新日本海フェリ-で札幌の旅#6(モエレ沼公園#1)
                                            

   2016年9月10日更新
 
 
 

 環状通東駅から、北海道中央バスに乗り換えて、モエレ沼公園に向かいます(^_^)
 札幌に着いたのが朝7時前だったので、
 札幌市営地下鉄東豊線 環状通東駅から、北海道中央バスに乗り換えて7時46分にモエレ沼公園に着きました。朝7時からオープンしている施設なので早朝から観光する人間にとってはありがたい施設です。

  


 私が都市型レイアウトを製作するのにリスペクトしている芸術家が三人おります。
 一人が、太陽の塔などの作者の岡本太郎氏。レイアウト上に太陽の塔などの作品のミニチュアが複数箇所にと、ポスターが貼られています。

 

 もう一人は養老天命反転地の作者荒川修作氏。レイアウト上にはオマージュ作品の戸崎反転地を制作しました。レイアウト製作記#201参照 

 

 そしてもう一人がモレノ沼公園の原案設計者 彫刻家のイサム・ノグチ氏(1904-1988年)です。
 彼はアメリカ人ですが、多くの作品をアメリカや日本に遺しています。大きな作品が特徴的で、広場や公園を彫刻作品に見立てて設計したりしています。

 
 

 レイアウト上には氏の作品をリスペクトしたのは、遊具にもなるオブジェを、赤く塗装したボルトを組み合わせて造ったもの一つだけですが、今回の訪問によってさらなるレイアウト制作の為に学びたいと思います。


 

 モレノ沼公園は札幌市中心部から北東の方向にある188.8ヘクタールのも広さがある公園です。    モレノ沼自体は昔は川だったところが流れが変わり低湿地にある沼で、沼としての環境が悪化していたとき、札幌市は1978年(昭和53年)から大規模な水郷公園にする計画を立て、埋め立てるために札幌市内のゴミの搬入が始まり公園化の事業がスタートしました。
 大きく流れが変わったのは1988年(昭和63年)にイサム・ノグチ氏が自身の作品を展示する場所を探して、札幌市内を視察しているときにモエレ沼を訪れると、公園全体を一つの彫刻作品としたいとのオファーを彼から受け、公園のコンセプトが大きく変わりました。
 しかし、イサム・ノグチ氏はその年に亡くなってしまいます。でも氏の作による1/2000の公園のマスタープランとなる模型が遺されました。
 このマスタープランのもとに翌年の1989年(平成元年)から造成工事が始まり、1993年(平成5年)に遊具エリアの公開が始まり、部分開業を重ねて2005年(平成17年)に完成を迎えグランドオープンしました。 

 

 ここを訪れたのは二度目で、六年前の11月に家族でレンタカーで訪れました。その時は雪交じりの小雨が降る悪天候だったので、公園内を歩くことが出来ず、かろうじてパビリオンの役目を果たしているガラスのピラミットにある屋上展望台から、公園全体を眺めただけでした。
 今回は天候にも恵まれたので、6年前にかなわなかった公園全体を散策して、イサム・ノグチ氏の芸術作品であるこの公園を細部までトコトン楽しもうと思います(^_^)


 最初に公園全体を把握したければ、パビリオンになっているガラスのピラミットに行きたいところですが、ここは朝9時からでないとオープンしていないので、西口から入りましたが、入ってすぐ右側にそびえるモレノ山にチャレンジしたいと思います。

 

 モレノ山は標高62.4m、下からの高さは52mで公園に入る橋から見上げると高さもあり山頂に立つ人が小さく見えます。公園の施設の中では極めるのに一番大変そうに見えますが、朝一発目に一番大変なモレノ山を攻略しようと思います。

 

 モレノ山に登るルートは5本あり、一直線に登る階段もあれば、カーブを描いて登るルートもあります。
 私は入口に一番近く、緩やかなカーブを描く道を選んで登りました。

 

 そんなにきつい思いもせずに山頂に着きました。

 

 山頂には国土交通省の定めた二等三角点があり、低湿な扇状地が広がる札幌市東区では人工の山といえども唯一の山です。

 
 
 50m以上登ったお陰で、公園全体が俯瞰できます。

 

 近くにある丘珠(札幌)飛行場も見えます。軍民共用空港ですがエアーバンドを聞いていると、朝から陸上自衛隊機が多く離着陸しています。

 

 札幌の中心市街地方面を見ますが雲が低く降りていて、ぼんやりとしか見えません。
 山頂にいた地元の女性に話を聞くと、朝は雲が降りているけれど、昼になると雲も上がってすっきり見えるようになるそうです。「あと二時間ここで、待てば」と言われましたが、この公園全体を見なければならないので、そんな時間はありません(^_^;)
 
 
 
 すると、この女性は「私は2年前にこの辺りに引っ越してきてから、毎朝ここに登ってるけど、この公園のすべてが判るようになるまで二ヶ月かかったわよ。」と言われたので、今回2、3時間でこのモレノ沼公園のすべてを把握するのは無理だと悟りました(^_^;)
 
 女性に北海道に何泊するのかと聞かれたときに、「新潟から小樽に今朝4時半にフェリーで着いて、今日の夕方6時の飛行機で羽田に帰ります。」と答えると、理解不能だとの表情をされました(^_^;) 
 女性からはゴミの山が宝の山(モレノ山のこと)なったことは素晴らしいことだとか、公園の施設の話を聞きました。



 山を降りるのは北側の直線階段を降りていきます。

 


 降りたところにあるアクアプラ&カナールという水景施設は期待していたのですが、水が流れるのが10時からと判明して少し残念(^_^;)
 イサム・ノグチ氏らしい庭園風景を水が流れている光景を楽しみにしていました・・・・

 

 降りてからモエレ山を振り返ってみて、改めてゴミと建設残土を積み上げて高い山を造成したと実感。

 

 モエレ山からは公園の様子が手に取るように判りましたが、地上に降りて道を歩くと、カラ松などの樹が植えられていて周りの景色が見えなくなります。

 

 そんな並木道を抜けると、広大な景色が目の前に広がるのは見事です(^_^)
 緩やかな傾斜の芝生の広場が広がっています。あまりにも広すぎて、どのような施設だか判りません(^_^;)

 

 端まで歩いて行くと、背の高さ位の石垣が一直線に続いています。
 施設の説明板を探しても、石垣の上に乗るなと書かれている注意書きしかありません。
 取り敢えず何があるか斜面の上まで歩いて見てみます。

 

 ひたすら登って、石垣の頂点に達してみても何もありません。

 

 見事な花崗岩の石垣は、沖縄の城跡の石垣を想起させます。

 

 石垣の頂点から振り返ってみると、広大な広場が見えます。さすが北海道と言うべきか、内地ではこれ程広い公園はなかなか見られません。

 

 後刻、ガラスのピラミットで公園の案内図を見ると、ここは野外ステージ(Amphitheater)だそうで、広々とした傾斜地になっている訳です。

 その後、プレイマウンドから、この石垣の頂点の場所を見てみると、石垣の外側はかなりの高さになっていました。どおりで石垣の上に乗るなという注意書きが多くある訳です(^_^;)

 


 野外ステージを出て、巨大なオブジェのようななものが並ぶエリアに向かいます。

 

 巨大な白いコンクリート製の物体はミュージック シェル(MUSIC SHELL)で音楽ステージだそうです。ステージに向かい合ったところにプレイマウンテンがあり、この斜面を客席としてコンサートを楽しめるそうです。夜間には貝殻のような白い建物が照明に照らされてきれいに見えるようです。

 

 ミュージックシャルの裏側に回ってみると、コンサート出演者控え室とトイレが設けられています。

 

 このトイレ、案内所には記載されていませんが用を足すと音が天井に響き、水琴窟の響きを楽しむことが出来ます(^_^;)

 



 隣には巨大な三本の円柱を組み合わせたテトラマウンドがあります。

 

 今まで、芸術作品といえども実用的な施設ばかり見てきたので、ようやくイサム・ノグチ氏の鑑賞して楽しむ芸術作品に出会うことが出来ました。
 2mの太さのステンレスの円柱が迫力を感じます。

 

  この後は、後ろにそびえるプレイマウンテンに登ってみます。登るだけの施設ですが、昔からここに登るのを楽しみにしていました(^_^)

 

 新日本海フェリーで札幌の旅#7(モエレ沼公園#2)に続く →