レイアウト制作記#220
              更新日2011年8月8日更新         

2011年8月6日(土) 記念艦USS Doorsの建造#5(ヨコスカサマーフェスタ2011) 


 建造中の記念艦DOORSと係留する岸壁の制作のために資料収集も兼ねて、8月6日(土)に行われた海上自衛隊 ヨコスカサマーフェスタ2011に行ってきました。


 その一週間前の7月26日に、和歌山市の視察のために羽田から大阪まで早朝の飛行機に乗りました。 離陸後、ちょうど横須賀上空でシートベルト着用のサインが消えたので、横須賀基地を空中から撮影してみました。



 一番の面積を占めるのが米軍基地です。 
 JR横須賀駅を出てすぐにあるのが海自 吉倉地区(西逸見地区が正式名称))で駅前のヴェルニー公園から在泊のする主要艦艇が見られます。
 少し離れたところにあるのが海自 船越地区で、華やかに見える吉倉地区は、横須賀地方総監部が置かれている地方隊の司令部ですが、地味な感じの船越地区のほうが、上級司令部の自衛艦隊司令部、護衛艦隊司令部が置かれており、船越地区も重要な基地になっています。

 吾妻島は自衛隊と米海軍の共同管理施設ですが、米軍の弾薬・燃料基地の性格が強くなっています。 元は半島だったのですが、吉倉地区と船越地区の交通の便を良くするために、明治時代に帝国海軍が吉倉・船越の行き来をよくするために新井掘割水路を開削したために島になってしまいました。

 横須賀市の中心部はこの写真の下あたりで、京浜急行 横須賀中央駅付近です。
 

 偵察機から偵察している気分で吉倉地区の桟橋を見ると、甲板にヘリコプターの着艦標識が4つ書かれた艦が2隻停泊していました。
 これはひゅうが型ヘリコプター搭載護衛艦の1番艦 DDH-181ひゅうが と、2番艦 DDH-182 いせ で、この2隻は並んで停泊しているのは非常に珍しいことで、地上で見てみたかったです(^_^)



 米軍基地の方は見事に空っぽに近く、空母ジョージ・ワシントンの戦闘グループと、第7艦隊旗艦ブルーリッジはオーストラリアで行われた米豪合同演習タリスマン・セイバーに参加のために不在で、基地はガランとしていました。


 8月6日(土)に海上自衛隊横須賀基地のサマーフェスタに行ってきました。

 東日本大震災には、横須賀の艦だけならず、全国から海上自衛隊の艦船が横須賀に集まり、援助物資を搭載して被災地に向かいました。
 7月6日には、まだ災害派遣の垂れ幕を掲げた掃海艇MSC-683つのしま などの艦艇が在泊していました。

 

 その災害派遣も7月26日には福島県を除いて撤収となり、海上自衛隊も平常任務に戻りつつあって、今回の広報行事が行われました。


 今回、一般公開されている護衛艦いかずち 試験艦あすか 護衛艦やまゆき 砕氷艦しらせ を見学してきました。

 今回の重点視察したのは、艦や装備品ではなく、ロープ関係です。
 岸壁と艦を繋ぐ係留索(ロープ)、艦と艦を繋ぐ係留索など、まず普通の人は撮らないだろう写真を数多く撮ってきました。
 係留索の張り方は世界各国の海軍は同じだと思うので、わざわざボストン市まで見に行かなくてもすみます。

 同じ日に米軍基地の方もネイビーフレンドシップデーで一般公開されていますが、上述のようにアメリカの艦艇は、演習で出払っているので一般公開されているのはイージス駆逐艦ラッセン (USS Lassen, DDG-82)1隻のみなので、海上自衛隊の方だけの視察にしました。



 目的は絞っているので、のんびりと普通列車で横須賀に向い、昼過ぎの到着でした。
 横須賀線の一番の見所と思っているのは、横須賀駅に到着する直前に見える吉倉桟橋の光景で、公開されている艦艇と大勢の観客の姿が望めます。



 横須賀基地吉倉地区は、JR横須賀駅から徒歩5分もしません。 横須賀線建設の経緯が帝都と横須賀基地を結ぶためだったので、長らく横須賀駅が終着駅でした。 それが戦争中の昭和19年に久里浜駅まで延伸されましたが、それも久里浜の海軍施設(学校等)を結ぶための軍事路線でした。


 横須賀地方総監部脇の長さ353mの新岸壁にはヘリコプター搭載護衛艦 ひゅうが が停泊しています。 この新岸壁が出来て護衛艦がヴェルニー公園からより近くなりました。
 それにしても総監部の3階建ての建物と比べると ひゅうが の巨大さが判ります。



 今回の視察のテーマは係留索なので、ひゅうが の係留は艦首だけでも6本、さすがは大型護衛艦。



 大型護衛艦ので乗員は約340名、第二次大戦中のフレッチャー型駆逐艦の乗員が約330名なのでほぼ一緒。 現代の艦は省力化がなされています。


 ひゅうが の艦内見学は2年前に済ませているので、時間の関係で艦内見学はせずに、他の艦船の係留方法を重点に見ることにしました。



 岸壁に目刺し係留されている DD-107 いかずち ASE-6102 あすか  DD-129 やまゆき を一度に廻ります。



 乗艦しても、ハッチやロープなど1/144の駆逐艦の模型を作り始めてから、気になるところを重点的に見ました。



 係留するロープの巻き方など、参考になりました。 1/144になると、このロープも巻かなければなりません(^_^;)



 巻き方もいろいろあるようで・・・・



 目刺し係留した場合のロープの張り方もよく見てきました。
 レイアウト上で目刺し係留しようと思うので(^_^;)



 艦と艦の間のタラップや、艦と艦の間に挟む防舷材なども作ります。



 防舷材は多量の大型車のタイヤが付けられているので、トラックコレクションのタイヤでも使いましょうか・・・



 艦尾の護衛艦旗のポールも模型の通りで、早く完成してDOORSに星条旗を掲げたいです。

 護衛艦旗は帝国海軍の軍艦旗とデザインは同一です。 戦後、帝国海軍の後継者である海上保安庁、海上警備隊の船に日の丸を掲げたところ、無風では白旗にしか見えない。 そこで、海上自衛隊の前身である海上警備隊の発足時に、旗の案として視認しやすい軍艦旗と同一のデザインを時の首相 吉田茂氏にお伺いを立てたところ、すんなり承認されたそうです。 これは しらせ機関長から聞いた話です。




 
 岸壁から艦に乗り込むラッタルやタラップも作りたいので、この辺もよく見てきました。



 最後に、砕氷艦しらせ AGB-5003 に乗り込みます。 南極観測船しらせ というより海上自衛隊が運用しているので砕氷艦と呼びたいです。
 砕氷艦としては4代目、しらせという名称では2代目です。 2009年に就役し第51次、52次と2度の南極観測支援活動を行っています。
 また、初代しらせは2008年に退役後、2010年に一民間企業に引き取られSHIRASEとして、動態保存されています。



 南極で砕氷を行うために艦底は平らに近く、タライのような形なので自衛艦のなかでも、たいへん揺れが激しいそうです。 それなのに激しく荒れる南緯45度付近の暴風圏を通って行くのでたいへんです。 2代目になって揺れは少なくなったようですが、先代の艦では50度以上揺れで傾いたそうです。 航海長の話だと、激しい揺れの中でも散髪や歯科治療なども平然と行わなければ、しらせの乗員ではないそうで・・・


 しらせは大型の艦なので艦橋から、隣の護衛艦を見下ろせます。 模型を作る為の護衛艦観察には最適でした。



 1/144のフレッチャー級駆逐艦でも貼ることになる、空中線と信号旗を掲げる旗流甲板からのロープは以外と細いですね。
 目を凝らさないと見えないくらい細いです。 ここはオバースケールを覚悟して張るしかないです・・・・






 横須賀本港でのイベント恒例の、ヘリコプターによる救難展示訓練も、しらせの艦橋から良く見学が出来ました。
 


 UH-60J救難ヘリコプターが、目の前の高さで飛び、または目の下を飛行します。
 ひゅうがに乗艦する観客をメインにした展示飛行でしたが、人数が少なくても しらせの観客が最も楽しませて頂きました。



 近くで展示飛行をするので、海面近くまで降りると、ダウンウオッシュで海水が遠慮なく襲ってきます。 カメラを塩水から守らないと・・・・
 UH-60Jはパワーがありますが、救難機としては激しいダウンウォッシュが欠点になっています。

 なかなか市街地でのヘリコプターの飛行展示は珍しいのですが、アメリカではイベントでシカゴやサンフランシスコの市街地をジェット戦闘機のFA-18が爆音を轟かせて展示飛行を行っています。




 ヘリコプターによる救難展示が終わると、すかさずタグボート2隻が進入してきて、放水展示を行います。



 放水しながら、キッシンググラミーのように舳先と舳先をくっつけて、2隻で360度回転します。



 この展示はラッキーでした。 タグボートのプラモデルを海上自衛隊の塗装で仕上げるのに、格好の位置で写真撮影が出来ました。



 資料用の写真が多く撮れました。
 また防舷物としてタイヤが大量に必要になります・・・・



 2番艦には自衛隊の募集広報キャラクターのピクルス王子とパセリちゃんも乗船中。



 今回の視察は、ロープの結び方を良く見させてもらいました。



 あと、艦艇のヘリコプター着艦標識が白いラインの新しいデザインに変更になったのも、自衛艦の模型を作る時の参考になりました。
 旧マークの赤い円形のマーキングの跡がまだ残っていますが、デザインとしては旧マークの方が目立って好きです。
 自分の1/700の自衛艦隊には旧マークが艦ばかりです。




 海上自衛隊の交通艇の写真を撮って来ました。 
 1/144の帝国海軍の内火艇をこれと似た形に改造しなければなりません。
 


 後方のタグボートはアメリカ海軍のものです。 ダルマみたいなデザインですが、洗練されてますね。


 
 1/144の艦船模型を作っていると、実艦との比較が楽しいです。 
 1/700では省略されているものが、1/144では用意されているので、実際の艦に乗っているような感じがします。
 ちゃんとラッタルやハシゴ、ハッチが再現されているので、それらを通って艦内のあらゆるところに行く、艦内旅行の夢想を楽しめます(^_^)                           


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