NATO軍(ドイツ軍)の軍用列車が征く

2004年10月19日掲載

 これも日本では見られない光景で、ドイツの機甲部隊の鉄道輸送の模型化で戦車を中心とした戦闘グループ(戦車、自走砲、歩兵、補給部隊)を1編成に纏めてあります。
 
 日本でこんな列車が走ったら、ホームにぶつかるは、線路が重みでおかしくなるはで、たいへんだと思いますが、こんなのが走っているヨーロッパの線路規格は日本の軟弱な土壌からみると、すごいと思います。
 
 戦前は日本も戦車の運搬は鉄道が主で(道路事情が悪かった)、戦後自衛隊もM4やM24戦車が国鉄、日通の世話になっていましたが、道路網の整備に伴い、自前の戦車トランスポーターで運搬するようになりました。 
 61式戦車の頃までは、毎年夏になると北方機動演習(本土や九州の1つの部隊が北海道防衛の為に増援にいくという想定で、空路、海路、陸路を使い北海道の演習場に行って演習を行う)にて貨車に戦車を乗せて北海道に行く自衛隊専用列車が見られました。   現在では「おおすみ級」の輸送艦を使用して機動演習では戦車を北海道に輸送しており、戦車の鉄道輸送は見られません。(というか鉄道で運べる装甲車はあっても、戦車は現代の日本にはない)



・オーストリアのROCOの製品が中心でレオパルドII戦車の運搬車は3軸のボギーを履いた運搬車に、ドイツ軍のレオパルドIIA4戦車が載せられています。  日本の鉄道の車両限界は3m、レオパルドIIの車体幅は3.7m、まったく欧米の車両限界の大きさにはうらやましいばかりで、戦車の鉄道輸送には戦前の帝国陸軍の頃から日本では泣かされています。
 
・ただkかつては戦闘車両の鉄道輸送を行ってきたNATO軍も、冷戦が終了した現在では、運用や柔軟性の欠ける鉄道を利用して、ましては有事の際には脆弱になる(線路、鉄橋等の破壊鉄道を、第二次世界大戦中ならいざしらず、凝り性のドイツ人も今では考えていないでしょう。 
 現在ではNATO軍の演習の報道でも戦車はトレーラーに載せられて道路それもアウトバーンを移動しているものしか見たことがありません。   ヨーロッパの鉄道模型の世界では、戦車を運搬する軍用列車は一つの分野として盛んですが(特にHO)、実物で今でも日常的に戦車を鉄道で運んでいるのを見ることが出来るのはロシアぐらいでしょう(^_^)  


・戦車の後に続くのはM109 155mm自走榴弾砲で、アメリカ製だけれどもドイツ軍も装備しています。一見見た目が戦車に見えるので、マスコミでは戦車扱いされそうです。

・その後ろがM113装甲兵員輸送車でこれは米軍の装甲車です。迷彩塗装されているので判りにくいですが1台の運搬車に2台載せられています。 一応ROCOから発売されたNゲージの軍用列車シリーズをすべて連結したため繋げています。

迷彩は米軍の4色迷彩がされており、他のNATO3色迷彩を施された車両から浮いているので、3色迷彩に塗り直す予定です(^^;)
米は第1次世界大戦から一貫して戦車は基本的に迷彩なしのオリーブドライブ1色で通していたのが、車両の迷彩塗装の研究を行い、4色迷彩を採用しました。 
その後、米、英、独とバラバラの迷彩をしていましたがNATOで共通の迷彩をすることとなり(迷彩が各国バラバラだとワルシャワ機構軍にすぐどこの国の部隊か判ってしまうという防諜上の理由)、NATOの主導権を握っていた米が自国の4色迷彩を強行に推しましたが、迷彩効果と1色少ない3色の方が経費がかからないという理由で、独の3色迷彩が採用され、現在に至っています。

・次に2両連結されているのがウニモグ トラックを2両ずつ載せた運搬車です。 ドイツのメルセデス・ベンツ社製で、日本ではウニモグと言えば鉄道や道路公団の事業車として有名ですが、ドイツ軍では道なき道を走破する最強のトラックという触れ込みで使用しています。



レオパルドII戦車を陸上自衛隊の2色迷彩塗装で塗ってみました。海洋堂やコナミから陸自の90式戦車が出る前は、これを90式戦車の代わりにしていました。見た目雰囲気はそっくりですから(^^;)   ただ砲身とスカートは90式戦車のように改造してあります。
 しかし海洋堂、コナミの製品は1/144で運搬車に載せるとNゲージの車両限界を超えて、レイアウトで走らせることは出来ませんが、ROCOのはNゲージと同じ1/160(日本規格は1/150)なので、問題なく走らせることができます。
(海洋堂のレオパルドはでかすぎて載せられません(>_<)

・ついでに海洋堂の74式戦車を運搬車に載せてみました。 実物と違いNゲージの車両限界に収まり、運転には問題はありません。 もちろん海洋堂の61式戦車を載せても大丈夫です。

・自衛隊の戦車を輸送したときは、剥き出しで貨車に載せたわけでなく、きちんとカバーで戦車を覆っていて、戦車を運んでいるとは一見判らないようにしていました。 (プロ)市民の皆様を刺激したくないのと、労働組合対策のために。 かつて北方機動演習で戦車を載せた貨車を駅構内で撮影しようとしたら、国鉄職員に制止させられたとの話もあります。
 
 欧米では通常戦車の輸送はカバーなんぞ掛けずに、剥き出しで運んでいます。 (かつてアメリカのハイウェーを走っていたら、戦車を積んだトレーラーが走っていて、しばらく後をついていったことがあります^^; )

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