立に手間がかかる上に、線が細いので、この規模のレイアウト上ではあまり目立たないという、まことにコストパフォーマンスの悪いものとなっています。
さりとて、エッチングパーツを使用すると、精密になるのと、ストラクチャーのバリエーションを増やすことができます。また艦船模型でエッチングパーツに慣れ親しんでいるので、苦労をもろともせずに使用します。
今回使用したのは、ホビダスダイレクトの「プレハブ事務所」と「工事足場」です。
エッチングパーツを使用するに当たって、プラパーツと比べて困難に感じる点は、
1.パーツの切り離し・切断
2.塗装
3.曲げ
4.接着
の4点を上げます。
私ならこうする! 〜エッチングパーツ〜
1.パーツの切り離し・切断
エッチングパーツの切り離しには、プラモデルの世界ではカッターで刃こぼれするのを覚悟で、定規を当ててカットするか、ハセガワのトライツールから発売されているエッチング用ハサミで切っていましたが、RMMのエッチングはステンレス製がほとんどで(プラ用のニッパーでカットしたら刃こぼれするほどです・・・)、かなり力を入れて切る必要があります。
そこで、RMM誌で紹介された方法ですが、タミヤのデカールバサミを使ってカットします。紙で出来たデカールを切るハサミでエッチング板を切るなんてそんな馬鹿な! と、思われるかと思いますが、デカールハサミを使用するとエッチング板がパチンパチンと爪を切るかのごとく、簡単にカット出来ます。
見た目は、細身でシャープな感じの刃先で、紙以外のものを切るのに、ためらう感じですが、刃こぼれ一つせずに良好な切れ味を誇っています。どこのメーカーが作っているのか判りませんが、タミヤから発売されているディカールハサミ、いい仕事が出来ます(^_^)
2.塗装
エッチングパーツの塗装は、未処理の状態だと塗料のノリが悪かったり、マダラになったりするので塗装前の下地処理は必要になります。
まず、油分等の洗浄が必要になります。説明書にはクレンザーでの洗浄が推奨されていますが、今回はクレンザーがきれていたので、研磨剤が入っている歯磨き粉を使用して洗浄しました。
そしてタミヤなどから発売されている、メタルプライマーを吹けば下地処理は終了です。あとは皮膜の強いラッカー塗料でも、弱いアクリル系でも問題なく塗装出来ます。 この下地処理をしなくても、塗装は可能ですが、エッチングを折り曲げたり組み立てる時に塗料が剥がれる恐れがあるので・・・
3.曲げ
エッチングパーツは平面なシートからなっているので、折り曲げが必要な場合があります。きちんと曲げるためには、定規を当てて曲げたりします。
私はタミヤのクラフトツールのエッチングベンダーを使用して曲げています。
4.接着
エッチングパーツの接着は、普通推奨されているのは、瞬間接着剤ですが、私なら以前から述べているように、透明ゴム系のボンドで接着します。
透明ボンドならば、微妙な組立をするときには瞬間接着剤と違って、何度も付け直しができるのと、、接着剤がはみ出た場合、乾燥後容易に除去出来るからです。
エッチングに使用する工具
右上:エッチング用ニッパー (エッチング専用のニッパーですが、使い勝手はディカールハサミの方がいい)
右下:ハセガワ トライツール エッチング用ハサミ(エッチング専用のハサミですが、使い勝手はディカールハサミの方が・・・)
左上:タミヤ エッチングベンダー (エッチングを折り曲げるプライヤー)
左下:タミヤ ディカールバサミ (エッチング用ではないのですが、右側の2点買うくらいなら、これ1丁あればエッチングなんぞプラのように切断してしまう、お勧めの一品)
さてプレハブ事務所ですが、今回は発売されて間もない、ホビダスダイレクトで購入したハイパーパーツシリーズの「プレハブ事務所」を使います。ハイパーシリーズの中でこのキットの素材はステンレス板でなく、真鍮板のようですが堅さはステンレス板並です。
上記のエッチングパーツの作り方で作りましたが特記事項として、
1.窓ガラスとカーテンの取付け
そのまま組み立てると室内ががら空きなのが見え見えなので、透明プラ板を貼り、カーテンの模様を印刷した紙をプラ板の裏から貼り付けてあります。
2.4隅の補強
このキットは平面の4枚のエッチング板を組み合わせて、建物の形にしていくので、ただ4枚を貼り合わせただけでは、強度が保てないので、四角のプラ棒で補強と直角出しを行っています。
3.鉄骨の表現
プレハブの建物の場合、構造となる軽量鉄骨が露出しています。ホビダスやRMMの作例では省略してありますが、プレハブの建物なら、こだわって骨組み部分は塗り分けたいです・・・
このキットの場合、鉄骨部分がやや盛り上がっていて、面相筆で丁寧に塗装すれば塗り分け出来そうですが、どうしてもハミ出してしまいます。
さりとてマスキングテープを使用して塗り分けようと思っても、エッチング板の上に塗装した皮膜を剥がしそうで、、マスキングテープを使う勇気はありません。
そこで、幅1oのプラ棒をフラットブラックで塗装し、鉄骨のモールドされた上に貼り付け、塗り分けの代わりとしました。目をこらしてみるとプラ板のように見えますが、離れて普通に見ればきれいに塗り分けたように見えます。
その鉄骨を支えるように、鉄棒がX字に張られていますが、これは単に薄めたエナメル塗料のフラットブラックでスミ入れして目立つようにしています。
4.屋根の繋ぎ目を隠す
屋根もエッチング板を載せることになりますが、載せるガイドが下の画像のように、けっこう目立ってしまいます。 それを隠すために屋根と同じ色で塗った先ほどの1o幅のプラ板を上から貼り付けて隠しています。
また、工事事務所なので付属のシャッターのパーツは付けません。
プレハブ事務所の塗装は、アサヒクリエイティブスプレーの壁面を”アースホワイト”で、屋根を”ピーコックグリーン”を吹き、窓枠とドアはタミヤエナメル塗料の”クロムシルバー”で塗装し、エナメル塗料の”フラットブラックで全体をウォッシングしてあります。
工事現場の廃棄物入れは、FALLERのキットです。
さて、高層ビル躯対工事現場の上部では、巨大な鉄骨の組立作業が行われています。製作記#59では作業員が鉄骨の上に直接乗っていますが、これは危険なので工事足場を組みます。
工事足場ですが、最近、アイコムからも工事足場のエッチングが発売されましたが、私は以前使ったホビダスの工事足場の方が、見た目が好きなのでこちらを使います。
これは製作記#46でも取り上げましたが、組み立てると4段の高さの工事足場が出来ます。ネックは値段の高いことで1セット3,150円します(^_^;)
これを工事中のビルの4面にびっちりと並べたいところですが、かなりの資金が必要になるので、制作記#58で貼った工事用のシートが途切れた上部だけに配置することにしました。 それでもけっこう予算が必要になるので、4セット投入することにし、4段の部分は2セットのみ、残りの2セットは4段のところ半分に切断して、2段のものを4セットにしました。 (内1セットは製作記#46で作った工事足場を引きはがして徴発しました(^_^;)
この切断にも前述したタミヤのディカールハサミが重宝します。
プライマーを吹いた後、アサヒクリエイティブスプレーの”アルミシルバー”を吹いて塗装しました。
実際の工事現場を見ると、足場の外側にはネットが張ってありますが、製作記#58と同じシートだと、せっかくの工事足場が良く見えなくなってしますので、今回はストッキングの生地に似た、台所の排水溝の水切りネットを使用しています。
まだ、この工事現場には車両用の「入口ゲート」と、「工事用エレベーター」を取り付けたいところですが、これらはアイコムからのエッチングパーツの入荷待ちです(^_^)