新日本海フェリーで小樽・函館への旅#5(旧手宮線遊歩道)
                                                  2018年 3月31日更新                                                                                                                                 
 
 旧国鉄手宮線遊歩道を歩くのは、今回で3回目です。いずれも新日本海フェリーで小樽港に入港後、小樽駅発5時53分の列車で札幌方面に向かっており、早朝ばかり歩いたので、日中の遊歩道の利用状況を把握していないのが片手オチです(^_^;)  いつかは休日の日中に訪れてみたい・・・

 同じ廃線跡を利用したニューヨークのハイラインの来訪者数が450万人(2014年)を超えています。小樽市の観光客入込数が790万人(2016年)もいるので、その1/20の来訪者が旧手宮線遊歩道にあれば、この施設もさらに整備されるのですが(^_^)


 この遊歩道は、1880 年(明治13 年) 炭鉱から小樽港に石炭を輸送するために、官営幌内鉄道として手宮~札幌間は1881 年(明治14 年)に開通し、翌年、幌内まで開通して本格的な石炭輸送が始まりました。その後、国鉄になりました。
 旅客輸送も行っていましたが、1962年(昭和37年)には旅客営業廃止。そして1985年昭和60年)には、手宮~南小樽間の貨物輸送も廃止され手宮線は廃線となりました。
 まだ線路や踏切が撤去されずに残っていた旧手宮線の敷地は、最初に2001年(平成13年)に中央通り~市道於古発川通線(寿司屋通り)の用地510mを小樽市がJR北海道 から購入しました。

 続いて2007年(平成19年)に中央通り~小樽市総合博物館の用地1,160mを購入し、小樽市が購入した旧手宮線跡地は1,670mにもなり、中心市街地活性化のためのオープンスペースとしての活用を目指しました。
 また同時に残された鉄道施設を利用して軌道系の交通機関を復活させる計画も立てられ、オープンスペースと軌道系交通機関の復活(市内電車等)という2つの計画が検討されました。
(その後、残されている鉄道施設が老朽化しており、市内電車等を走らせるならば軌道を敷き直すなど新たな施設工事の必要があるために軌道系交通機関の復活は現在は無期限で延期されているようです)


 小樽寿司屋通りに、旧手宮線遊歩道の南側の入口があります。
 かつて橋梁があったレンガ積みの橋台が残っています。 

 

 入口は古枕木を利用した階段になっています。

  

 入口の反対側には南小樽駅に至る手宮線の跡地が続いています。この部分は100m少々ですが遊歩道にはなっていません。線路は部分的に残っているようですが、敷地の一部が寿司店の駐車場になっているようです。 

 

 ここから、前2回の旧手宮線訪問で歩き洩れている部分を歩きます。(未踏区間は300m程ですが(^_^;) )

 

 線路周りはきれいに整備されていて、踏切の設備も残されているので、今でもディーゼル機関車に牽引された貨物列車が走ってきそうな雰囲気があります。

 

 鉄軌道の跡地の遊歩道なので、脇の「ひまわり公園」にも汽車をモチーフにした遊具が置かれています。
 小樽山草会は85年以上の歴史を持つ山草の栽培を行う愛好団体で、旧手宮線遊歩道にある草花の維持管理に尽くされている団体です。この団体のお陰で、遊歩道の植栽がきれいに保たれているのかと思います。感謝。

 

 1ブロック進むみ、北のウォール街と呼ばれ通りを越えると、旧手宮線遊歩道の色内仮停車場跡地になります。 

 

  この場所には休憩所(あずまや)が建てられています。1962年に旅客営業が止めて廃止されてた旧色内仮乗降場の駅舎を復元したものです。

 

 早朝なので休憩場の中には猫が一匹ねぐらにしています。

 

 色内停車場の建物の背後には、重厚な建物が建っています。

 

 市立小樽美術館と小樽市立文学館になっています。
 一見、美術館や文学館の建物としては無機質な感じで、アメリカの工場のような建物になっているので、この建物の前の用途を調べたら旧郵政省小樽地方貯金局の建物した。そうみれば郵政建築

 

 ただ旧色内仮停車場の隣にある建物の周りには、様々なレトロなものが雑然と積み上げられているのが、いいのか悪いのか(^_^;)

 この建物は居酒屋もぐら。
 この混沌とした店構えが外国人旅行者に好評と聞きます(^_^;)

 



 遊歩道を進んで行くと、既に二度歩いた部分に到着し、約1.6㎞の旧手宮線の完全走破がようやく成し遂げました(^_^;)

 これから目指すのは、今まで2回側を通過して2度とも見逃していた荒巻山の突端が露出している岩を見に行きます。

 

 遊歩道沿いには北海道らしい建物が多く残されています。社交ダンススタジオ「踊場ミレー」は看板の字体も素敵です。
 ジャズ喫茶もあり、コーヒーを一度ここで飲んでみたいと思うのですが、訪れるのが3回とも早朝なので夢はかないません(^_^;)

 

 いよいよ、今回の一番の旅の目的の荒巻山の突端が露出している岩を見に行きます。

 
 旧手宮駅乗降場のエリアに近づくと、今までは市街地の平坦な場所を進んできましたが、ここからは山側に荒巻山が迫ってきて、急に切り通しのような地形になっています。(海側は飲食の大型店の立体駐車場が壁になっていますが)

 明治13年(1880年)に官営幌内鉄道として建設された旧手宮線は、この場所で荒巻山の突端に押される形で引かれたのかと思います。
 そして海側は明治時代は海岸線になっていて、小樽の発展とともに港と物流倉庫の用地確保のために、埋め立てられていったのと思います。

 本来ならば、荒巻山の突端の岩がもう見えてもいいはずですが、まだ見えません。

 

 近づいてみると、突端の岩が見えてきました。
前回、岩が目に入らなかったのは、岩全体が草で覆われているからで、岩に見えないようにカモフラージュ・ネットが被されているようなものです(>_<)

  岩がある場所は、旧国鉄手宮駅の乗降場があった場所で、現在はポケットパークが設けられています。

 前回訪れたときに、この場所でポケットパークの写真は撮ったはずですが、地形的に特徴のある荒巻山の突端の岩を見事に見逃していて、岩の写真すら撮っていません(>_<)
 ポケットパークに気を取られていたようです(^_^;)

 



 前回、進んできた北の方向から見ても草に覆われていて。草叢のように見えます(^_^;)
冬になると覆っていた草が枯れて岩に見えるようですが。

 

この岩を見るために、わざわざ小樽までやって来たので、いつまでもこの岩を眺めていたい気持ちがありましたが、これから小樽駅発5時53分の列車で札幌に行かなければなりません。
この列車を逃すと、予約している札幌6時53分発の函館行 スーパー北斗4号に乗り遅れるので、急がねばなりません!

 GoogleMapで小樽駅までを調べると1.4kmで徒歩の所要時間は15分。時計を見るともう出発時間まで15分を切っています(^_^;)


 本当は段丘を上がって荒巻山の突端の岩を反対側から眺めたかったのですが、とてもじゃないけれど時間がないので、崖を少々よじ登って岩が露出している部分に触れた後、大急ぎで小樽駅に向かいました。


 



 帰ってからGoogleMapのストリートビューで岩の反対側を見ると、突端の岩らしい堂々たる形になっています。
 ただ岩のある周囲は私有地になっていて駐車場として使われているようなので、近くに寄るのは難しいかと思います。

 



 小樽駅まで1.4㎞の道を10分強で小樽駅に向かわなければならないので、走るかタクシーを捕まえるかの2択しかなかったので、取りあえず走りました。

 さらに悪いことにスーパー北斗4号の指定席特急券と乗車券はJR東日本の「えきねっと」で予約しているので駅で発券する必要があります。
 本当ならば新潟駅で発券しておけばよかったのですが、コロッと忘れてフェリーに乗ってしまったので、小樽駅で発券しなければなりません(^_^;)

 乗車券指定券の発券の時間もみておかなければならないので、小樽駅までの1.4㎞は荷物を背負ったまま頑張って走りました(^_^;)

 そして発車5分前に駅に着き、切符売り場の窓口は6時前なので閉まっていましたが、指定券券売機でVIEWカードを使って無事に発券することが出来ました。

 そして、いつもの5時53分発の新千歳空港行きに乗り札幌駅で、函館行きのスーパー北斗4号に乗り換えます(^_^)
 
 

 早朝の1時間少々でも、けっこう街探訪が出来るものです(^_^)