香港ミニチュア展 ~消失中的香港~ #6
2015年 2月12日更新
24.回憶徒置區 ― 再定住団地の思い出 Memory of Resettlement Estate
陳鴻輝 Hung-fai Chan 1/76
この作品はバス模型の設計士である作者が、2年間かけて制作した初めてのミニチュア模型で、貧しい市民が暮らした再定住団地の特徴が盛り込まれている。
スロープの上に立てられた団地、露店や理髪店、駄菓子屋、またゴミ収集車を押す清掃員や廊下で煮炊きする主婦などで、当時の住民の生活を描き出している。
この作品は多くの庶民が住む、賑やかな街の一角を再現しています。
団地の通路や住居と店舗が入り交じった各戸の様子が一つ一つ個性的で、見ていて飽きない作品です。
ロンドン仕込みの2階建バスは今でもイギリスの旧植民地で見られます。
今では近代的な角張ったデザインのバスが香港で走っていますが、イギリス統治下の当時はロンドン2階建バスそのもののデザインのバスが走っています。
この集合住宅のファサードもかなり作り込まれています。屋上にも住居が建てられています。
作者がバス模型の設計者なので、バスの模型にも力が入っています。大型の二階建バスと、乗合タクシーのような性格を持つミニバスによる香港のバス交通網は現在でも香港の主要な交通手段になっています。
この作品で参考にしたいのは、多くの人形が置かれ方です。まんべんなく人形を配置するのではなく、集まるところには集まって配置してあるのがいいです。
25.大豊香荘 ー 線香とろうそくの店 Tai Fung Joss Stick and Candle Shop
曽潤明 Sandy Tsang 1/12
線香・ろうそく専門店では、葬式・祈祷など各種の祭祀のための品を提供してきた。しかし、今日では伝統的な品物ばかりでなく、紙で作られたブランドロゴ入りハンドバッグやスマートフォン、高級車など天国に行った家族が物質的にも楽しく暮らせるよう願うためのものもある。
旧暦7月15日の香港のお盆「鬼節」が近づくと、人々は道端で紙銭を焼き、ろうそくと線香に火を点けて、迷える魂を解放し、人間に禍いを及ばさないように祈るのである。
かつては中国や香港では死後の世界観から土葬が一般的でしたが、土地の狭い香港では、土葬しても6年後に掘り返し、他の場所に移動するか火葬なりして骨を骨壺に収めます。今では、土葬する場所を見つけるのも、お金がかかるのも大変なので、最初から火葬にして骨壺をロッカー式の納骨堂に納めるのが一般的になっているようです。
紙製のハンドバックやスマートフォン、高級車など紙製のものを天国への旅立ちの持ち物として持たせるのも、日本人の宗教観と同じです。日本では完全に燃える木製のものを棺桶に入れたりします。
ろうそくや線香は日本のものと違い、長時間燃焼可能なものが売られていて、興味深いものがあります。
26.鈿日斎書画店 ー 書画の店 Tin Yat Chinese Calligraphy and Painting Studio
曽潤明 Sandy Tsang 1/12
中国の江南水郷にある店舗兼住居を題材とした。
最も難しかったのは、書画をミニチュアで再現することだった。
制作は2006年から始め、さまざまな改良が加えられて現在の形になった。
香港ではなくて、中国の書画店のミニチュアで、店内の書画の再現に力が入れられています。
この店舗の裏に回ると、生活感があふれる住居部分が見られます。2階にある店舗のミニチュアが気になります。
店舗脇の植え込みも丹念に作り込んであります。
香港ミニチュア展#7に続く