新日本海フェリ-で札幌の旅#5(小樽駅へ)
                                            

   2016年8月31日更新
 
 
 

 小樽運河沿いに建つ倉庫群。運河側の外観は大正・昭和時代の倉庫の外観を変えずに、昔の景観を残しています。
 この反対側の道路に面した側は商業施設の外観になり、飲食店や免税店、駐車場になっています。

 

 小樽運河を離れ、小樽駅目指して中央通りの直線の緩やかな坂道を上っていきます。
 中央通りの入口の角に建つのは小樽市総合博物館の分館、運河館です。
 旧運河倉庫を博物館にしています。 

 

 まだ、朝5時過ぎなので中を見ることは出来ませんが、運河プラザ前の広場の見学をしました。

 

 鉄道模型レイアウトを造っていますが、どうしても都市型レイアウトだと、建物を隙間なく並べてしまいがちになりますが街角に広場を設けると、街に広がりが出てきます。
 この広場をレイアウト製作の資料にするため何枚か撮影しました(^_^)

 

 中央通りを駅方向に上げって行くと、最初の交差点に典型的な銀行建築の建物が現れます。
 Nゲージのストラクチャーでも、KATOから地方銀行、TOMYTECジオラマコレクションから街並銀行という名で発売されています。

 この建物、現在は北海道の食材を活かしたワンランク上の居酒屋花ごころ小樽店として営業しています。戦前の昭和5年(1930年)に安田銀行小樽支店として建てられ、戦後は富士銀行になり、都市銀行撤退後は新聞社の社屋になって、その後の平成19年(2007年)に現在の花ごころになりました。
 小樽市歴史的建造物に指定されているので、大きく内部構造を変更することは出来ないので、銀行建築の特色が現れた2階建の建物となっています。中央通り拡張の際には引き家されてでも、残された建物です。 

 

 いきなり中央通りを横断する線路は、昭和60年(1985年)に廃線となった旧手宮線です。
 南小樽―手宮間 2.8㎞で、現在もその軌道の敷地がほぼ残されています。

 

 踏切も残され、廃線跡は遊歩道として小樽市により整備されています。

 

 かつては複線だった旧手宮線跡は、軌道と並んで遊歩道を整備してあります。

 

 小樽は港と北海道最初の鉄道が引かれたことにより発展してきました。その手宮線跡を歴史遺産として整備しています。
 軌道も今にでも貨物列車が走っているかと錯覚するほど整備されています。

 

 レールは今でも列車が走っているようにきれいな状態になっています。レールは1日でも列車が走らないと、うっすらと錆が付くのですが、ここのは走らなくても錆がないのは、レールの表面に何かコーティングしているのだと思います。
 軌道の大部分が保存されているなら、LRTか北九州市の門司港レトロ観光線のように活用したくなります。

 

 やはり地元でも、そのような計画があるようで、少し古いですが平成23年に国鉄旧手宮線活用計画(PDF)というものが小樽市役所から出されています。
 現在でも計画に従って、遊歩道が整備されていて、イベントなどに使用されています。
 軌道系の交通手段も検討されていて、もし走らせるなら現在の軌道は老朽化していて走らせることが出来ないので、新たに軌道を敷き直さなければならないそうです。そうすると歴史的な遺産になっている現在のレールや枕木を撤去しなければならないので、これらの歴史的な価値が失われるという危惧が出ていて、軌道系の交通手段を復活させるのも痛し痒しというところです。
 このまま小樽市への観光客が減少せずに増え続ければ、いつの日にかここにLRTか観光トロッコみたいなものが走る日が来るかもしれません・・・・ 

 


 さらに中央通りを歩いて行くと、小樽市歴史的建造物を模している建物で電器店(免税店)とコンビニエンスストアが入っている今と昔が合わさったような景観を考慮した店舗も多くあります。

 

 公園のような森もあります。

 

 これは民間の医療法人が診療所前に設けた森で、北海道の植物を自然に近い状態で植えている人工の森です。
 街の景観に配慮している街では、民間も景観造りに参画するようになります。

 

 緩やかな坂道を登りきると、JR小樽駅が現れてきます。

 

 小樽駅近くにあるセントラルタウン都通商店街はバナーが多数垂れ下がっていて、活気のありそうなアーケード街に見えます。ただし、早朝で営業している時間帯ではないので、実際に賑わっているかは不明です。もう一つの中心市街地のアーケード街、サンモール一番街は核となる大型店の閉店が相次いでから、いろいろと大変なようです。

 


 いろいろと小樽の街を歩き、小樽駅に着きました。いろいろと寄り道をしなければ、札幌方面の始発5時39分発滝川行きに充分間に合いましたが、そんなに早く札幌に行ってもしょうがないので5時54分発の2番電車に乗ることにします。

 

 中央バスのバスターミナル。鋸型のバス乗り場になっています。狭い場所に多くのバス乗り場を設けられるので、鉄道模型レイアウト向きのバス乗り場のスタイルですが、駅前広場が広ければ運用するのに島式のバスターミナルの方が便利なので島式の方が主流になり、マイナーなこのタイプのバス乗り場は貴重な存在です。新潟駅前のお尻から入るバスターミナルも駅前広場の改良工事が進むと廃止される予定です。
 
 札幌行きの高速バスは鉄道よりも少し時間がかかりますが、JR運賃640円に対し610円とわずかに安いのと、札幌の中心地に行けて、本数が多いということで、JR北海道のライバルになっています。しかし、このバスのりばの裏には系列のJR北海道のバス乗り場もあり札幌-小樽間の高速バスは、北海道中央バスとJR北海道バスの共同運行になっています。
 札幌-小樽間のバスはかく言う私も以前、夏の暑さで函館本線のレールが膨張して曲がってしまい、小樽駅からの列車が突然運休になってしまったときに、小樽駅前から高速バスにお世話になったことがあります。
 
 

 小樽駅舎は昭和の雰囲気が溢れる昭和9年(1934年)の建築です。 

 

 小樽駅の1/150のパーパーキットがあったなと思いつつ、つい駅舎の写真を撮ってしまいます。
 旧型の丸形ポストが置かれていたり・・・

 

 正面玄関には、かつて列車の到着を知らせたレトロな鐘、むかい鐘が下げられていたり・・・・

 

 駅舎の左翼には、北海道に2店舗しかないBURGER KING小樽店があったりします。

 

 駅舎に入ると、小樽の北一硝子から寄贈された333燈の硝子製のランプが大きな窓に飾られています。

 

 正面の窓にもランプが飾られています。

 

 駅舎正面のドアから、駅前の中央通りが見渡せ、先の海まで良く見えます。自分は小樽港から上がってきましたが、小樽観光の大道は小樽駅から小樽運河を海を見ながら向かうべきものかもしれません。今回は逆の観光コースを歩みました(^_^;)

 


 改札を通り、階段で駅舎の2階の高さにあるホームに上がります。古い駅名標とランプでレトロ風の演出をしています。
 
 国鉄時代、函館から山線の函館本線をはるばるキハ82系の特急「北海」で小樽にたどり着いた頃が懐かしい(^_^;)

 

 5時54分発の新千歳空港行き普通列車が入線してきます。この列車は千歳基地航空祭に新日本海フェリーを使って、千歳航空祭に行くプランを立てたときに乗る予定でした。
 基地最寄りの千歳に7時14分に着くので、基地には8時には楽々着く予定を立てていました(^_^;)

 

 721系電車は北海道の寒さ対策らしい仕切り扉付で、時代の変化でこの仕切り扉もだんだん見られなくなるかもしれません。

 

 函館本線は小樽築港駅を出ると、朝里駅、銭函駅と石狩湾をなぞるようにひたすら海岸線を走ります。

 

 この区間の景色はいつ見てもいいです(^_^)
 人口の少ない地帯を進むようですが、線路から見えない海岸段丘の上には国道5号線や札樽自動車道も通り、朝里まで住宅地になっています。

 


 札幌駅には6時39分着
 隣のホームには函館行き6時52分発の特急スーパー北斗4号がいます。 

 

 261系は新塗装のラベンダー・ライラック色に移行中で旧塗装も連結しているのは過渡期なのか、昨今の車両整備不良問題で車両をやりくりしているのか・・・

 

 札幌駅は雪対策で全面屋根で覆われていて、気動車が多数入線するホームの換気対策も興味がありました。

 

 新千歳空港から18時の飛行機に乗って帰るので、1日しか札幌に居られませんが、まだ朝7時前です。札幌駅北口駅前広場のアーバンガーデンを観察してから、朝から行ける観光地に向かいます。

 

 地下鉄東豊線に乗って移動です。

 

 環状通東駅から、北海道中央バスに乗り換えて、モエレ沼公園に向かいます(^_^)