1/400空港ジオラマ制作記#22 
        展望デッキの設置#4
       (大阪国際空港展望デッキ視察#2)
 2013年8月29日更新


 前回は、大阪市内を都市型レイアウトのランドスケープの参考に巡っていましたが、今回は空港ジオラマのための視察で、大阪国際空港の展望デッキ ラ・ソーラを見学します(^_^)


難波からのリムジンバスは、14時40分発で空港に15時に到着しました。 20分で着いたので渋滞がなかったらリムジンバスが便利です。
 帰りの便は日本航空128便で、大阪伊丹発17時20分 東京羽田着18時30分着なので、2時間は空港見学出来ました(^_^)

 空港ターミナルビルは全日空系の南ターミナルから入り、商店やホテルがある中央ブロックを通り、日本航空系の北ターミナルへと抜けてみました。 ターミナルビル内はきれいにリニューアルされていますが、中央ブロックのアーケード街は昭和を感じる造りです。

 2階から4階の展望デッキに上がってみると、一面のウッドデッキが広がります。


 北ターミナル



 エプロン地区に面した手摺りの上は、柵もネットもなくオープンになっています。
 航空機の写真を撮る人に撮っては、何とも開放的な展望デッキです。
 手摺りの下がガラス張りになっているのも、小さい子どもにとっても見やすいポイントになっています。
 


 成田空港や羽田空港を見てきた目からすると、こんなに開放的でいいのであろうかと危惧するくらい開放的です。
 他の空港が展望デッキからの物の投げ込みなどを気にしているのに。

 展望デッキを巡回する警察官や警備員の姿も見えず、伊丹の大阪国際空港ががテロとかをあまり心配しなくてもいい実質的な地方空港になってしまったんだなとの感慨にふけりました・・・・

 


 開放的な展望デッキでは、手摺りに寄りかかって、飛行機を眺めて良し、ひな壇状になっている階段に腰掛けて眺めて良し、ひな壇上のベンチに座って眺めて良しの展望デッキです。

 

 広大なウッドデッキには、どれだけの木材が使われたのであろうか。



 北ターミナルの展望デッキだけでも感心させられますが、まだ中央ブロックと南ターミナルの展望デッキもあります。


 屋上緑化

 そして、前回取り上げた一番関心のあった建物の屋上に描かれた滑走路の正体を見に行きました。



 その正体は屋上緑化でした。



 屋上緑化は大阪空港の滑走路を模しているらしく、滑走路の番号4と32も入っています。
 滑走路を模した屋上緑化の説明板はありませんでしたが、右側の細長い屋上緑化の説明板はありました。
 それによると、「大阪府屋上緑化推奨モデル整備事業」だそうで、平成15年3月に補助金を受けて完成しました。
 薄層緑化(セダム)を中心としながら中低木の植栽を配置し、さらにツタによる壁面緑化を組み合わせた立体的な広がりをもたせているそうです。



 屋上緑化の中を歩いてみたいのですが、当然のことながら立入禁止になっています。


 中央ブロック

 中央ブロックはよりガーデニングされています。
 ここには、園芸店のアルボ、展望レストラン 収穫祭、インテリアショップ アクタスの一部があります。

 他の空港で展望デッキに隣接したショップといえば、トラベル関係かギフトショップが一般的なのに、大阪国際空港だけは違います。 園芸店アルボに入ると街中の普通の園芸店の品揃え。 珍しい植物の苗も売っていて、買いたくなりますが、飛行機に乗って帰らなければなならないことを思うと、苗は買えません(^_^;)



 中央ブロックにある展望レストラン 収穫祭の前もウッドデッキは続いています。
 ショップの中で一番広い面積をとっているのが、インテリアショップ アクタス大阪空港店です。
 空港にあるインテリアショップなので、家具の売り場はわずかで大部分はインテリア小物の売場かと思っていました。



 そうしたら予想は見事に裏切られ、売場の大半はインテリア家具です。
 旅行客が短時間で購入を決定できるものではない商品が大半で、どうやらターゲットは空港利用客ではなく、空港周辺の住民に置いているらしい品揃えです。
 理由としては、大阪空港の駐車料金が1時間200円と安く、アクタスで買い物をすると2時間の無料券がもらえるので、自動車による来店客が多く、商売が成り立っているとのことです。
 
 同じことは園芸アルボにもいえます。

 アルボがケアしているラ・ソーラ庭園の中にいると、ここが空港だとはとても思えなくなります。



 でも、庭園の外に目を転じると飛行場の景色が広がります。
 庭園のラベンダーの香りと、ジェット燃料が燃焼する臭いが混じった不思議が香がします。
 どちらも好きな臭いです(^_^;)




 南ターミナル

 今度は全日空系の南ターミナルです。



 ここは広大なウッドデッキに樹が植えられたポットを多数置いてあります。



 広大なウッドデッキは小型の航空母艦の甲板のようです。

 展望デッキ ラ・ソーラは全長400mもあります。 これは戦艦大和の全長263m、東京駅赤レンガ駅舎の335mよりも遥かに長い大きさです。大阪市内を歩き回ってから、ここの展望デッキを何度も行ったり来たりしても、足は少しも疲れません。
 これはウッドデッキの効果で、艦船にウッドデッキが多くみられる理由の1つになっています。 海上自衛隊の艦船でも木甲板はありませんが操舵室の操舵手の立つ場所だけ、木のスノコが敷かれているのも、疲労防止のためです。



 北と南の両方の展望デッキにロックガーデンが設けられています。
 予想してたよりも小さなロックガーデンでしたが、植えられている高山植物は小さな植物なのでしかたがなく、高山植物が好きな人には魅力的な庭園になっています。






 大阪国際空港が実質的に国内の地方空港になったのは1994年。それからターミナルビルの大改装を行い1999年にラ・ソーラも含めて現在の姿になりました。

 現在でも1969年(大阪万博の前年)にオープンしたターミナルビルの昔を感じる施設があります。
 フィンガー(桟橋)上に伸びる展望デッキで、昔は飛行機で海外に渡航する人がタラップを昇っていくのを見送る習慣がありました。(ジェットウェーが普及した今ではあり得ない光景)
 今の展望デッキよりも飛行機に近づけた時代がありました。



 そんな大阪国際空港のフィンガーですが、来年の2013年の夏にはターミナルビルの大改装計画があり、4本あるフィンガーのうち2本は取り壊して、トーイングカーを使用しなくても飛行機が自力でスポットから出入り出来るターミナルを建設し、航空会社のコスト削減に寄与する計画があります。 
 完成は2年後の2015年の夏以降だそうで、また新しい大阪国際空港の姿を見られるようになります(^_^)


 けっこう1969年当時の現在使われていない施設は、ガーデニングを活用してうまく隠されています。
 ここは、北ターミナルの端で大階段がありますが、木製ラティスフェンスや植え込みで階段の存在を消しています。



 ターミナルビルの壁面も使用していない入口を、よく見れば不自然ですが、それと気づかせないようにラティスフェンスや緑化でカバーしています。



 屋外テラス

 展望デッキの全てを見ようと、1時間以上広いデッキを歩き回ったので、小腹も空いてきたので、休憩がてら何か食べようと思いました。

 展望デッキから中央ブロックの3階にある屋外テラスが見えます。
 私の都市型レイアウトでは幾つもの屋外テラスを造ってきたテラス好きとしては、テラスで軽食でも食べようと思い行って見ました。



 中央ブロックの3階にいくとモチクリーム カフェで、テラス席もあるスイーツ主体の店みたいです。


 3階は大阪空港ホテルが主体で、2010年に改装のうえオープンしたばかりなのでまだまだ新しい施設です



 テラスからの眺めは展望デッキよりも低い分、眺めは悪かったので展望デッキのレストランで食事することにしました。





 展望デッキ中央ブロックのレストラン収穫祭からの眺めは良く、片耳に突っ込んだイヤフォンからTOWERの周波数を聞きながら飛行機ウォッチングも楽しめました。



 
 平日の16時過ぎなので店内には客の姿はなく、広い店内は貸し切り状態でした。



 ただ16時だとまだティータイムの時間帯だったので、メニューはドリンク、ピザ、パスタ、シフォンケーキしかなく、コーヒーと4種類のチーズのピザにしました。



 ここもテラス席があり、夏季はビアガーデンをやっています。


 大阪国際空港の展望デッキは満足のいくものでした(^_^)
 ウッドデッキになっているのは部分部分かと思っていましたが、ほぼ全面ウッドデッキになっているとは思っていませんでした。

 ウッドデッキになっていないのは、手摺りの手前だけですが、一部は手摺りの際までウッドデッキになっていて、車椅子やベビーカーでも透明な手摺りから展望を楽しめるホスピタリティに溢れた仕様になっています。



 2時間を費やして展望デッキとショップを見ながら、1/400の展望デッキの構想を練られたのは、わざわざ来た甲斐がありました(^_^)

 平日ではなく土日に来たら、もっと賑わっている展望デッキの様子を見られたかなと少し残念に思いました(^^;)



 
 17時25分の日本航空128便で東京に戻ります。帰りも同じくB777-200です。
 B-777は1995年に運行が開始され、10年以上前はまだ新鋭機だったB-777に乗りたくても、乗るのはB-747ばかりでB-777に対する憧れは強いものがありました。 
 しかし、実際に乗ってみるとB-767の拡大版のような外観のB−777は、B-747の2階建てのワイドボディ機で感じた、わくわく感が感じられず、少しがっかりした記憶があります(^_^;)



 今では乗る飛行機の7割方がB−777で、こればかり乗っているような気がします。
 そんな、B-777も2013年のアシアナ航空の事故以外は死亡事故を起こしておらず、手堅い設計でB−747よりも燃費がいいB-777が最近、ようやく好きになってきました(^_^)


 大阪国際空港を訪れて、1/400空港ジオラマの旅客ターミナルに、大阪国際空港のような展望デッキを作ろうという決意が高まりました。




 ジオラマの空港は日本の空港ではない無国籍な空港にしようと思ってましたが、あまり外国では例を見ない大阪国際空港に大きく影響を受けた旅客ターミナルになりそうです(^_^)

 


 1/400空港ジオラマ制作記INDEX