アーバンガーデン  盛岡市南新都心中央公園の人工丘
                                        2017年 9月14日更新     
 
夏のある日、岩手県盛岡市で会議がありました。
 どうせ会議で行くなら都市型レイアウト製作のために参考になるものをついでに見ていこうというのがモットー。
 GoogleMapの地図と航空写真を交互に切替ながら、参考になるようなものを事前に探します。

 今回、見つけたのは公園の真ん中に丘があり、丘を幹線道路が貫通してします。

 

 拡大してみると、いかにも人工的に造った築山にトンネルを掘ったという感じです。

 これは現地に行って、見て、登ってみなければなりません(^_^)

 

 盛岡市の旧市街地は盛岡駅の東側に広がっていますが、目的の中央公園は再開発を行っている西側にあります。

 

 UR(都市再生機構)が開発した再開発地域の中央公園に築山はあるようです。
 札幌市のモエレ沼公園のように築山に固有の名前が付けられているか調べてみましたが、特に付けられていないようです。

 区画整理された場所には、公共施設や大型商業施設があります。

 



 夏の日の土曜日の午後、東京での会議が終了後、東京駅から東北・北海道新幹線で盛岡へと向かいました。

 東京駅発16時20分の「はやて27号」で行こうと思いましたが、最近の新幹線は国内旅行回帰とインバウンド効果で混んでいます。この日も「はやて27号」は普通車もグリーン車も混んでいて、窓際の席が確保出来ません。しかし盛岡までは「こまち27号」秋田行きが併結していて、盛岡で秋田行きと新青森行きに分離するので、「こまち」の指定席を調べると、半分強の埋まり具合だったので、空いている「こまち」に乗りました。

 

 「こまち」はE6系新幹線で
 E-3「こまち」車内はイエローのヘッドレストカバーが付いていて黄色の印象が強いのですが、E-6系のグリーン車はブルーのヘッドレストカバーとカーペットがブルー系でドアや肘掛けのウッド調がJR東日本としては斬新で落ち着いた、いいデザインです。
 ただE-3系から引き続いて、シートが2-2配置のなで、若干窮屈に感じます。400系新幹線のように1-2配置が好ましいのですが、乗客の多い新幹線なので、定員増加のためやむを得なし(^_^) 

 

 E-5系と比べるとシートの横幅は狭いですが、前のシートとの間隔は1,160mmで普通車との差を感じます。

 

 会議の後は、懇親会、2次会で盛岡の夜で親交を深めました(^_^)



 ホテルに泊まった朝、盛岡市内の散策に出掛けます。
 
 駅方向へ歩き、北上川をわたる開運橋の上から。
 岩手を象徴する岩手山が正面に見えます。この山の麓には乳製品で有名な小岩井農場と、陸上自衛隊岩手山演習場があります。
 
 北上川の川沿いはきれいに整備されていて、歩くのに気持ちがいい川沿いの遊歩道です。

 

 駅に向かう堂々たる鉄橋は、1890年(明治23年)に有料橋として架けられた、開運橋です。盛岡を象徴する橋になっています。

 

 橋を渡ると川沿いの公園の地下に盛岡駅前自転車駐車場があり、レンタサイクル勤太郎が1日200円で借りられます。ただ用意している台数は少なく、200円というのはレンタサイクルとしては破格の安さなので、この日曜日も朝9時にはもう残り2台でした。

 駅の西側に行くには盛岡駅を超えていかなければなりません。
 これは別の日に駅西口にある図書館や会議室が入っているアイーナいわて県民情報交流センターから撮った陸橋で、新幹線と在来線の間の駅舎をぶち抜いているオーバークロスで線路を越えていきます。 

 


 ビルが建ち並ぶ東口に比べ、都市計画で区画整理が進んだ西口地区は、とても空が広く感じます。
 雫石川を渡る杜の大橋を進むと、中央公園の丘が見えてきました。

 
 
 近づくと、めがね橋のようなトンネルの穴が2つ開いています。使用しているのは右の穴だけで、現在、片側1車線の杜の大橋が片側2車線の橋に拡幅されたときに、左側のトンネルを使用を開始するのでしょう。

 

 トンネルの中は2車線の対面通行ですが、出ると4車線の道路に変わります。

 


 中央公園の中に入り、西側の側の岩手県立美術館の方の麓から、丘を見上げてみました。
 橋から見たときより高く感じます。そして、この丘は最近、研究している沖縄の地上戦で出てくる那覇市のシュガーローフの丘のように感じます。
 これが強かった沖縄の日本軍が守るシュガーローフの丘だったら、アメリカ海兵隊は攻略に1週間費やすことになります・・・

 

 丘を登るのにはまっすぐ登る階段と、S字を描きながら登る道がありますが、景観を楽しみながらS字の道を登っていきます。

 丘の中腹で振り返ると、岩手県立美術館の建物が弧を描いて建っています。

 

 3分もしないで丘の頂上の展望台に到着します。
 展望台はそこそこ眺めがいいです。正面に見える山は姫神山でしょうか。

 

 頂上から、東側の反対側の斜面を見ます。
 もしここがシュガーローフの丘だったら、1日目にここを占領しても、この反対側の斜面にある陣地と、隣の丘(ハーフムーン)とホースシューという日本軍の迫撃砲陣地から徹底的に攻撃されて、何度も撃退されて、一週間大きな犠牲を払いながら戦い続けることになります・・・・

 

 南側の大型店舗や病院、マンションが並ぶ再開発地区です。
 まっすぐ伸びてく来る、4車線の県道293号線がトンネルに入る直前に2車線に狭くなります。

 

 北側の4車線の道路は、杜の大橋の手前の堤防まで完成しています。
 その先の橋は建築費が高いので、交通量が増えてきてから橋を架けるのでしょうか・・・

 それにしても、中央公園を高圧鉄塔が横切っているのが気になります。これは景観を損ないます。
 札幌 モエレ沼公園の建設時に、原案者のイサム・ノグチ氏が芸術家のプライドをかけて、公園を高圧鉄塔を横切らせるのを阻止したというイサム・ノグチ氏の主張の正しさを実感します。

 

 中央公園には、写真の先人記念館の他に、遺跡の学び館子ども科学館、そして岩手県立美術館があります。

 

 丘を下って、岩手県立美術館に近づくと、壁が大きく立ち塞がります。

 



 中央公園の丘を堪能すると、再び自転車に乗り盛岡駅の東側の中心市街地に戻りますが、同じ橋を渡って戻っても面白くないので、ひとつ川下の盛南大橋を渡って盛岡駅方向に向かいます。
 橋の真ん中で雫石川の川上方向を眺めると、堤防が見えない自然に溢れた川の風景が眺められます。
 川の先には秋田県の駒ヶ岳とおぼしき山に、夏なのにまだ残雪が見受けられます。
 ただ、右側には駅前のマンション群が見えて、都会と自然な風景の混合された景色になっていますが・・・
 
 

 盛南大橋を渡ると、すぐに東北本線を超える陸橋に差しかかります。陸橋の手前から、ほぼ未利用の用地が眺められます。敷地内にはJR東日本盛岡支社の車両センターが置かれており、転車台も残され、SL検修庫もあってC58が整備されています。
 未利用地は線路が剥がされたあとがしっかりと残っており、西口再開発の都市計画には組み入れられていませんが、いずれは何かの建物が建てられるのでしょう・・

 
 
 夏の日曜日の午後の北海道・東北新幹線は混んでいます。15時以降に盛岡を出る上り列車は普通車、グリーン車とも一杯でした。
 14時台の「やまびこ」も、普通車、グリーン車とも窓際の席は一杯でした。やはり、窓際に座って帰りたいので、グランクラスに乗って帰りました。
 グランクラスはさすがに空いていて、盛岡を出た段階では自分を含めて2人だけ。せっかくグランクラスに乗るので、停車駅の多い「やまびこ50号」に乗り、ゆったりと帰りました(^_^)

 

さて、盛岡中央公園の築山を見てきましたが、これを参考にして都市型レイアウトに築山を造ることにするのは、もうしばらく経ってからのことになります。
 構想としては、県庁の別館付近に4車線の道路が貫通する築山を造ろうと思っています(^_^)