新日本海フェリーで小樽・函館への旅#10
   (金森赤レンガ倉庫と谷地頭温泉

                                        2018年 4月24日更新                                                                                                                                                    
  
  この後は、何回か登った函館山に久しぶりに行くか、それともウォーターフロントにある金森赤レンガ倉庫に行くか迷いましたが、古い倉庫群をリノベーションした商業施設は見逃せないので、金森赤レンガ倉庫に行くことにしました(^_^)
 
 金森赤レンガ倉庫は明治時代から建てられたものですが、倉庫からショッピングモール化したのが1988年、今から30年前のことです。
 観光客向けの商業施設として成功し順調に発展しています。

 

 外壁は以前の赤レンガを使っていますが、屋根や内装は新しくしていて、中に入ると倉庫だったということを感じさせないくらい、綺麗にリフォームされています。
 飲食店や店舗、サービス施設が約70店舗入店しています。

 

 港からの堀割もそのまま残されていて、今では函館港内を15分で1周するベイクルーズの船着場になっています。

 

 港川からの堀割の景観です。左側には結婚式用のチャペルもあります。

 

 堀割を跨ぐ急傾斜の橋も、今では観光資源です。

 

 倉庫の海側は水産物卸売市場で、イカ釣漁船が並んでいます。

 

 函館市は小樽市に観光客入込数では大きく差を付けられていますが、函館市も小樽市に負けない多くの観光資源を持っています。
 地理的な要因で小樽市に負けていますが、北海道新幹線開業で確実に観光客数は増加しています。特に外国人観光客数では前年比2割増しなので、これからも観光客数は伸びてくると思います。

 


 金森赤レンガ倉庫を楽しんだ後は、谷地頭温泉に向かいます。

 谷地頭温泉には30年前の思い出があります。30年前の1988年3月13日の青函連絡船廃止の1ヶ月前、青函連絡船の乗り納めで函館を訪れました。
 青森からは日中の便で来ましたが、函館からは深夜便に乗ることにしました。
 日付の変わる時刻まで待たなければならないので、谷地頭温泉で営業終了時間まで入浴し、その後は居酒屋で時間を潰すことにしました。

 その時に入浴した谷地頭温泉のお湯は、茶色く濁っていて、最初は入るのにためらいましたが、入ってみると2月の寒さに凍えた体が良く温まり、こんな温泉もあるんだと深く記憶に残りました。 同じ函館市内の湯の川温泉に前日泊まりましたが、湯の川温泉は透明なナトリウム泉で、湯の川温泉と大きく異なる温泉水の違いに、谷地頭温泉のファンになりました(^_^)

 それから30年、谷地頭温泉を訪れることもなかったので、今回は30年ぶりの再入浴を強く望んでいました。
 
 再び市電で終点の「谷地頭」に向かいます。

 

 温泉は谷地頭行きの市電の終点で降りて3分ほどの場所にあります。
 電停周辺商店街は懐かしさを感じる店が並んでいます。
 
 

 電停から30年前の記憶を頼りに温泉への道を進むと、記憶の通り谷地頭温泉の建物が姿を現しました。

 大きな変化は看板から「市営」の文字が消えたことで、2013年に函館市から民間企業に売却され民営化されていました。
 入湯料は公衆浴場価格で大人420円(税込)で入れます。

 

 湯船のお湯は昔懐かしく、茶褐色に濁っていて、高温、中温、低温に分かれた3つの円形の大きな湯船も思い出のままでした。
 施設は1953年に建てられて築65年近くを経過していますが、改装されて綺麗な状態です。
 また改装によって新たに露天風呂が出来いました。
 
 記憶の中の温泉の湯は茶褐色に濁り、鉱泉質で石油の臭いがしてたような気がしましたが、それは記憶違いで濁っていますが無臭のナトリウム泉のお湯です。


 再び市電で「五稜郭」に行き、五稜郭公園入口交差点の角に建つ、2017年4月にオープンしたばかりの無印良品の大型店舗が入っているシェスタハコダテに行きました。
 無印良品シェスタハコダテ店はインテリアに力を入れた店舗で、各階に雑貨や文房具、衣料品などが置いてあって、興味深いのはビレッジバンガードのように、置かれている商品のジャンルに合う書籍がいろいろな場所に置かれていているMUJI BOOKSをやっていることです。
 またCafe&Meal MUJIもあり、無印良品の世界を楽しめる店舗になっています。
 
 

 シェスタハコダテは地下1から地上3階までが無印良品を核として飲食店なども入店している店舗部分。
 4階は函館コミュニティプラザ Gスクエアという公共スペースになっています。

 店舗部分の裏は分譲マンションになっていて、商業施設の上の階、5階から19階までが住居部分になっている高層複合ビルになっています。
 住居部分の玄関横のモニュメントも五稜郭らしいものとなっています。

 

 五稜郭入口交差点付近は函館のバス路線の交通結節点になっているので、ここからも函館空港に行くバス路線があります。

 バスに乗り空港に19時前に着きました。搭乗する日本航空588便が函館空港の最終便になっているので、函館空港も閉店準備が進んでいて、1階で函館ラーメンを食べましたが、自分の注文がラストオーダー。2階出発階の土産物店も19時にはレジが閉まってしまい、支払は翌日回しの現金精算になり、新千歳とは違う地方空港の現状を味わいました。

 

 日本航空588便は定刻の19時35分にプッシュバック。この時期の函館空港は何の心配はありませんが、冬は海に近いので風と雪の影響が大きく、欠航したり着陸のタイミング待ちで上空で何度も旋回してホールディングしたり、なかなか冬は運航条件が厳しい空港です。それもあって函館空港は地方空港では珍しく3,000mの滑走路を持っています。

 30番滑走路を離陸すると、市街地を避けるように左に旋回して上昇していくと、右側の席から函館の夜景を上空から眺めることが出来ます。
 函館の夜景が素晴らしいのは、暗い海に囲まれた市街地の灯りのコントラストが素晴らしからだと思います。海上には漁船や船舶の灯りが見えます。

 

 余談ですが、飛行機の窓から函館の夜景を撮ったとき、オレンジ色のシャツを着ていたので、オレンジ色が窓に映り込んでしまいました(^_^;)
 航空自衛隊のパイロットスーツが、以前は救難の際に目立つようレシュキューカラーのオレンジでしたが、今はグリーンのパイロットスーツになっています、
 変更された理由は、より実戦的に目立たない色にしたというより、夜間飛行の際にパイロットスーツのオレンジがキャノピーに映り込んでしまうので、グリーンに変更されたという話を思い出しました。

 船中1泊の2日間の旅でしたが、小樽と函館を回り、充実した旅を楽しむことが出来ました(^_^)