GWは日比谷・霞ヶ関でアーバンガーデンウォッチング
2015年 5月22日更新
2015年のゴールデンウィークは、コンサートへの出演と帝国ホテルの宿泊がメインイベントでした。
コンサートの合間と早朝に散歩がてら、オフィス街と官庁街のアーバンガーデンウォッチングを楽しんできました。
日比谷公園の周辺には、政府の省庁の建物と、大企業の本社ビルが連なり、それぞれの建物の外構に植え込みやポケットパークなどがあって、日本の中心としての景観を見せています。
普段は大勢の人が働いている場所ですが、GW中は公務員も会社員の多くが休日なので、人通りの少ない街並みとなります。(ショッピング街に変貌しつつある丸の内周辺は、休日でも大勢の人が訪れますが)
そんな無人の街の景観を楽しんできました。
もちろん、景観を楽しむだけでなく、都市型レイアウトに日比谷周辺を参考にした景観を再現するための情報収集の目的が第一です(^_^)
起点は日比谷公会堂
1928年(昭和3年)に建てられた由緒ある建造物で、日比谷公園の南東の角に位置します。
関東大震災の教訓を受けて建てられた公会堂は、東日本大震災の揺れに耐えた頑丈な建物ですが、2016年から耐震化工事の為にしばらく閉鎖されます。
近代的な日比谷の建物群のなかで、日比谷公会堂は昭和初期の建物らしい外部内部各所の装飾が美しい建物です。
内幸町の富国生命ビル前には、等間隔に2列に並んだ並木は、自分が都市型レイアウトで使うJTT treeの樹のようです。
レイアウトでもトランジットモールにこの並木を再現する予定です。
ビジネス街のビルの1階や地下に、働く人をターゲットにした商店や飲食店がテナントとして入っていますが、休日は多くの店は休業しています。 私たちは日比谷のオフィス街での食事を諦め、みんなで新橋駅周辺まで歩くことにしました。
新橋駅周辺では、アーバンガーデン的には見るものは少ないのですが、昼食が終わり、日比谷公園の方に戻り始めるとアーバンガーデンウォッチングで関心を呼ぶ、ポケットパークのようなものが次々に現れてきます(^_^)
一緒に移動する仲間たちが、なんで植え込みを一生懸命写真を撮っているんだと、怪訝な表情をしますが、「アーバンガーデンウォッチングが趣味なんだ」と苦しい説明をします。
アーバンガーデンウォッチングは、趣味としてまだ市民権を得ていないのかもしれない(^_^;)
千代田区立内幸町ホールのポケットパークに入ってみると、赤い枯れ木のオブジェが並ぶポケットパークが並びます。
これは小清水漸さんの「地の棘石の華」という難しいタイトルが付けられています。
さらに日比谷公園に向かうと、帝国ホテルの隣に、みずほ銀行内幸町本部ビルがあり、交差点に面した角に、みずほ銀行の前身、第一勧業銀行時代のシンボルマークのハートをあしらった鉄製のモニュメントを花崗岩のブロックで囲んだものが置かれています。
同じく、みずほ銀行本部ビルの国会通り沿いには長さ170mの水と緑を生かした、見事なサンクンガーデンがあります。
ここもじっくり観察したかったのですが、集団行動をとっていたので通過しただけだったのは残念(^_^;)
コンサートの後は、知人の招待で帝国ホテルへ。
ロビーに入るとすかさずベルスタッフが用件を伺いにやって来るなど、日本を代表する一流ホテルという名に恥じないホテルスタッフのオモテナシサービスが光ります。
宿泊したのが、本館14階以上にあるインペリアルフロアで、ここはエレベーターを降りるとフロア専任のゲストアテンダントが常駐していて(深夜・早朝は除く)、「お帰りなさいませ」とメイドさんみたいに出迎えてくれて、客室に通じるセキュリティドアを開けてくれる。そこまでされると慣れない身の上では恐縮してしまいます(^_^;)
客室も豪華ですが、招待して下さった人によれば、帝国ホテルの客室のいいところは、浴室の水の勢いがいいことだそうで(^_^;)、シャワーの水の勢いはどのホテルよりも強いし、湯船にお湯を張るのも、全自動になっていてボタン一つで素早くお湯が張れます。また、洋室のホテルなのに湯船も日本の家庭用と同じ深さがあるのと、洗い場があって湯船の外で思いっきりお湯を流して身体を洗えるのも、日本式のオモテナシになっています。
夕食はホテル内のレストランでのコース料理。 サラダからしてドレッシングが本日作りたてという感じで、並のレストレランの料理とは素材からして大きな違いを感じる料理です。
ただし、値段の方も一流で、この食事代はふだん家族旅行での宿泊代を上回る値段になっています(^_^;)
極上のベットの上での睡眠をとった翌朝、6時前に目を覚ました子どもを連れて、朝の散歩に出掛けました(^_^)
日中は大勢の人で賑わうホテルロビーも、朝6時前だと全くの無人になります。
ホテルの正面玄関を出て、日比谷公会堂の前を通って国会通りを、国会議事堂目指して北西の方向に進みました。
最初に見たのは富国生命ビルのガーディンで(下が駐車場になっている)、植え込みの形が四角ではなく、それぞれ異なったパターンになっているのは参考にしたいところです(^_^)
さらに進むと、飯野ビルディング&イイノホール&カンファレンスセンターのガーデンが現れます。
ここは2014年10月に完成した新しい庭園です。
東京メトロ千代田線 霞ヶ関駅入口と合わせたデザインで、中央の丸いリングは地下鉄通路のトップライトになっています。
新しいガーデンは見るべきものも多く、シンボルになっているモニュメントの平田 五郎作「空を見るためにイイノの森のためのミナレット」は旧飯野ビルディングの白御影石を使用したもので、ビルオーナーが海運会社の飯野海運なので、灯台のイメージになっっています。
イイノビルディングを通過すると、霞ヶ関の官庁街に突入します。
祭日早朝の官庁街は、警備の人を除くと、全くの無人街です。
緑が豊富に整備された街並みを散歩していると、美しい街並みに相応しくないものが現れます。
彼らの主張したいことは判りますが、法令を無視してまで、自分たちの主張を通そうというのは理解できない。彼らなりの正義なのでしょうが、法令を遵守するのが民主主義のルール。
場所は原子力行政を司る経済産業省総合庁舎前。 まあ、離れたらテント村も目立たないから景観にそんなに影響はないかな。
新緑の季節なので街の緑が目立ち、アメリカのワシントンD.Cほどではないにしろ、日本の首都の官庁街もなかなか緑が豊富だと思います。
国会前庭の脇を通って、国会前に。 国会前庭も見学したかったのですが、午前9時から開園なのでかなわず。
国会議事堂周辺には警備の警察官の姿が目立ちます。 警備しているのは警視庁の第二機動隊(墨田区)で、無人の街には警察官の姿しか見えないので、悪いことをしているわけではないのですが緊張します。 隊員は前日からの24時間勤務でしょうから、ねぎらいの意味も含めて警官と目が合うと「おはようございます」と挨拶をしておきます(^_^)
国会議事堂は、戦前の1936年(昭和11年)から変わらぬ姿。 最後に入ったのは小学生のときの社会科見学のときです。
同行する子どもには、来年あたり学校の社会科見学でここを訪れるよ、と言っても、子どもにはあまり関心がないようでした(^_^;)
子どもにとっては、官庁街の散歩なんか面白くもあろうはずもなく、「早く、ホテルに帰ろう」と何度も催促されますが、あと一ヶ所行きたいところがあります。
首相官邸こと総理大臣官邸と公邸です。
先月の4月22日に反原発のアピールの為に、微量の放射線物質を搭載したドローンが官邸の屋上ヘリポート付近で発見され、大きなニュースになった事件があったことと、大規模災害対応のために、前庭の池を潰してヘリコプターが着陸できるようにさせた場所も見てみたいと思っていました。
しかし、官邸前に行くと、国会前に比べて桁違いの数の機動隊車両と警備の機動隊員がいて(ホワイトハウスのようにボディアーマーを着て、そんな中、官邸の前を歩くのがわれわれ親子だけの状況に中では、とても総理大臣官邸の中を覗いたり、写真を撮ったりする雰囲気ではなく、官邸のものものしい警備状況を見に行っただけに終わりました(^_^;)
この日は官邸の主、安倍総理大臣は不在で、8日間の訪米から帰国したばかりで、河口湖の別荘で静養中でした。 それにも関わらす、官邸の厳重な警備体制が敷かれていました。 ドローン事件があったばかりで、テロに備えた緊張感のあるエリアでした。
一時間強の朝の散歩は、アーバンガーデンウォッチングとしては盛りだくさんの散歩となりました。
帝国ホテルから、国会議事堂を1周し、首相官邸まで足を伸ばしても、距離としては6㎞もありません。意外に東京の都心部は狭いものです。
14階のホテルの部屋から、ホテルの駐車場入口が良く見えます。
自分は都市型レイアウトを作っていて、レイアウトの道路に矢印や白線の標記を付けるのが好きなので、この盛りだくさんの道路標記は今後のレイアウト作成のヒントになるので、写真を撮っておきました。
この日の朝食は、ホテル地下で「なだ万」の和定食。 高いだけあって、一つ一つのおかずかおいしい。
お昼も、帝国ホテル17階でランチブフェ。 ランチといえども普通のビジネスホテルの宿泊料を上回る金額のランチ代だったけれど、すべての料理がおいしい。 特にローストビーフとカレーがバイキングスタイルなのに他のホテルのバイキングでは味わえない美味しさでした(^_^)
17階のレストランからは、日比谷公園と皇居の緑が眼下に広がります。
このゴールデンウイーク中の日比谷・霞ヶ関アーバンガーデン観察を生かして、都市型レイアウトを整備して行きたいと思います(^_^)