防衛省探検ツアー#5(売店とカレー喫食体験)
                            2014年10月23日更新                                 

 
 12:10~12:30 売店での買い物、休憩


 厚生棟の1階には、正面玄関入ったところに有料の大食堂、そして左側が売店エリアで、スターバックスコーヒーとコンビニエンスストアが目に入ります。
 スターバックスの店舗は、普通のショッピングセンター内の店舗と全く同じ内装で、制服姿の自衛官がカウンターに並んでいる以外は、変わらぬ風景です。バリスタの立ち振る舞いも、市中のスターバックスと変わりはありません。 
 ただし、価格は市中のスターバックスよりも10%安い厚生価格です。

 コンビニエンスストアとスターバックスの他には、制服の店、演習用品の店(ミリタリーショップ)、スポーツ用品の店があります。
 各店とも、平日は毎日のように訪れる見学者のために、テレビ番組でも紹介されている、「炎の大作戦」という6個のうち1個が激辛のロシアンルーレット式の饅頭や、「隊員さんのチーズケーキ」という、おみやげが多数販売されていますが、自分と子どもの場合は、日常使い出来る、自衛官が演習で使う演習用品と、コレクションしている部隊識別帽を購入しました。

 12:40~13:20 食事体験

 今までの見学メニューは平日毎日行われている一般の見学、市ヶ谷台ツアーと同じでしたが、ここからが夏休みの探検ツアーの特別メニューになります。


 売店での買い物タイムが終わると、昼食のために隊舎棟に移動します。
 隊舎棟には営内居住する陸海空自衛隊の居住区と浴場、そして隊員食堂があります。 隊舎棟2階の隊員食堂で食事体験です。



 食事はカレーで、4月19日に行われた護衛艦カレーグランプリで、海上自衛隊No.1に選ばれた横須賀潜水艦部隊 濃厚味わいカレーです。
 最近はテレビ番組でもお馴染みになった海上自衛隊の金曜カレー、曜日の感覚を忘れないように毎週金曜日の昼食はカレーに決められていて、各艦、各部隊の調理担当は独自のレシピで味を競っており、自衛隊のカレーは自衛官の好きなメニューになっています。
 もともとカレーライスは、旧帝国海軍が休日の日曜日(航海中は休みではないが)の前日の土曜日の昼食に出していたのが、現在の自衛隊では週休2日制なので、休日の前日の金曜日にカレーを出すようになりました。 この慣習は海上自衛隊のみならず、陸上自衛隊、航空自衛隊にも広まっています。
 平成になってからは、帝国海軍、海上自衛隊のカレーを元に、海軍の街、横須賀市が商工会議所、海上自衛隊を巻き込んで、海軍カレー発祥の地として名乗りを上げ、海軍カレーブームが起こりました。

 ここ防衛省のある市ヶ谷もカレーに縁があって、カレーが日本の家庭料理として普及したのは、戦前に帝国陸軍がカレーライスを兵食に取り入れてからであるということで、今から15年くらい前に、市ヶ谷のカレーとして売り出したことがあります。 しかし、現在では市ヶ谷がカレーライスの発祥の地という話を聞くこともなく、カレーと言えば帝国海軍&海上自衛隊ということが定着しています(^_^;)   (その代わり、現在では市ヶ谷駅周辺にはカレーの名店といわれる店が集まっていますが)


 今回の喫食体験は強制ではなく、希望者のみ実費相当分を支払って喫食する形になっています。
 カレーを食べたくない人のために、というよりは食物アレルギー等でカレーが食べられない人に対する配慮だと思います。
 事前に、喫食体験で提供する食材のリストをホームページで告知しているのと、当日もA4の紙で食材の一覧表を配るほど徹底しています。
 食事は有料で、1人当たり390円を受付時に支払っています。この値段は各自衛隊施設での体験喫食を行うときに徴収される食事代と同金額です。

 食堂に入るとすぐに、自衛官がやっているように、消毒用石鹸で丁寧に手を洗うよう指導されます。洗面台が2台しかないので、手洗いが済むまで長い行列が続きますが、自衛隊の衛生指導は小学校よりも厳しく行われます。
 食堂は幹部食堂でしたが、さすがは幹部自衛官が多い市ヶ谷駐屯地だけあって、席数も多く200名くらい一度に食事が出来そうです。こんな広い幹部食堂は初めてみました。
 全ての幹部がここで食事をするわけではないのですが、条件によっては幹部食堂で喫食し、原則として食事代は

 配食の列に並ぶと、お盆にカレーと漬け物の載ったトレイを渡され、サラダを受け取りますが、ここではチーズ入りかチーズなしのサラダか聞かれます。これも食物アレルギー対策です。

 感心したのが、りんごジュースで賞味期限がわずか1週間後の8月14日で、食材の調達責任者が調味期限切れ直前の飲み物を安く仕入れて隊員に提供しているのだと思います。
 自衛隊の1食あたりの食材費は全国同一価格ですが、東京のど真ん中で物価の高い市ヶ谷駐屯地での食材の調達費の高騰は頭の痛いところです。賞味期限切れ直前のもので工夫をしているのだと思います。



 海上自衛隊 潜水艦部隊の濃厚味わいカレーの味ですが、牛、豚、鶏の3種類の肉と野菜のエキスを濃縮、果物の甘みをプラスした味わいが深いカレーですが、とても甘いカレーでした(^_^;)
 これは小学生を対象にしているので辛いカレーは出せず、子ども向けに甘口にしているのだと思います。
 カレーはおかわり自由なので、甘口だけれども、もう一皿頂きました(^_^)

 今回、調理を担当していたのが海上自衛隊の給養員でした。食事の後、出てこられて挨拶をされました。参加者もそれに答えて、感謝の拍手を送りました。
 食事をしたのが幹部食堂だったので、食堂内には厨房設備はなく、調理したのは隣の隊員食堂の厨房で、調理された料理を配膳する設備しかありません。
 

 食堂のテーブルの上にあった献立表を見ると、8月7日(金)の昼食は、濃厚味わいカレー(こんにゃくサラダのサラダバー付き)で、今日のカレーと同じなので、金曜のカレーを防衛省探検ツアーの食事に合わせたようです。
 ちなみに、他の金曜日の昼食のカレーを見てみると・・・・
  1日 ポークカレー     コブサラダ
 15日 ビーフカレー     こんにゃく海草サラダ
 22日 バターチキンカレー トマトサラダ
 29日 キーマカレー     たこサラダ

 と、飽きがこないように毎週カレーの種類を変えています。
 


 昔は、自衛隊の食事といえば、古米、古古米、古古古米の麦飯は当たり前で、猫も跨ぐような食事だといわれていたのが、現在では現場の努力もあって、マスコミなどの媒体に取り上げられるほど、おいしくなりました。 昔はボリュームにこだわる食事でしたが、今ではカロリーなどの栄養表示もあって、ヘルシー志向になってきました。

 また、他の駐屯地に比べて営内居住者が少ない市ヶ谷なので、朝は省力化のために、菓子パンや外部業者のおにぎりのメニューも目立ちます。これも、他の駐屯地でも休日のメニューは厨房を使用しないでも提供できるパン類や、外部業者の弁当による喫食になることがあります。


 幹部食堂で長めの休憩時間をとった後は、午後の日程に手旗信号体験や、訓練見学に移ります。 

 防衛省探検ツアー#6に続く