新日本海フェリ-で札幌の旅#2(出港)
  

   2016年8月10日更新
   

 新日本海フェリーに乗って、札幌に行ってきました。

  

乗船

 新潟フェリーターミナルは、1階がチケットカウンターとレストランシーブリーズ、2階が売店と改札、そして3階が乗下船口になります。

  

 新日本フェリーの場合、インターネットで予約し、決済が完了していると乗船手続きが簡単で、飛行機と同じようにE乗船券をプリントしていけば、受付も乗船名簿も提出不要で、2次元バーコードを係員の携帯端末にかざせば乗船OKです。
 2階から3階までのエスカレーターは長く、3階と言っても普通のビルの5階くらいの高さがあります。  

 
 
 タラップは高いところに架かっており、高所恐怖症でなくても、怖さを感じるくらいの高さですが、それを感じさせないタラップになっています。

 

 しかし、意識して観ると、高さの怖さを感じます(^_^;)

 
 
 

 乗船してすぐのエンタランスには、案内所とディスプレーが置かれています。
 三本の円錐形のものは北海道せたな町の三本杉岩のように見えます。そして周りは夏らしく、七夕と夏祭りのデコレーションが施されています。

 

 最近の長距離フェリーは収容人数を増やすことよりも、個室を充実させて居住性を良くして、客単価を揚げる方向になります。今までは、時間はかかっても低運賃で長距離移動というメリットがあったのですが、航空業界の方がLCCの参入で、速さと価格面で対抗してきたので、長距離フェリー業界も以前にまして積極的な新造船と個室数の増加に拍車がかかっています。
 幸い、数年間に悩まされていた燃料費の高騰も、原油相場の下落によりすっかりと落ち着いて、フェリー業界も航空機業界も収支に余裕が出てきて、この新日本海フェリーも来年の2017年春に、さらに個室を重視した新造船を投入する予定になっています。

 今回は船の旅を楽しむために個室を予約しました。
 最初に案内所で個室の鍵を受取り、部屋に向かいます。

 信濃川の河口に停泊している船は揺れはなく、ホテルの廊下を歩いているような感じがします。
 さすが、護衛艦ひゅうがと同じ長さの船だけあって、廊下を長い距離歩きます。

 

 予約したのは最上階の5階の一番船首寄りの部屋です。

 
 
 ドアを開けると、少し古めのホテルの客室そのままの部屋が現れます。

 

 今回利用するのは、デラックスA洋室の個室です。料金からするとスイートルームの次のクラスの個室で、その下にはデラックB洋室があります。 
 デラックスA洋室とB洋室の違いは、A洋室に専用テラスがあるかないかで、運賃の差がシーズンによって異なりますが、約2,000円くらいなので、この2,000円というのが専用テラスの価格になります。
 この専用テラスが長距離フェリーでは他社にないサービスになっているので、新日本海フェリーでは力を入れているようです。
 2ヶ月間前くらいに予約をしたときには、デラックスA洋室は満室になっていました。乗るからには専用テラスのある部屋にしたいと思い、同社のホームページでキャンセル待ちの申し込みをしました。
 すると1ヶ月前に予約可能のメールが来て、ホームページを見てみるとA洋室には4部屋もキャンセルが発生していました。おそらく旅行会社が抑えていた部屋がキャンセルになったのかと思います。

 

 テラスから振り返ってみるとやはり、船室ではなくシティホテルの客室にしか見えません。
 
 

 ユニットバスも、古めのホテルの客室のイメージです。入浴は大浴場があるので、部屋のバスは下船直前にシャワーを浴びるのに使っただけでした。

 

 二つの窓しかないB洋室と、A洋室の一人当たり約2,000円(この日は貸切料金がかかり約3,000円)の差は大きな開きドアと、専用テラスの差です。

 

 思ったより奥行きのあるテラスです。

 

 眺めはマンションの8階くらいの部屋から見た景色に相当します。
 高さのあるマンションに住んだことがないので、マンション暮らしの気分を味わいました。

 

 ライティングディスクもホテルと同じです。
 お茶のセットと、電気ポット、ドライヤーなどホテルの客室と同じような備品が置かれています。
 何もかもホテルの客室と同じだと思っていたら、冷蔵庫だけはありませんでした。(スイートルームは冷蔵庫付)
 航海中、冷たいものが飲みたいときには、売店や自動販売機に行かなければなりません。

 


 出港

 銅鑼の音がスピーカーから響き渡り出港です。

 一番船首寄りの部屋を選んだので、ブリッジ直下の専用テラスから出港見学が出来ます。
 ブリッジのウイングでは船長が直接操船して、岸壁から離れます。海上自衛隊ではウイングに立つ艦長の命令を伝令役が艦橋内の操舵手などが舵輪や速度指示器を操作するという、労働集約的で保守的な操艦を行っていますが、民間の船舶はそんなに人手は掛けられないので、出港の際に使用するサイドスラスター(船を横方向に移動させる動力装置)を、船長が直接ウイングにある操作盤で操作します。船によってはウイングの操作盤で舵やエンジンの出力まで操作出来ます。
 
 

 
 

 出港するやいなや、船の周りを多数のカモメが乱舞します。乗客から餌がもらえるようです。

 

 船は出航後、新潟空港沖を通ります。ちょうど全日空1660便 大阪行きのボンバルディアDHC8‐Q400が離陸したところです。

 

 この日はちょっとややこしい日でありました。
 北朝鮮が中距離弾道ミサイル ノドンを7時50分に発射し8時5分ごろ、秋田県男鹿半島西方250キロメートルの日本の排他的経済水域(EEZ)に落ちたというニュースがありました。 予告なしに発射されたので、フェリーの航行には影響はなかったのですが、予告されていたらスケジュールが変わったかもしれません。

 

 そんな中、船は22.7ノット(42.0km/h)で日本海を北上していきます。

    →新日本海フェリーで札幌の旅#3(フェリー船内)に続く