制作記#357
                       更新日2015年 1月24日更新           

2015年 1月24日(土)  記念艦の係留#1


 レイアウトベースに固定した1/144の記念艦はつしもを、係留索を使って岸壁に係留します。
 船体の方には係留索は制作の途上で取り付けてあります。行ったのは製作記#232で、もう3年以上も前になります(^_^;)
 この時、手芸店で購入したレザークラフト用の縫い糸を、艦上の係留Bittsに結んであります。この岸壁のボラードに結びたいと思います。



 もう何年も前から、この日に備えて実物の自衛艦やアメリ海軍の艦船の係留の仕方を観察してきました。製作記#220参照



 それでも艦船の係留法が書かれた資料を探していたら、手持ちの資料の中にアメリカ海軍の水兵用の初等マニュアル「Seaman」に、艦艇の係留法が図と文章で載っていました。



 自分の持っているのは1989年版で、入隊した兵士が水兵になるために80年代の基本的な艦船の装備や運用法が書かれています。
 信号やさまざまな艦船の機器の操作法も載っていて、艦船マニアの基礎知識が得られます。
 こういった、まったく知識のない入隊したばかりの素人に、体系的に知識を身に付かせるマニュアルを作らせたら、アメリカ人にはかないません(^_^)

 現在も使われている5inch砲の解説や、



 そして、キットにも使われているMk-33 3inch砲も載っています。 



 この砲1基操作するのに12人の兵員が必要だそうで、発射速度が速い分、装填に人手がいるようです。
 これは当時でも旧式の兵器なので、この1989年版を最後に次の版からマニュアルから姿を消しています。




 さて、マニュアルには艦船乗組の水兵のための甲板作業が、一つの章をもって解説してあります。



 ロープの結び方も細かく載っていますが、1/144の模型では実物通りというわけにはいかないので、係留索の張り方はアレンジして行います。



 マニュアルには、空母、潜水艦、駆逐艦の係留索の張り方が図で載っています。この図を参考にします(^_^)



 こうなると、海上自衛隊のマニュアル(教範)も見てみたいのですが、残念ながら自衛隊の教範は秘密保全のため不開示で見ることは出来ません。
 しかし、アメリカ海軍のマニュアルは、最新版でないものは多くが販売されたりWebで公開されており、ここで紹介した「Saaman」も1993年版がWebで公開されていて、このサイトからPDFで見ることも印刷することも出来ます。
 



  さて、記念艦を係留する前に、岸壁のボラードの数が少なく(全部で16基)、少し実物の岸壁に比べてボラードの密度が足りないようなので、倍増するためにTOMYTECジオラマコレクションの漁港A2~漁協事務所・水揚げ場~を購入してボラードを16基得て、それを願べきに取り付けました。



 係留索をボラードに繋ぐのにはピンセットと液体瞬間接着剤を使います。

 最初にボラードに瞬間接着剤を塗って、ピンセットで係留索を軽く巻きます。 完全に接着させるために、マスキングテープで押さえておきます。



 



 前部から後部まで、7本の係留索を張ります。



 係留索はボラードに輪っかを作って、掛けてあるので輪っかを作ります。
 この実物のように、輪っかを作るために、レザークラフト用の糸を結べばいいのですが、細いクラフト糸を結ぶと結び目が太く大きくなってしまうので、結ぶのは止めて、瞬間接着剤で接着することにします。



 輪っかを作るため、ピンセットで糸を結ぶように回して、瞬間接着剤で留めます。



 数分で接着できるので、余分なクラフト糸を薄刃ニッパーで切断します。



 これでボラードに掛けた係留索が作れます。



 「はつしも」を係留した次には、隣にもう一隻の記念艦 USS Doorsを「はつしも」と目刺し係留します。



 この二艦を再び、アメリカ海軍のマニュアルに従って、係留したいと思います。



 ただし、すでに完成している艦船模型の細かなパーツを壊さないように、細心の注意を払って作業を行なわなくてななりません(^_^;)

 


 製作記#1~100   101~150   151~200   201~250  251~300  301~350