1/400空港ジオラマ制作記#16 エプロン照明灯   2013年3月4日更新
 
 
 エプロン地区に立っている照明灯を立てます。


                                  (羽田空港 第2ターミナル)

 この照明灯、照明灯や照明塔のように表記されているようですが、正式には照明らしいです。 ここでは照明灯に統一して表記します。

 照明灯は飛行場で飛行機を撮影する人にとっては、じゃまな存在で、鉄道写真における架線柱のような存在ですが、ジオラマにとっては必要不可欠でもあり、良きアクセントになります(^_^)


 今回用意したのは、ドラゴンの空港ジオラマシリーズに付いていた1/400のものが3本、Herpaの1/500の照明灯セットのが10本です。





 
 その他に、1/500のLEDが付いた点灯可能な照明灯も販売されていますが、今回は非点灯のタイプを使います。
 LEDの点灯式の照明灯は、LEDの照明部が大きく、空港の照明灯というより電気スタンドにしか見えません(^_^;)
 



 この空港ジオラマの制作を始める前に、ジオラマに照明を付けるかどうか検討してみました。
 
 実際の空港の夜のシーンは、エプロンの照明の他に、誘導路灯や滑走路灯の星を散りばめたような、色とりどりの照明がロマンチックな光景になります。
 空港ジオラマ用としてHerpaから1/500用のLED照明のキットが各種発売されています。
 やろうと思えば、空港の照明に近いものが出来ます。
 
 しかし、空港の照明はかなりの数があり、滑走路灯と誘導路灯を付けるだけでも、かなり時間がかかりそうです(^_^;)

 航空機も赤や緑や白の航空灯や衝突防止の赤や白の点滅するビーコンライト、着陸灯やタクシー灯、ほのかに洩れる窓からの灯りと照明は欠かせないものとなっています。 しかし、1/400の航空機モデルは機体がダイキャスト製で照明を取り付けるのは構造上不可能です。(1/200は一部の製品に灯火付きのものがあるようですが)




 尊敬すべき空港ジオラマはドイツ ハンブルグにあるMiniatur Wunderlandです。 空港施設や航空機の灯火だけでなく、道路や駐車場の大量の自動車のヘッドライトやテールランプに至るまで点灯しています・・・・
 ドイツからDVDを取り寄せて見てみましたが、ここの飛行場ジオラマは恐ろしいほどの作り込みです。
 
 まあ、Miniatur Wunderlandはプロが 7年の歳月をかけて、約3億8千万円をかけて作り上げた作品で、スケールも1/87です。
 素人の1/400のジオラマは、それなりのやり方で進めましょう(^_^;)

 Nゲージの都市型レイアウトも、照明を取り付けるのなら、車両や建物だけではなく、街灯や自動車のライトも点灯させなければ、片手落ち・・・・   ならば、点灯させることよりも、点灯しないリアルな街灯や信号機を取り付けようという方針をとったのと同じことを、この飛行場ジオラマにも適用することにしました。 非点灯で行きます(^_^;)


 さて、照明灯を飛行場に取り付けてみましょう。

 1/400と1/500の両方の高さを測ってみると両方とも同じ高さの50oです。1/400なので400を掛けてみると20mになります。
 実物の空港の照明灯の高さをインターネットで検索してみると、20mとなっていたので1/500のものでも問題なく使用できます。
 照明のリングは1/400の方が1/500よりも、かなり小ぶりです。
 


 Herpaの照明灯は羽田空港辺りの照明灯とは形やデザインの違いが大きいので、少しだけ修正します。

 羽田空港の照明灯をみると一番上に円筒形の物体が付いています。
これは何かとWebで調べてみると、照明灯のメンテナンスのために、高所にある照明が付いた円形の輪っかごと揚げ降ろしするためのウインチが入っているらしいのです(一括昇降式照明灯という)。 空港の照明灯は20mあまりの高さがあるので、照明の方を地上に降ろせば、コストのかかる高所作業をしなくてもいいので、なるほどという感じです(^_^)

 このウインチケースは、模型店で売っているロボットのプラモデルやフィギュアに使うジョイントに円筒形のパーツがあるのでこれを使います。



 また、Herpaの照明灯には10個の照明が360°の方向を照らすように付いていますが、成田空港や羽田空港のエプロンの照明は概ね180°弱の扇状の範囲のみを照らすようになっています。
 そして、電気エネルギー節約の為にLED照明に移行しているので、LED投光器のようなものを取り付けることにしました。

 投光器に合うような長方形のジャンクパーツを探してみるとKATOの側溝が巾3oで4oごとに溝が刻まれているので、これをニッパーで切断してLED投光器に照明灯1本につき4個取り付けました。


 ↑右側がHerpaのオリジナルの投光器 真ん中がウインチケースと投光器を取り付けたもの 左側がドラゴンの照明灯にウインチケースを取り付けたもの

 実物の照明灯にはウインチケースの上に避雷針が付いているので、0.3oの真鍮線をピンバイスで穴を開けて取り付けました。



 照明灯の色は羽田空港を始めとして、シルバーやグレーが主流です。
 しかし、成田空港の第一ターミナルのエプロンの照明灯のようにブラックかダークブラウンの照明灯も、なかなか感じがいいので、黒っぽい照明灯にしてみました。

 塗装はブラック・サーフェーサーにしようかと思いましたが、吹いてみると真っ黒になってしまったので、スプレーでガンメタルを吹いてみました。 投光器のガラス面はホワイトにごく少量のグレーを混ぜたものを塗りました。



 それに実物の照明灯には台座がついているので(地上支援車両の追突防止や、メンテナンスのためだと思う)、台座はプラモデル店で売っているガンプラ用のパーツの中から円形の皿状のパーツを選びました。 これもガンメタリックのスプレーで塗装し、照明灯を接着しました。

 照明灯の取り付け方は、成田空港のようにボーディング・ブリッジの上に取り付けてみようかと思いました。
 しかしボーディング・ブリッジの長さが成田空港よりも短いために、ターミナルビルの庇に接近しすぎるので、これは取り止めました(^_^;)



 ターミナルビル両端のボーディング・ブリッジは建物から離れているので、ボーディング・ブリッジの上に置いてみました。



 ボーディング・ブリッジの上に載せるのに、20oポールをカットし、円形の皿状のパーツに0.3oのドリルで穴を開けて、立ててみました。 円形の皿状のパーツは成田空港の画像を見るともう少し大きなものが良かったのですが、これが一番大きなパーツでした。




 Dragonの照明灯はリングが小さめで、成田空港の照明灯に似ていてこちらの方が気に入っているのですが、3本しかないので照沖止め用のスポットに立てました。

 沖止めのスポットといえば、イスラエルのエルアル(ELAL)航空が思い浮かびます。
 


 15年以上も前にELAL航空の飛行機を見たのがニューヨークのジョン・エフ・ケネディ国際空港(JFK)でした。
 ELALの機体は、ターミナルから離れたところに沖止めで駐機していましたが、白い機体に垂直尾翼にダビデの星が目立ち、遠くからでもELALの機体だと判ります。(テロリストに狙われやすいので、目立たないように考慮した機体色らしいですが)
 
 当時、ボーディング・ブリッジを使わないで、沖止めにする理由として、テロリストからの襲撃を避けるためと聞きました。
 しかし現在では、ELALが就航しているフランクフルト、バンコク、香港、北京などでは、ボーデング・ブリッジを使用しています。 JFKでも第4ターミナルでボーディング・ブリッジを使用しています。 ただし、念のためGoogleマップでJFKを見てみると、まだELALのB747が沖止めのスポットを使用しているのが写っていました。



 ELAL航空は、乗客に対しても搭乗前に厳重にチェックするために搭乗の3、4時間前にはチェックインしなければならないとか、全ての航空機にミサイル警戒・妨害装置が付いていたり、機内預入荷物は一度、減圧室を通ってから機内の貨物室に積み込まれ、機内の貨物室の隔壁は爆発に耐ええるよう強化されていたり、乗客に紛れて銃を携行した航空保安官(Sky marshal)が搭乗しているなどの、保安対策を行っているので、1968年以来、旅客機の墜落事故やハイジャック事件が発生していない、世界一安全な航空会社になっています。
 そのかわり、世界各国の空港では特別待遇で、警備用の車両や装甲車が機体に寄り添っています。 日本の関西空港にチャーター機で来たときにも、パトカーが機体の側に待機していました。



 今回はdragonの1/400の照明灯を3本、Herpaの1/500の照明灯を7本、計10本の照明灯を立ててみました。



 このジオラマもNゲージのレイアウトと同じく、プラスチックの部分は必ず塗装するように心掛けています。 
 
 こうしてジオラマを見渡してみると、このジオラマの中心となるターミナルビルは塗装済完成品ですが、自分の手で塗装してみたいと思うようになってきました(^_^)

 

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