2017 千歳基地航空祭の旅#3(護衛艦まつゆき)
                                    2017年 8月18日更新     
 
出港した新日本海フェリーは、山の下岸壁に一般公開のために停泊している護衛艦「まつゆき」フェリーが出港すると、刻々と角度を変えていく護衛艦の姿を俯角出来ます。

 

 1時間後の一般公開に備えて76㎜砲やアスロック発射機の展示準備を行っています。岸壁に観光バスが2台やってきて、白い制服を着た乗員を乗せて出発していきました。今日と明日、交代で新潟見学を行うのかもしれません。

 

 岸壁には一番の目的である新潟地方協力本部のテントが並び広報活動の準備です。
 陸上自衛隊の車両も展示されていて、偵察用オートバイ、軽装甲機動車、高機動車、82式指揮通信車。いずれも新潟県内の新発田駐屯地の第30普通科連隊の車両です。

 

 「DD-122はつゆき」をネームシップとする「ゆき」クラスの護衛艦で、同クラスは1982年~1987年の5年間に12隻も就役した海上自衛隊では最も同型艦が多いクラスです。さすがに30年以上経過した艦が多く、12隻中7隻が退役し、3隻が練習艦に艦種変更されて、護衛艦として現役で残っているのは、この「DD-130まつゆき」と「DD-132あさゆき」だけになっています。
 
 

 「まつゆき」は護衛艦隊第14護衛隊の所属で、新潟県の防衛警備を担当する舞鶴が定留港です。

 

 現代のステルスを考慮した艦橋のデザインに比べて、ゆきクラスの護衛艦の艦橋は、帝国海軍の甲巡洋艦のデザインに似ていて個人的には好きです。
 体験航海で何度か、ゆきクラスの艦橋に載せてもらいました。
 「ゆきクラス」の後継クラスは、あさぎり型護衛艦の「きりクラス」で、「ゆきクラス」よりも艦橋の高さが一層低く、個人的には後部の巨大な格納庫と合わせて、あまり好きなデザインではありません(^_^;) その後継のクラス、「あめクラス」「なみクラス」はデザインのバランスがとれていて好きなデザインです。

 

 艦橋後方の煙突も、ゆきクラスの特徴で太い一本の煙突は、ジェット機用のエンジンを使ったガスタービンエンジンの排気用です。
 その後方はヘリコプターの格納庫ですが小さい感じがするのは、艦の排水量からするとやむを得なく、1機を整備するのは十分なスペースです。

 

 フェリーは真横から眺める位置に来ました。
 ゆきクラスの武装は、前部に76㎜単装速射砲、74式八連装アスロック発射機、中部に対艦ミサイルのハプーン発射筒、68式三連装短魚雷発射管、そして後部に対空ミサイルのシースパロー短SAM8連装発射機があり、他にもCIWS高性能20㎜機関砲が装備され、コンパクトな船体ながらも、建造当時としては十分な武装がなされています。

 

 重武装な上に、UH-60J哨戒ヘリコプターも搭載しています。
 一時期、ゆきクラスは護衛艦隊から地方隊に配備されたときに、ヘリコプターの搭載がなくなりましたが、部隊改編により護衛艦隊に戻され、再びヘリコプターを搭載するようになりました。
 ヘリコプターの搭乗員が、手を振るフェリーの乗客に対し、帽振れで答礼してくれています。

 

 護衛艦のグレーの船体が、住宅や製紙工場などを背景にすると溶け込みますね。


 

 今のきりクラス以降のヘリコプター搭載護衛艦の格納庫は2機並んで整備出来るくらいのスペースがあるので、「まつゆき」の格納庫を見ると、とても狭く感じます。

 

 フェリーも信濃川の河口から日本海に出て行き、護衛艦の姿も小さくなってきました。
 艦齢30年を超える「まつゆき」ですが、延命改修工事を行ったので、まだしばらくは見ることが出来ると思います。

 

 天気は曇りで少し残念でしたが、グレーで塗装された護衛艦を撮影するには曇りくらいの方が良かったのかもしれません。
 次の日の日曜日は、強う雨で一般公開としては残念な天候だったらしいですが・・・

 小樽へと向かうフェリーに従うのは海鳥多数。
 カモメかウミネコか、識別に迷うところです。ウミネコもチドリ目カモメ科カモメ属に属する鳥です。識別ポイントとして、尾の末端に黒い帯があるので、彼らはカモメでなくウミネコでしょう。

 

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