2017 千歳基地航空祭の旅#5(旧国鉄手宮線)
                                    2017年 8月21日更新     
 

 小樽港に4時30分に入港し、これからJRで千歳に向かいますが、その前に行きたいところがあり一仕事行います。
 昨年は小樽運河を中心に見ていきましたが、今回は前回発見した旧手宮線を歩いてきました。

  今回は一人旅なので非常に気楽です。家族旅行だったら、朝5時前に2㎞ほど散策だと言ったら間違いなく却下されます。
 その前に、往復長距離フェリーで、北海道には一泊もしないといったら、ありがたいことに旅程がクレージーすぎて一人で行ってきてくれと言われました(^_^)

 アーチ型の小樽フェリーターミナルに着くと、小樽に来たなあ、という実感が湧きます。
 小樽駅から千歳空港行きの普通列車は5時53分発、1時間強、散策の時間があります。

 


 フェリーターミナルを出ると、昨年はいなかったタクシーが客待ちをしています。歩いて行くつもりでしたが、時間の節約のために今回はタクシーを利用することにし、旧手宮線の終点にあたる手宮の小樽総合博物館の前まで行きました。

 ここは国鉄時代に北海道鉄道記念館といっていた昔、来たことがあります。その後、小樽交通記念館に変わり、今は小樽市の小樽総合博物館です。
 まだ5時前では中に入ることも出来ないので、柵外からの見学です。

 

 昔来たときには、屋外に展示している車両はボロボロで、展示車両は屋外でなく埼玉、名古屋、京都の鉄道博物館のように屋内展示じゃないとダメだと思っていましたが、ここの屋外展示車両はきれいな状態で展示されているようです。

 
 

 ずらりとホームに並べられた展示車両は、先頭から、C12蒸気機関車、キシ80、キハ22、ED75、キハユニ25、キハ56、キロ26が見えます。

 まるでNゲージの車両のようです。街灯もKATOのジオタウンのと似たデザイン。

 

 入口に置いてあるモニュメントは、動輪と巨大な手。この手は鉄道員の指差確認と、未来へのスタートという意味があるらしい。

 

 旧手宮線を終点の手宮から、起点の南小樽方面へ向かって歩き始めます。

 

 手宮駅構内だったポイントの部分を歩くと、今でもディーゼル機関車に引かれた貨物列車がやってきそうな雰囲気があります。

 

 ただ転轍機の部分は鎖に囲まれていて、触れないようにされています。

 

 立派な石造りの建物は、旧日本郵船(株)小樽支店で、一時期、小樽市博物館として使われていましたが、現在は重要文化財旧日本郵船(株)小樽支店として一般公開を行っています。手宮線に面している部分は建物の裏側なので、正面から眺めると明治時代の重厚な建物


 

 旧手宮線の沿線には、なかなか趣のある建物が並んでいます。これらも良き観光資源になっています。

 

 複線区間を300mほど行くと、複線部分が唐突に途絶え、単線の線路の脇を遊歩道が続くことになります。最初、小樽市が線路を複線のまま維持するのでは、維持費用がかかるので、1線線路を剥がして遊歩道を設置したのかと思っていました。

 

 しかしそれは誤解で、沿線にある案内板によると、単線になったのは、第二次大戦中の1943年(昭和18年)で、手宮線の旅客輸送を中止し、複線を単線にしたとあるので、戦時中の線路供出の一環らしいです。

 


 遊歩道から見た運河沿いの工場の建物は、北海製罐小樽工場本工場。鉄道模型のストラクチャー WALTHERSの工場のキットに似た工場です。さすが小樽は工場もアメリカンです。

 


 旧旅客用手宮駅跡地です。旧手宮線の敷地にビラリストランテ GAJA 小樽店という飲食店の駐車場が迫っていて駅舎などを再現する余地がないので、手宮駅の跡地としては景観としては少し残念な形になっています。リストランテというからイタリア料理店と思ったら、地元でも人気のチェーン店の焼肉店でした。
 この先の旧色内駅跡地には、旧駅舎を模した休憩施設が建てられています。
 
 

 旧手宮駅周辺は荒巻山の端が迫っており切り通しのようになっています。右側の崖の上に荒巻山の突端になる岸壁が露出しており、岩山好きな私は、小さいながら街中にそびえ立つ突端を見るのを楽しみにしていましたが、下にある線路ばかり見ていたので、上にある突端を見逃してしまいました(>_<)
 将来、もう一度、見に行こうと思います(^_^;)

 
 
 この踏切跡も撤去すれば自動車も通れる道幅が確保出来るのですが、そのまま歩行者専用踏切を残してあります。

 

 遊歩道の各所に、古枕木を使用した花壇が設置されています。いずれの場所も植木のメンテナンスは市民参加できちんと行われていて、地元の人や観光客に対するホスピタリティが溢れた遊歩道です。

 

 小樽の中央通りを渡る踏切跡です。

 

 「一時停止の必要はありません」という看板が大きく掲げられていますが、道路上の線路を見ると、慣れないと反射的にブレーキを踏みたくなります(^_^;)

 
 
 終点の手宮から中央通りまで約1,160m。この先、南の南小樽駅方面に510mほど遊歩道が整備されています。

 

 中央通りの大きな踏切跡の近くには、機材倉庫と踏切交換用竿入れが残されています。

 

 旧国鉄手宮線跡を利用した遊歩道の散策を終わり、小樽駅へ向かいます。

 

 5時53分小樽始発のエアポート快速新千歳空港行きに乗れば、7時14分には千歳に着き、航空祭が始まる前に千歳基地に入れます。

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