レイアウト制作記#201
更新日2011年5月11日更新 TOPへ
2011年5月3日(火) 戸崎反転地公園#1 (養老天命反転地&郡上八幡への旅)
県庁公園の中核を成す施設として、反転地を作ります。
(ちょっと今回の制作記もボリュームがあります。疲れたと思ったら読み飛ばして下さい(^_^;) )
レイアウト制作記において度々書いていますが、中心市街地の活性化の為には官民一体となって人を呼ぶような施設を設ける必要があると思います(^_^)
だから、県庁といえども人を呼ぶような施設を設けます。
一つは35階に設けた展望室と、25階の屋上テラスです。 もう一つは県庁に隣接した戸崎21世紀美術館。
そして、もう一つ県庁公園内に観光施設を設けます(^_^)
観光施設としての戸崎反転地は、岐阜県養老町にある巨大な芸術作品 養老天命反転地をモチーフにしたものです。
養老天命反転地は、芸術家の荒川修作さんと詩人のマドリン・ギンズ(二人は夫婦)が約18,000m2もの面積で、岐阜県営養老公園の中に造られた美術作品というより、テーマーパークみたいな公園です。
初めて知ったのがカード会社の雑誌の記事で、数枚の写真を見ただけで不思議な空間の虜になりました。
岐阜県の養老町というおいそれとは行けない場所だったのですが、ようやく10年前に1度、仕事がらみの岐阜市の視察旅行中に無理言って寄らせて頂きました。 視察が終了してからだったので着いたのが、入場締め切り時間の16時30分だったのですが、遠くから来たので、と無理を言って20分だけ見学させて頂きました。
2度目は去年、子どもと一緒に訪れ、隣接した岐阜県子どもの国と合わせて楽しんで来ました。
そしてゴールデンウィーク中に、今回の制作にあたってもう一度、養老天命反転地が見たくなったので、家族で出掛けてきました(^_^)
ゴールデンウィークの3連休初日、東海道新幹線で出掛けました。
この旅行を思いついたのが2週間前、4月に入ってからの報道だと、東海道新幹線の利用客が減少し空席が目立っており、今年のゴールデンウィークも身近な観光地に行く人が大部分で、震災による自粛により遠出をする人が少ないのではと思っていました。
しかし、三連休1日目の東京からの新幹線は午前中はほぼ満席、家族3人が並んで座れる3列シートが空いているのは12時00分発の「のぞみ227号」で、名古屋で「こだま649号」に乗り換えて岐阜羽島に13時59分に着くという指定券を、JR東海のエキスプレス予約をシートマップを利用して予約しました。
帰りは3連休最終日の3日目の指定券は3人並びの席はすべて満席だったので、2日目に帰ることにしました。 幸い2日目の上り新幹線は席に余裕がありました。
いざ、旅行に出掛け東京駅に着くと大勢の乗客で駅構内はごったがえしておりました。 もう旅行の自粛というのは終わったようです。
ここ10年以上、ゴールデンウィークは値段が高くなり混雑するのが当たり前なので、連休の前後にずらして旅行に行っていましたが、子どもが義務教育になったので学校を休ませるわけにはいかず、久しぶりのゴールデンウィークの旅行になりました。
2週間前には席の余裕があった12時丁度発の「のぞみ227号」も新横浜駅からは満員でした。 しかし名古屋で乗り換えた「こだま」は自由席も1割程度のがら空き、到着した岐阜羽島駅も乗降客も閑散としていて、東京駅と名古屋駅の大混雑が信じられないほどでした。 岐阜羽島はビジネスなどの用務客がメインのようで、ゴールデンウィークには縁のない駅です。 周辺もビジネスホテルと結婚式場が目立ちます。
岐阜羽島駅から養老天命反転地までは、車で30分ほどなのでレンタカーで行きました。 借りたのは車種指定でプリウスの20型で、今年発売されたTOMYTECのカーコレクションVol.12に入っているやつです。 マイカーはプリウスの30型で、20型よりも燃費や走行性能は優れていますが、スタイルは30型よりもこの20型の方が好みなので、こちらを借りました(料金も30型に比べて20型の方が1,500円ほど安かった (^_^) )
ウィーク
濃尾平野の田園地帯を養老山地目指して、がら空きの道を快適にドライブしました。 しかし、目指す養老山地は近づいているはずですが、霞んではっきり見えません(>_<) 中国からの黄砂が偏西風にのって大量に降っているらしいです。
1度目に来たときは、平日の晩秋の夕暮れ時だったので、貸し切り状態で、養老天命反転地を見学できました。
2度目は4月の第二土曜日の午前中に訪れましたが、入場者が30人くらいの少なさで、いくら公営といえども維持していくのはたいへんだなと思っていました・・・・・
しかし、養老公園に近づくと道が混み合ってきました。
さすが、ゴールデンウィーク。 公園には多くの人たちがピクニックなどに訪れ、今までガラガラだった駐車場も満車で、少し離れた臨時駐車場にようやく入れました(^_^;)
入場券売り場も行列していて、10分近く並びました(^_^;)
濃尾平野の外れの養老山地の斜面を利用した公園で、普段ならば眺めも良く、ここから名古屋市内の高層ビルまではっきり見えたのですが、黄砂の影響で視程はかなり悪くなっていました・・・・
養老天命反転地の入場料は大人710円でしたが、JAFの会員証を提示すると団体料金の510円で入場できます。
基本的なコンセプトは徹底的に水平を崩し、不安定な状態にして平衡感覚を鍛えるという施設になっています。
だから並の公園と違って楽しむのには、かなり体力と平衡感覚を要求されます。
↓ 極限で似るものの家 屋根が岐阜県の形をした家で、壁が迷路のように入り組んだ建物の前には、樹が植えてありそこには、ぽっかりと深さ3m近い穴が開いています。 柵がない部分があるので、幼児が転落したら死亡事故になるでしょう・・・・
多くの子どもが訪れる施設ですが、造った側の思いとしては、、常に親が子どもから目を離さないでいてほしい、と親子の絆を確認する公園だそうです(^_^)
反転地のメインの施設、楕円形のフィールドに向かいます。
楕円形のフィールドには大小5つの日本列島が描かれており、下記の写真では赤茶色した巨大な北海道が写っています。
手前の家族連れが座っているのは、北方領土の択捉島になります。
楕円形のフィールドの外縁部に昇ってみると、すり鉢状になったフィールドが望めます。富士山か阿蘇山の火口を除くような感じです。
↓ 振り返って周辺部を見ると、けっこうな高さになっています。
カメラ内蔵の水準器を使用して撮影していますので、写真が傾いているのでなく、地面や建物の方が傾いております。
ここの施設は万事このように傾いているので、写真の親子連れのように幼児を遊ばせるには、常に親が付き添っていなければなりません(^_^;)
滑りやすい革靴などは不可で、係員や警備員に事務室で無料レンタルの運動靴に履き替えるように促されます。
また、けが防止のためにヘルメットの無料貸し出しも行っています。
フィールドは多くの樹、植物が植えられて、外縁部からフィールドをのぞいても、樹がうっそうと茂って全体を見通せません。
10年前に撮影した写真だと、樹はまばらで、薬草が植えられている様子が良く分かります。
10年前だと、すっきりしていて見通しが良く、あっさりと庭内を探訪出来ます。
現在では樹も大きく育ち、探訪というより探索、検索といった感じですり鉢の中に入っていかないと、作品を鑑賞出来ません。
もちろん、作者としては樹が大きく成長するのは織り込み済みで、樹の成長に合わせた景観の変化を楽しむものなんでしょう。
楕円形のフィールドの中には道が148本もあり、一本一本作者により名前が付けられています。
下の写真の黒ずんだコンクリートの細長いものが道です。
道の中には、普通に歩いては登れないだろう、というくらい急な斜面の道が多々あります(^_^;)
自分は米軍がアフガニスタンで履いているブーツを履いていったので、何とか登ることが出来ました.。 さすがはビブラムソール、グリップ力は半端ではありません。
多くのお客さんは壁に掴まったり、四つん這いで登っていきます。 降りるときも、ものすごく苦労します。
ハイキングというよりも、登山に近いような体力とバランス感覚が求められます。
すり鉢の底にあるのは迷路のような岐阜県の形をした宿命の家です。 ガラス張りの床の下にはバスタブやシンクなどのインテリアが置かれていますが、メンテナンスが悪くあまりよく見えません。
すり鉢の底から見上げると、もう一つの大きな日本列島があります。
銀色に塗装されたコンクリート製の日本列島です。
昨年、訪れたときには来場者が少なかったので、子どもと一緒に滑り台として遊んでしまいました。
これがとても危険でして、急斜面にあるので良く滑ります。 滑ってみると加速度が付きすぎて、よほど気を付けないと、怪我をする可能性がありました。 おまけにコンクリートの上を滑ったので、おろしたてのパンツの尻の部分がボロボロになってしまいました(>_<)
外縁部は尾根状になっている部分があり、滑り止め塗料が塗ってありますが、盛り上がった尾根の部分の両サイドは急な斜面になっています。
よくもまあ、子どもが大勢訪れるような場所に思い切ってこんな危険なものを造ったなと、感心してしまいます。
作者の荒川修作さんもWikipediaによれば、公園の特殊な構造から入園者に怪我人が相次いだが荒川は「案外少ないな」と平然としていた。そうです(^_^;)
尾根状の道を進むと、切り通しのような溝になってきます。
これが細く長く続く溝で、大勢の来場者がこの先に何があるのか期待を抱きながら溝を進みます。
溝の巾は狭く、どうにか一人が通れる巾です。
その溝を反対側から多くの人がやってきます。
すれ違うためには、片側の人が壁に張り付くように身を寄せ、その脇を反対側から来た人も平べったくなってすれ違わなければなりませんでした。 太った人が来たら、すれ違いも困難になる恐ろしい溝です。
どこまでも続く狭い溝を200m以上進んでいきました。キノコ状の天蓋を3カ所くぐっていきますが、最初は天蓋の屋根が開いていて上に上がりながら越えて行きます。もう一つは低くなっていて頭を下げながら天蓋を抜けていきます。 最後が真っ暗なトンネルになっていて、本当に真っ暗なトンネルなので、反対側から来る人と衝突してしましました(>_<)
苦労して進んだ先は、行き止まりでした(>_<)
また苦労して、50人以上の人とすれ違いながらの帰り道は苦難の道でしたが、溝の出口が見えたときにはホッとしました。
この苦労も作者を織り込み済みで、すれ違う人と譲り合って進むことで、人との関わり合いを学んでいくのだと思います。 苦労しましたが楽しい空間です(^_^)
反転地には他にも溝があり、これは外縁外側にある死なない為の道。
記録映画で見た第二次大戦中にドイツ軍がフランスの海岸に築いた大西洋の壁という要塞の塹壕を思い出すのですが・・・・・
ここもそうですが、斜面の至る所に地図を模したレタリングがされています。ここは北京のようです。
岐阜県を中心とした日本の地図やヨーロッパなどの街の地図のレタリングも見られます。
この死なない為の道もそうですが、作者の荒川修作さんは「死ぬのは法律違反です」とか「死なない○○」というフレーズを著作等でよく使われていました。
しかし荒川修作さんは残念ながら昨年(2010年)の5月に逝去されました。 昨年、そのニュースを聞いたときには少しショックを受けました。
それにしても、よくぞこのような大規模の芸術作品を造られたものです。 岐阜県と当時の知事に感謝です。
2時間近くたっぷりと養老天命反転地で汗をかいた後は、同じ町内の養老温泉ゆせんの里で汗を流しました。 濁ったナトリウム泉の湯はなかなかいい湯でした。 ここのホテルなでしこにいつか泊まってみたい(^_^)
レイアウトに養老天命反転地をモチーフにする予定で旅行をしてきましたが、レイアウト上の予定地はこの場所です。
この狭い場所に、規模の大きな養老天命反転地もどきを工夫しながら造っていく予定です(^_^)
番外:郡上八幡の旅
その晩、大垣市内のホテルに泊まり、翌朝、郡上八幡に行きました。(正式名称は岐阜県郡上市八幡町)
街中に何カ所も湧き水や水路がある水の町で、夏の間32夜踊られる郡上踊りが有名な観光都市です。
長年訪れたかった街でしたが、鉄道で訪れるのには不便な街で、長良川鉄道を使って訪れようとすると、名古屋からでも2時間半以上もかかります。 しかし東海北陸自動車道を使えば大垣から1時間ほどで到着するので、ようやく念願がかないました。
8時にホテルを出ましたが、途中ゴールデンウイークの渋滞に巻き込まれ20分遅れの9時半前に郡上八幡に到着しました。
さすがにゴールデンウィークだけあって、すでに中心市街地の駐車場は満車になっていたので、やや離れた公共の駐車場に駐めました。
郡上八幡の道の両脇に水路が流れる街並みに憧れていました。 まさにこの場所です。(これで電柱がなければ景観的にいいのですが、水路があるのでは電線の地中化は難しいか・・・)
街角のあちらこちらに水路を利用したポケットパークや、井戸、湧き水の水飲み場が設けられています。
街のおじさん、おばさんもやさしく観光客に話しかけてくれて、ポスピタリティに溢れた観光地です。
吉田川に合流する小駄良川の護岸は石積みで整備され、親水公園化されています。
川の水は澄んだ冷たい水です。
赤い橋の袂には、日本名水100選の第一号に選ばれて有名になった湧き水の宗祇水があります。観光客が列を作っています。
宗祇水から吉田川を渡って、街の観光の中心になっている郡上八幡旧庁舎記念館に向かいました。
戦前に造られた木造2階建ての旧八幡町役場で、観光案内所が設けられています。
川側にはウッドデッキが設けられていて、後ほどレイアウトで制作する予定がある親水公園の参考にしようと、観察しておきます(^_^)
水辺にウッドデッキを造りたいです。
ウッドデッキから吉田川にかかる新橋を見ます。
ここは夏になると橋の上から、地元の子どもたちや観光客が吉田川に飛び降りる光景が見られる名所になっています。
だから橋の上には、警告が掲示されています。 橋から水面まで高さ12m、5階建ての高さから飛び降りるのと同じ高さがあるそうで・・・・
水辺の景色が美しい観光地の郡上八幡は、カミさんも子どもにも好評で、レイアウト制作のために養老天命反転地と郡上八幡を訪れたのは内緒にしておきました(^_^;) いい家族サービスになったかと思います。
街の店舗や住宅も素敵なものが多く(自分の都市型レイアウトには合いませんが)街歩きも楽しいです。
大勢の観光客で溢れる郡上八幡から、レンタカーを返却する岐阜羽島までの帰り道は渋滞もなく順調で、1時間もかかりませんでした。
帰りの「のぞみ236号」の発車時刻16時00分まで時間があったので、名古屋駅の高島屋百貨店と東急ハンズで買い物をしましたが、店内はエスカレーターやエレベーターに乗るための短い行列が出来るほど、大勢の買い物客で賑わっていました。 いつもこのくらい買い物客が多ければ景気も良くなるのでしょうが・・・・・
名古屋駅の新幹線ホームからあおなみ線のホームが見えます。 列車が到着する度に大勢の乗客が降りてきます。おそらく、オープンして間もないリニア・鉄道館からの帰り客が多くいたかと思います。
鉄オタならば名古屋に行ったらリニア・鉄道館に行くべきでしょうが、レイアウト制作のための街観察を優先しました。
開業ブームが終わって落ち着いてから、いつか訪れようかと思います。
連休の中日だけれど、新幹線ホームは多くの乗客で溢れ、「のぞみ」もほぼ満席、東京駅について訪れたecute東京も客で溢れ、買い物をするのもたいへんでした。
やっぱりゴールデンウィーク中の旅行はたいへんだ(^_^;)
旅行から帰った後、早速、戸崎反転地の制作に取りかかりました。 続きは次回(^_^)
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