平成30年(2018年)自衛隊記念日観閲式#5
                                           

 2018年11月29日更新         

 戦車部隊が観閲行進に向けて移動を開始します。

 10式戦車、90式戦車、合わせて22両の戦車が目の前を通過していきます。
 

 1列に縦列待機していた戦車部隊は、観閲行進の隊形の2列縦隊に速やかに変換していきます。

 

 10式戦車11両が通過すると、90式戦車が11両通過します。

 

 カーブのところに立つと、戦車が真っ直ぐ向かってくるように見えます。


 

 車両行進が詰まると、前に合わせて停止します。
 90式戦車がブレーキを掛けると、そんなにスピードを出していなくても、サスペンションで大きく前に沈み込みます。砲塔に立つ人もたいへんです。

 

 戦車が通過すると、排気ガスや履帯が巻き上げる砂埃が辺りに漂います。
 道端で見ていると砂埃が襲ってくるので、コンタクトレンズを使用していると眼に大量の細かな塵が入ってくるので、サングラスかゴーグルをしていないと痛い目にあいます(>_<)

 

 地響きと共に目の前を40t~50tの戦車が22両も駆け抜けていく光景は、なかなか体験出来ません。

 

 一度、水陸機動部隊で行進をした水陸両用車AAV7が再び、待機列の最後尾に並びます。

 

 横から見ても走行するAAV7の大きさを感じます。

 

 5両のAAV7が進んで行きます。

 

 戦車部隊は2列縦隊で進んでいきますが、AAV7は1列縦隊で進んで行きます。観閲行進の終了後に合同祝賀行進が行われ、アメリカ海兵隊のAAV7が右側に並ぶことになるので、この段階で自衛隊のAAV7は左側に1列で進みます。

  

 最後に、90式戦車回収車が隊列の後を追います。
 90式戦車の車体を利用した戦車回収車で、戦車戦があった場合には被弾・故障戦車を回収する非常に大切な役割をする回収車ですが、観閲式では万が一、故障車両が出た場合に備えて待機しております。
 観閲式に参加する車両は入念に整備されるので、行進中に停車という事態は起きませんが、昔、60式無反動砲や61式戦車が参加していた頃はいつエンジン故障が起きるか心配で堪らなかったそうです。
 
 けっして観閲行進に参加して、観閲を受ける栄誉はありませんが、万が一の故障に備える戦車回収車は縁の下の力持ちの役割を果たしています。

 

 平成30年度(2018年度)自衛隊記念日観閲式は、新編された陸上総隊の基に、新しく編成された水陸機動団や即応機動連隊などの紹介。そしてF-35A戦闘機の初展示飛行など、いろいろと新しいものの紹介がありました。
 もう一つ大きく変わったのは、陸上自衛隊の制服です。アメリカ陸軍の制服を参考にした緑系の91式制服から、色を紫紺系に大きく変更した16式制服に代わりました。全ての隊員の制服が新制服になるのは、予算や生産量の事情から10年かかると言われていますが、観閲式会場の制服着用の陸上自衛官は(ほぼ第12旅団の隊員でした)全て、新制服を着用していました。緑系の91式制服を着用している隊員を見ることが出来ず、陸上自衛隊らしい徹底さがありました。

 車両部隊は90式戦車回収車を最後尾に隊列が去って行きます。
 
 

 観閲式会場に目を転じてみると、まだ野戦特科部隊が観閲行進を行っていました。
 
 

 戦車部隊の観閲行進が始まり、指揮官は駒門駐屯地の第1戦車大隊長の乗った10式戦車を先頭に観閲行進を行います。
 行進速度はけっこう早く、走行する戦車をじっくり見るのには、観閲会場よりも待機しているバックヤードで見物しているのに限ります(^_^;)

 行進する戦車部隊の上空を対戦車ヘリコプターが通過する演出を行った年もありましたが、今年はそのようなものはありませんでした。

 

 米軍祝賀飛行を行うMV-22Bオスプレイ 沖縄 普天間飛行場の第265海兵中型ティルトローター飛行隊(VMM-265)"Dragons"の機体です。
 低速で飛行するので静かな飛行音ですが、低空を高速で飛行すると地を震わす爆音がします。

 

 合同祝賀行進を行うアメリカ海兵隊第3強襲水陸両用大隊のAAV7 5両と陸上自衛隊水陸機動団 第2戦闘上陸中隊のAAV7 5両が海兵隊が右側、自衛隊が左側に2列縦隊で行進します。


 

 合同部隊でも見事に横に並び行進していきました。まるで野生のサイが並んで行進していくように見えました。

 

 これで、すべての観閲行進が終了しました。装備品展示は式典中に充分堪能したので(^_^;)、観閲式会場から一足先に退出しました。


 式典が終了すると、特別儀じょう隊による観閲官に対する栄誉礼が行われ、栄誉礼終了後に観閲官を始めとした壇上に登ったVIPが観閲式会場から退出します。
 12時14分に車列を組んで、朝霞訓練場から道路を挟んだ朝霞駐屯地内の東部方面総監部庁舎で、防衛大臣らと昼食のために向かいます。
 通行する門の前で待機していると、警察官による阻止線の後ろから首相一行の乗る車列が通過していきました。 後部座席はスモークガラスなので、首相の顔は見えません。
 首相は昼食後、13時35分に陸上自衛隊のヘリコプターで離陸。首相官邸に11分間で戻りました。 

 

 3年ごとだった自衛隊記念日観閲式が、オリンピックの影響で特例的に2年後に行われたこともあり、例年より規模を縮小された観閲式に感じましたが、陸上自衛隊が見せたかった組織改編された部分を、プログラムに反映した観閲式でした(^_^)