新日本海フェリ-で札幌の旅#8(モエレ沼公園#3)
                                            

   2016年10月7日更新
  
 

 ガラスのピラミッドに入ります。経路の関係で裏口の方から入ります。



 1Fのレストランの脇から入ります。
 レストランは北海道産の新鮮な素材を使ったフランス料理のレストランL’enfant qui rêve。市内の三つ星レストランの系列店でランチもディナーもコース料理で、都市公園のレストランにしてはグレードも価格も高いレストランが入っています。
 
 

 ちなみに西口入口から見たガラスのピラミッドはピラミッドの一角を切り落としたような形です。

 

 この角度から見れば、ピラミッドの形に見えます。
 
 

 ピラミッドの壁面は、菱形のガラス板を組み合わせています。これはパリのルーブル博物館のガラスのピラミッドと同じ作り方です。
 この反対側の垂直になっている面は、長方形のガラス板の組み合わせになっています。

 
 
 中に入ると、巨大なガラス張りの空間になっているアトリウム1。4階建の建物がすっぽり入る高さです。
 イベントとか式典が行われる場所ですが、今は何も置かれていないので広い空間になっています。
 
  

 シースルーのエレベーターで2階に上がると、アトリウム2が現れます。
 ここもベンチになりそうな階段部分の面積が広く、ガラスの外はモレノ山やプレイマウンテンがいい借景になっています。

 

 2階3階を通過して屋上階に行くと公園全体を見渡すことが出来ます。

 

 屋上の一段高いところが展望台になっています。

 

 展望台からは公園が一望できて、今まで歩いてきた道のりを辿ることが出来ます。

 

 本当に真っ平らな石狩平野の中にありますが、公園の外で目立つのは送電鉄塔くらいです。
 送電鉄塔に関しては公園建築時に一悶着あって、1988年にイサムノグチ氏がこの公園予定地を視察したときに、高圧線が公園の中心部を斜めに横断していて、後ほど高圧線は移動する予定との説明が市からありました。その移設計画が高圧線が公園を避けるが、公園のすぐ側を通る計画でした。それを聞いたイサム・ノグチ氏は景観の観点から怒り、「それなら私はやめます。」というほどの問題となりました。

 

 結局は札幌市と国の建設省(現国土交通省)石狩川開発建設部、そして鉄塔などの費用を負担する北海道電力との間で調整が異例の速さで進み、高圧線は遠回りになりますが公園を避けて通ることになりました。
 イサム・ノグチ氏はこれを聞いて、「あなた方札幌のためでしょう。」と喜び、今の景観を保つことが出来ました。




 ガラスのピラミッドの東方の芝生の中に、クレーター状の窪みがあります。
 このクレーターは公園の案内図には載ってはなく、各種のガイドブックにも載っていません(^_^;) 
 このクレーターの使用目的が不明なので気になり、Webでいろいろ検索しても現在のところ発見に至っていません。
 子どもが窪みに駆け下りたり、冬にはソリで滑り降りて楽しむ場所かもしれません。
 見た目は、迫撃砲陣地のような形をしているので(^_^;)、毎年9月に行われているモエレ沼花火大会の打ち上げ場所かと思ったけれど、狭すぎるし、ここではなさそうです(^_^;) 

 

 どうも気になるので、迷惑を承知で公園の事務所に電話で聞いてみることにしました(^_^;)
 すると、特に使用目的はないそうです。
 ようするに、イサム・ノグチ氏の作成したマスタープランの模型に、このクレーター状のものがあるので、プランどおりに工事したというのが正解みたいです(^_^;)
 次に行くときには、このクレーターの中に入って楽しんでみたいと思います(^_^)


 またピラミッドの中のエレベーターに乗って下に降りることにします。

 

 ピラミッドの中のシースルーエレベーターに行く通路も、両脇がガラスになっていて高所恐怖症でなくても、怖さを感じる通路になっています(^_^;)

 

 この通路も空中に飛び出すように造られていて、高さを感じさせます・・・
 中国だったら、床もガラス張りにして下も丸見えにした通路にするでしょう・・・

 

 エレベーターも床と天井以外は透明ガラスです。乗ると迫力を感じます。

 

 宇宙ロケットの発射台のような構造のエレベーターですが、乗っているとピラミッド内の広い空間を独占している感じになります。
 3階にはイサムノグチギャラリーがあって、公園の建築経過や氏の作品が展示されています。公園のマスタープランの模型も展示されています。
 書籍や映像の展示もあり、ここで時間を取って学ばさせて頂きました。

 

 1階のエレベーターから見えるのは、彫刻展示室でイサム・ノグチ氏の作品が展示しています。北海道のIT企業の本社に置かれていたものが、会社より寄贈されてここに置かれています。

 

 1階にはショップもあり、イサム・ノグチ氏の原型の作品や、Tシャツ類、書籍などが売られています。岐阜県の美濃市に行ったとき、和紙を使った照明器具を購入しましたが、原型がイサム・ノグチ氏とは知りませんでした(^_^;)

 

 時刻も10時30分になり、モエレ沼公園から札幌バスセンターに行くバスの時間が10時43分、ガラスのピラミッドを出てバス乗り場に向かいます。
 10時30分から海の噴水で15分間のショートプログラムが始まりますが、ループ化された札幌市電を見て、乗ってみたいので大通りの方に行かなくてはならないので、大噴水を見るのは今回は諦めます(^_^;)


 ガラスのピラミットから出て、西口に向かうと立派なポプラ並木が現れます。
 
 イサム・ノグチ氏は公園に植える樹については、
「中央部の噴水の周りにはカラ松を。そして、白樺が好きなので使いたい。それ以外はそれ以外は任せる。」と言われました。
 公園の基本設計及び実施設計に関わった斉藤浩二氏は、北海道を象徴する樹であるポプラを、公園の真ん中に列植したいと提案しました。
 するとイサム・ノグチ氏より、
「ここではよして下さい。」と言われたそうです。

「私は公園全体を一つにしたいのです。それを(ポプラ並木で)真ん中を切るのはよくない。・・・・でも、入口のところにあるといいね。」
 と言われたので、この部分だけに短いポプラ並木があります。

 

 橋を渡って駐車場に設けられたバス乗り場に向かいます。
 当初の予定では、レンタル自転車を借りて、モレノ沼の外周部も回りたかったのですが、ガラスのピラミッドで時間を取り過ぎました(^_^;)
 次回の楽しみにしておきましょう(^_^)

 

 埋め立てをしたので、沼というより川に囲まれた感じになりましたが。モエレ湖と名を付けられ公園全体を細長い三日月のように囲んでいます。このモエレ湖の両端は篠路新川に繋がっています。

 

 駐車場にはレンタサイクルが9時から営業しており、2時間200円で借りられます。

 
 
 行きは地下鉄環状通東駅からバスで来ましたが、帰りは大通公園近くの大通りバスセンター行きのバスに乗ります。
 
 

 45分くらいかかりますが、地下鉄への乗り換え時間を考えるとそれほど変わらないのと、直通バスの方が座っていけるだけ楽です。何よりも地下鉄では車窓を楽しめないので、バスの方が楽しめます(^_^)

 

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