2012年7月 7日(土) 堤防と海面#1
現在ベニヤ板の部分が残っている最大のスペースに海面を設けます。
まずは海面と地面の境となる堤防です。
堤防の高さをどうするか?
海の近くに住んだことがないのでこの辺のところはたいへん疎いんです・・・・
このレイアウトで参考にする横須賀本港は堤防があったかどうか・・・・・
階段のない横須賀駅のホームから駅舎を出て、ヴェルニー公園や海自横須賀基地に向かう途中に堤防があったかどうか定かな記憶がない(^_^;)
さればレイアウトに港湾の情景を造る際に、参考になるだろうと2年前の2010年に大阪港を訪れました。 本来の大阪訪問の目的は、安藤忠雄さんが設計したサントリーミュージアム[天保山]が休館するというニュースを聞いたので見に行きました。 その時に都市港湾の堤防等の施設を見てきたので、堤防は大阪港周辺のを参考にすることにします。
ほぼ始発に近い新幹線で新大阪に着くと、天保山へは地下鉄中央線で行くべきでしょうが、港湾を見てみたかったので天保山渡船で天保山に渡ることにしました。
天保山の対岸の渡船乗り場は、北港桜島で最寄り駅はJRゆめ咲線こと桜島線の終点桜島駅です。
桜島線の特色はユニバーサルのラッピング車。 ラッピング車好きなのでマイクロエースに版権をとってもらいたい(^_^)
USJの下車駅は終点1つ手前のユニバーサルシティ駅でが、USJオープン前の時間帯、下車客は桜島駅の方が上回ります。
多くの若者が駅から2分のクルー専用ゲートからUSJに入って行きます。
USJの直近だとは感じられない従来からの工業区域を、10分も歩くこともなく天保山渡船乗り場に着きます。
防波堤というか防潮堤が運河沿いに連なっています。 防潮堤の高さは海面から4mくらいなので、レイアウトに設ける堤防は30mmにすると高さ4.5mの堤防になるので、30mmで決定します。
防潮堤を抜けるところにはゲートが設けられており、オレンジ色に塗られ番号も記されているのはレイアウト映えしそうなので、後日ぜひ設けたいと思います(^_^)
かなり重厚な防潮扉ですが、大震災が発生して動力が絶たれると閉鎖出来ない可能性は高いです。
海の縁のない場所の住人の私には、高潮や津波対策を知る機会になりました。
天保山渡船は1時間に2本(通勤時間帯は3本)で、歩行者自転車用の橋の代わりの渡船です。 あまり頻度は高くないですが午前9時過ぎともなると乗船客も少ないので、30分に1本くらいになるのでしょう。 大阪市建設局が運行しているので歩行者自転車共に無料になっています。
レイアウトには、歩行者自転車用の渡船じゃなくて、自動車も運搬可能な小型フェリーを置きたいので、尾道の渡船を参考にするため尾道に出掛ける予定です。
渡船に乗って対岸の天保山に着くと目の前が大阪市消防局の水上署があります。
繋留してある消防艇も調査船の1/200のキットから改造して造る予定なので、資料用の写真撮影をしておきます(^_^)
消防艇から潜水士が訓練中でした。
また水上署の建物のデザインもかなりモダンでいいですね(^_^)
サントリーミュージアムには天保山公園を通っていきます。
天保山といえば日本一低い標高の山として有名です。
公園に入ると小高くなっている部分があり、そこを登ると天保山の山頂です。
標高わずかに4.53mなので見晴台に上っても機が邪魔で見晴らしはあまり良くありません(^_^;)
頂の一角に水準点が置かれており、水準点が置かれている山では、ここが日本で一番低いやまです。商店街に行くと登頂証明書がもらえるそうですが、あまりもの達成感のなさに証明書をもらう気力が起きません(^_^;)
山頂を下ると公園のゲートのようなものが見えます。
これがまごう事なき防潮堤で、防潮堤に見えないようにアートが施されています。
わたしはこういう施設が好きです(^_^;)
たとえばt東京都墨田区 鐘淵にある白鬚東アパートは東京都が震災などで住宅密集地に大火災の発生に備えて巨大な防火壁になっています。
また韓国にある軍が管理している団地で、北朝鮮軍の侵攻があった際には、団地の建物ごと爆破して戦車部隊の進撃路を塞さいだり、一見、公園のコンクリート製の什器が対歩兵用のトーチカになっているものなどです(^_^;)
今回は作りませんが、凝った造りの防潮扉を港湾地区に作る予定です。
大阪市は大変津波に弱い町で、水の都と呼ばれるほど多くの水路が走る平らな地形で、東南海・南海地震が発生して大津波が来ると、地形的に夕陽ヶ丘まで避難しなければなりませんが、今ではビルが多数あるので安心です。 しかし、地下街と地下鉄はいけません・・・
2009年に大阪府が津波・高潮ステーションを開設したのも頷けます。
サントリーミュージアム天保山は設計は関西の著名な建築家 安藤忠雄さんで、コンクリートとガラスの取り合わせが美しい建物です。
1994年オープン、年間150万人の来場を見込みましたが、実際にはその半数以下の来場客だったようで欠損金がふくらみ、2010年12月26日に休館(事実上の閉館)になりました。
もうすでに休館してしまった施設ですが、アイマックスシアターと、建物内の空間の取り方はお見事。
ただし肝心の美術館のスペースが狭く、魅力的な常設展や企画展が開けなかったんじゃないかという感想を抱きました・・・・
サントリーミュージアムに面した海岸は埠頭になっていて、特に大阪府警水上警察署の警備艇と大阪海上保安監部の警備艇が何隻も停泊しています。
そこに世界三大がっかりと言われることもある、コペンハーゲンにある人魚姫の像レプリカが置かれています。 本場の像よりもシュールな背景になっています(^_^;)
やはり海とハーバービレッジの間には、3mを越える防潮堤が設けられています。
これをプロトタイプとして防潮堤と開閉ゲートをレイアウトに作ることにします。
せっかく天保山に来たので、隣接した海遊館と天保山マーケットプレイスも寄りました。
海遊館はジンベイザメが遊泳する巨大水槽や世界各地の海を模した展示が人気で、オープンした1990年には先進的なアメリカのボルチモア国立水族館から大きく影響を受けた先進的な水族館の、日本における先駆けとなった水族館です。
(ボルチモアと天保山ハーバービレッジのプランナーは同じJames Wilson Rouse氏です。天保山は日本のボルチモアになりうるかと90年代は思っていました・・・・・・残念)
マーケットプレイスはこういう時代なので商業施設としては大変だと思いますが、頑張ってほしいです(^_^)
海遊館の後は京都に移動です。
京都までの経路は複雑です。 天王寺からはるかに乗って京都に向かうために、JR天王寺駅まで移動です。 地下鉄なら大阪市営地下鉄中央線で弁天町に出れば楽ですが、大阪の地下鉄には防災のため、なるべく乗らないようにしようと勝手にルールを作ったので、大阪市営バスのなんば行きに乗り、乗り継ぎを行って天王寺駅まで行きました。
はるかは1994年にKATOから発売された直後に購入し、その後1両増結車両が発売されると、即増結したほど、JR西日本の中で自分が一番好きな列車なのですが、京都-関西空港という経路なゆえに乗車する機会がなく、今回は遠回りをしても長年の念願をかなえました(^_^)
念願の列車だけにグリーン車に乗りましたが、あっという間に京都で、憧れの列車にしては短い乗車時間でした。
京都では、道路幅や歩道幅が広い御池通を中心にレイアウトの参考のための観察を行いましたが、一番印象に残ったのは、烏丸通にある商業施設 新風館です。
ここは大正時代に立てられた京都烏丸電話局をリノベーションしたもので、店舗の入口は中庭に面していて、回廊風の通路と、3階まで上がる大階段が特徴的です。
テレビ朝日のドラマ 科捜研の女で何回もロケで使用されています。 3階の円形のオープンテラスはドラマではカフェになっていましたが、実際にはレンタルスペースになっていて展示会やパーティなどに使用されます。
古風な建物にブルー、イエロー、レッドなどの配色がされているのが好きです。 サントリーミュージアムの隣にあるホテル シーガルてんぽーざん大阪もドアや非常階段などにレッドやグリーン、ブルーの配色があり、こういう配色は関西らしくてビビッドでいいと思います。
関西風の色使いは、けっこう好きです(^_^)
その後、大階段繋がりで京都駅ビルもよく観察してきましたが、視察の話しばかりだとレイアウト制作記でなくて旅行記になってしまうので、この辺にしておきます(^_^;)
さて、レイアウト制作に移ります。
レイアウトの防潮堤ですが、簡単に光栄堂のスチレンボード(両紙付き)の7㎜厚を使います。
寸法を測ってカッターで切り出したものに、爪楊枝を刺してグレーサーフェーサーを2回吹いてから、タミヤのスミ入れ塗料のブラックとブラウンを筆で叩き付けるようにウェザリングを施します。
レイアウトに貼り付けて、海と地面の境にします。
高さは30mmにしたので、実物換算で4.5mの堤防になります。
堤防設置後、海面に移ります。
海面の作り方は制作記#231で試行した方法を踏襲します。
最初にベニヤ板に海の色を塗り、その上にターナー彩色のグレインペイントアクアシリーズを塗り重ねて行きます。
まずは海の色の塗装ですが、海の色は場所や太陽の当たり具合によって、多種多様の色になります。 だからこれが海の色だという正解はないのですが、夏の横須賀港の海面の色を参考してみました。
塗料はプラモデル用の塗料だとコストがかかるので、アクリルガッシュを使いました。 この後、レイアウトベースを拡張して海面が増えるので、後々同じ色を購入する必要があるので、安定供給されているターナー色彩㈱のアクリルガッシュ ジャパネスクカラーを使うことにします。
海の色として選んだのは濃縹(こきはなだ)と鉄紺(てつこん)です。
まずは明るい色の濃縹(こきはなだ)をベニヤ板に塗ります。
面積が広いので角だけはプラモデル用の平筆で塗り、面積の広い部分はペンキ塗り用の刷毛を使いました。
アクリルガッシュを水で薄めて塗ります。 昔、技術家庭科の授業で木材に塗装するときには砥の粉を使用して目止めや下地を作ると、習ったような記憶がありますが、アクリルガッシュは水で薄めても木材に塗装できます。
ただし、1回塗りだとムラが出来たり、木材の木目がきれいに浮き出ています。
木目が出ていることは、この上にグレイペイントアクアを塗るので気にすることはありません。
ムラになることは2回塗ることで対処します。
水で薄めたアクリルガッシュの欠点は梅雨時ということもあって、乾燥に時間がかかります。 1回目を塗ってから乾燥に1日を費やしました。
乾燥を待つ間に、もう1カ所ベニヤ板が露出している部分があるので、そこをカバーします。
ここは極簡単に、BUSH製の石畳を印刷した厚紙を地面の形に合わせてカットしたものを貼り付けました。
1日空けた後に、2度目の塗装を行いました。
今度は見事ムラなく濃縹色に染まりました。 また、この乾燥に1日置きます。
次回も、引き続き海面の制作を行いたいと思います(^_^)