新日本海フェリ-で札幌の旅#4(小樽運河周辺)
                                            

   2016年8月26日更新
 
 
 

 入港時刻の30分前、小樽港と新潟よりも大きなフェリーターミナルビルが見えてきました。

  

 入港時間は定刻の4時30分ちょうど。
 
 

 大きな船体で快適な船旅でした。

 


 小樽フェリーターミナルから、JRへの接続は夏季期間のみ接続バスが出ています。ただし出るのは1時間後の5時30分なので、バスを待つよりは歩いて移動した方が早く着けます。
 フェリーターミナルから直近の南小樽駅前までは1.5㎞で歩いて20分弱、小樽駅までなら2.8㎞で30分強で着きます。
 せっかく小樽に来たので、小樽の運河周辺を見ながら小樽駅に歩いて行きます。

 フェーリーターミナル構内は徒歩で移動する客は誰もいないので、一人、フェーリーから下船する乗用車やトラックの合間を見計らいながら構内を出ます。

 

 小樽駅には最初は海沿いのルートをとります。
 しばらくは乗船してきた「ゆうかり」の船体を眺めながら歩きます。

 

 小樽は港町として有名ですが、今は港の機能も寂れ、元岸壁だったところも「かつない臨海公園」となっています。
 岸壁の名残としてボラードが残されていますが、シンボルとして残しているのか、ボラードを撤去するのに大きな穴を開けなければならないからか・・・

 港面した店舗にはロシア語の看板が目立つのも小樽らしいです。

 


 寂しくなった小樽港から運河地区に入ります。

 ここは運河の始まりみたいで(逆に終点かもしれない)、市内の山から流れてくる川の水が運河に注ぎ、石狩湾に至ります。
 そこには、オイルフェンスならぬゴミフェンスが設けられて、川からのゴミをブロックしています。お陰で小樽観光の目玉の小樽運河の水はとてもきれいになっています。 最近、中国の汚れた運河を見慣れてくると信じられないほど、きれいな運河に見えます。 

 

 運河の始まりの近くには飲食店やお土産屋の集まった商業施設、出抜小路があります。
 建物の外観はTOMYTEC 建物コレクションの昭和の建物を合体して組み立てたような感じです(^_^)

 

 朝、5時前なので日中は大勢の人が集まる撮影スポットも人の姿は見えません。生活感ある街の様子は見られませんが、建物や運河を眺めるのには最適です(^_^)

 

 運河沿いの遊歩道を歩く人は、朝の散歩を楽しむ地元の人ばかりです。その散歩の人はすれ違うと、観光客にも朝の挨拶をして頂きホスピタリティに溢れた街に感じます。

 

 観光案内所の横に「ふれあいの泉」があります。水道共用栓 和田式耐寒共用栓で、ライオンの口から水道水が出ています。かつては市内に多く設けられ、人々の喉を潤し、生活水としても使用していましたが、各家庭に水道が普及すると姿を消していきました。
 小樽の水道水飲んでみましたが、確かにうまい(^_^)

 

 小樽の倉庫群は木骨石造の倉庫が多く残されています。
 基本的に外観は昔のまま変えずに、内部をリノベーションして飲食店や店舗などし、多くの観光客を集めています。
 

 明治時代に北海道開拓と共に発展してきた小樽市は、多くの人と富が集まり、山を切り崩し、海を埋め立てて住宅や商店、それに御殿や倉庫が建てられ、大正時代に最盛期を迎えました。
 そんな小樽市が衰退していったのにはいくつかの要因があります。
 1.漁業に繁栄をもたらせたニシンが、突然、来なくなった。
 2.日本のエネルギーが、石炭から石油に変わってしまった。
 3.経済の中心(銀行)が小樽から、札幌に移ってしまった。
 4.太平洋ルートの苫小牧港が整備され港も移ってしまった。
  
 小樽の港は衰退が著しく、倉庫は荒れ、運河はゴミが浮かび廃船が沈んでいるほど環境が悪化し、メタンガスが湧くなど最悪の状況に陥りました。
 モータリゼーションが進んだ昭和40年代には、使用されない小樽運河を埋め立てて道路にしようという計画が持ち上がりました。
 それに小樽運河が小樽のシンボルだという住民運動が起きて、最終的に道路として埋め立てるのは運河の半分の幅に留め、運河沿いに遊歩道を整備する計画が立てられました。
 運河の整備工事が行われたのが昭和57年(1982年)~昭和62年(1987年)、遊歩道が完成すると市民の憩いの場となった上に、運河の情緒を求めて多くの観光客がやってくるようになり、使われなくなっていた運河倉庫群が次々に観光用の施設に内部がリノベーションされて、賑わいを創成されるようになってきました。

 最近では外国人旅行客の増加によるインバウンド効果もあり、平成27年度(2015年)の小樽市の観光客入込数は800万人に近づき、年々上昇しています。
 ただ観光客入込数800万人に対して、小樽市内の宿泊客数は10%程と宿泊客は札幌に取られているのが現状で、小樽市は滞在型の観光地にはなっていないようです。


 観光客が訪れていない朝5時の運河の光景は、昔のままの倉庫街に見えるほど、外観は昔のままに留められています。 

 
 
 運河観光に欠かせない小樽運河クルーズがあります。40分間でデイクルーズが1,500円 ナイトクルーズが1,800円 夏季は朝9時から夜9時まで30分おきに運行しています。

 

 小樽運河の案内板があり、昔の運河の写真も載っています。

 

 レイアウトビルダーとしては、運河や道路の寸法が載っているので1/150してレイアウト製作の参考にします(^_^)

 

    新日本海フェリーで札幌の旅#5(小樽駅へ)に続く →