沖縄シュガーローフへの旅#6(帰投)
                                          2018年 1月18日更新                                                                            

 嘉数台公園から前田高地の戦跡に向かいましたが、前日の晴天から打って変わって、冷たい雨の降りが激しくなってきました。
 
 前田高地は嘉数台から南に1㎞ほどの場所にあり、浦添(うらそえ)市にある浦添城址として観光地になっている場所です。
 この場所は2017年(アメリカなどでは2016年)に公開されたメル・ギブソン監督の戦争映画ハクソーリッジ(HACSAW RIDGE)の舞台として一躍、世界的な脚光を浴びました。

 

 自分の希望としては戦跡を歩き、前田高地の攻める側としては難しい地形を実感したいところでした。
 しかし今回は家族旅行で、嘉数台では散々、家族は歩かされたので、この冷たい雨の中、さらに歩く距離が長くなる浦添城址公園を、家族で歩き回るのは困難と判断しました。
 せっかく、ここまで来て残念なことですが、レンタカーで前田高地周辺を走って、地形と高低差を実感しようということにしました。

 嘉数台から浦添公園まで車で行くとすぐ近くですが、バイパスを降りると狭い道の上に、区画整理がされていないので、入り組んだ道はカーナビゲーションないと厳しい道路事情でした。

 今回、前田高地を歩いて回ることは出来ませんでしたが、ひと目見たいものがありました。
 それは前田高地のシンボルのような岩があります。
 前田高地の東端に聳える岩は、地元の前田集落の信仰の対象である岩。
 沖縄戦では、頂上に聳える岩は高地攻略の目標であり、砲爆撃を行う際の場所標定の目印にもなった岩です。

 岩の名前は為朝岩(ためともいわ)、地元で古くからいわれていた名はワカリジー。攻撃したアメリカ軍からは形からニードルロック(Needle Rock)と呼ばれました。
 前田高地はアメリカ軍が6回攻撃を行う度に日本軍に撃退され、ようやく7回目に攻略した大激戦地だったので、その戦いを、ずっと見下ろしていた為朝岩をひと目見れば満足するのではないかと思っていました。

 

 しかし、草木に覆われた前田高地に立つ為朝岩を、雨の中走る車から見つけるのも難しく、沖縄独特の墓地の並ぶ道を何度も往復していると、家族が父親がなんで墓地をウロウロしているんだろうと不審に思うので、為朝岩を見つけるのは諦め、また次に沖縄を訪れる機会があれば再挑戦することにしました(^_^;)

 


 レンタカーで那覇市内に戻りますが、途中にあった地元スーパーマーケットで、沖縄食品を大量に買い込みました。スーパーで買うと、地元の沖縄物産店で買う値段よりも、かなり安く買い物できました(^_^)

 レンタカーを那覇市内で返却し、ゆいレールに乗って沖縄が初めての子どもの為に、国際通りに行きショッピングタイムになりました。

 安里川親水公園 ゆいレール牧志駅前にある再開発で造られた都市公園は、都市型レイアウトレイアウトを作成している自分にとっては、とても興味があります(^_^)

 

 国際通りを歩き、アーケード街の平和通り商店街を廻ります。
 ゆるきゃらのごっちゃんが巡回中です。沖縄健康長寿大使らしい。

 

 商店街を廻って、カミさんは窯元直営の陶器店で食器を買い、私は沖縄の公式ウェアにもなっている、かりゆしウェアを探すといい店を見つけました。
 海想というセレクトショップ的な店で、質、デザインとも他の土産物店を凌駕するウェアが並んでいました。オリジナル商品なので、4種類のデザインに色違いがそれぞれ2種類しかないのですが、Made in 沖縄をうたっている綿と麻の布地は着心地がいいです。(価格の高さも品質に伴い他店を凌駕していましたが・・・)

 
 


 これで1泊2日の沖縄家族旅行は終わりで帰りの飛行機JAL916便 B767です。 
 帰ってから、馴染みの沖縄料理店に行って沖縄旅行の話をしたら、1泊2日と聞いて、「何でたった1泊しかしないの!」と呆れられました(^_^;)

 

 日本航空のターミナルからは、自衛隊基地のエプロンが良く見えます。
 海上自衛隊のP-3Cと、航空自衛隊のF-15、C-1が一緒に並んでいる光景は、何度見ても不思議な感じがします。 

 

 2日目は雨に祟られました。着陸してくる旅客機も水煙を上げながら減速しています。

 

 36番滑走路から離陸すると、自衛隊基地が良く見えます。
 那覇空港の管制塔は、国土交通省の管制塔なので、自衛隊の管制塔とはだいぶ異なるデザイン。

 

 離陸後、海上自衛隊のエプロンにP-3Cが並んでいるのを見て、技MIXのP-3Cシリーズを造りたくなりました(^_^)

 

 那覇空港の北端はLCCのスポット。エプロンの脇は海に面しています。荒波が押し押せる護岸を見て、Gemini Jetsの1/400AirportMatセットの情景を思い浮かべてしましました。

 

 雨雲に霞む那覇市街地と、アメリカ軍那覇軍港施設と陸上自衛隊那覇駐屯地を見ながら、沖縄に別れを告げます。

 



 夕食は空弁の喜作乃島 大東寿司とポーク卵の握り飯で沖縄食で締めます(^_^)
 
 

 大東寿司は鰆をミリン醤油に漬けたヅケ寿司で、沖縄本島から400㎞あまり東方の島、南大東島の名物で甘い醤油だれが特色です。
 ポーク卵は卵焼きとスパムミートを具にした沖縄らしいオニギリです。

 

 沖縄本島では冷たい雨が降り続いていましたが、上空は当然、きれいな青空で雲海を眺めながら偏西風に乗って羽田空港を目指しました。

 



 飛行機に搭乗する前に、空港ターミナルで沖縄戦の写真集と、シュガーローフの戦いの劇画を購入しました。
 シュガーローフの戦いは沖縄在住の新里堅進さんが1日1ページのペースで描かれた劇画で、シュガーローフの戦いを取り上げた多くの作品、ジェームス・H.ハラス著の「沖縄シュガーローフの戦い-米海兵隊地獄の7日間」、ジョージ・ファイファー著「天王山」、アメリカ陸軍省編「日米最後の戦闘」八原弘道著「沖縄決戦~高級参謀の手記~」、朝雲新聞社「沖縄方面陸軍作戦」、玉城村役場「玉城村史」などに書かれている証言を忠実に描いています。
 また、このような本にありがちなイデオロギーに満ちた表現もなく、アメリカ海兵隊、日本陸軍、沖縄住民のそれぞれの立場を、参考文献に書かれたエピソードが忠実に描かれています。


 今まで、ジェームス・H.ハラス著の「沖縄シュガーローフの戦い-米海兵隊地獄の7日間」の文字情報で戦いの情景を思い浮かべていましたが、この劇画のお陰でさらにイメージが深まりました。

 

 シュガーローフの戦いは映像化されていませんが、バンド・オブ・ブラザースを製作したスティーブン・スピルバークとトム・ハンクスがイギリスBBCとアメリカHBOが、アメリカ海兵隊の太平洋戦線の様子を描いたザ・パシフィックの9話(全10話)のみで沖縄戦の様子を描いています。2人が作成した戦争ドラマなので、リアルな戦闘シーンが続き、沖縄戦の雰囲気が判ります。ただし、シュガーローフの戦いは第6海兵師団が戦いましたが、このドラマは第1海兵師団の様子を描いたものなので、嘉数台や前田高地(これらはアメリカ陸軍)、そしてシュガーローフの戦いの様子は描かれていません。
 このドラマも戦争の現実を描くのが趣旨なので、残酷な場面が出てくるので、2010年に放送された当時は沖縄の戦いのシーンは最も見たくない場面でしたが、沖縄の戦跡を学ぶために、史実から(極一部にフィクションのシーンもありますが)目をそらさないようになりました。