制作記#264
                  更新日2013年 1月 17日更新           

2012年10月11日(木)  (番外編)観艦式2012#3(護衛艦はたかぜ)
                
              
            


 前回は10月8日(月)に行われた観艦式の予行1で、、10月14日(日)の本番は行きませんでしたが、10月11日(木)に行われた予行2にも参加してきました。
 

 乗艦したのは、いわゆるミサイル護衛艦のはたかぜ型の1番艦DD-177はたかぜです。
 


 今回、はたかぜの出港は横須賀本港の船越地区でした。 
 同じ横須賀本港でも、JR横須賀線の横須賀駅から営門まで徒歩2分もしない吉倉地区と違って船越地区は不便な場所にあります。
 京浜急行の急行が止まらない京急田浦駅から20分かかります。
 
 はたかぜの受付時間が6時30分から7時15分で、最終乗艦時間が7時35分なので、京急田浦駅には最低でも7時前には着きたいところです。
 前回のたかなみの体験航海と同じく、前泊も考えましたが今回は泊まらずに、羽田空港行きのリムジンバスで行きました。 
 バスは羽田空港に5時半頃着き、そのまま地下の京浜急行に乗り込み、京急蒲田で乗り換えて、京急田浦駅には6時32分には到着しました。

 商店街や工場の脇を行と海上自衛隊の船越地区に着き、手荷物検査と受付を済ませたら乗艦です。



 はたかぜ DDG-171は、岸壁に護衛艦あさゆきを内側にして停泊していました。



 はたかぜは外側に停泊しており、艦全体の写真が撮れなかったので、海上自衛隊の公式サイトから写真をお借りしました。
 はたかぜではなく姉妹間のしまかぜですが(^_^)
 


 いかにも昭和のデザインをした艦で、ステルス性を考慮した平成デザインのむらさめ型やイージス艦と比べると、無骨なデザインになっています。
 こんごう型イージス艦が就役するまでは艦隊防衛のカナメでした。 
 就役したのが1986年で艦齢も26年が経過し、そろそろ退役の時期かなと思われるような艦ですが、艦齢延伸の予算がとられたようで、はたかぜはまだしばらくは日本の海の守りに就く予定でしょう。



 8時5分出港予定なので、それまでは艦内の散策です。
 下に降りて、機関の操縦室で機関長から話しを聞いたりしていました。
 まだエンジン始動前なので忙しそうではないのですが、航行が始まると艦橋からの信号に応じて、エンジンの出力やプロペラピッチを替えたりするので、忙しくなります。 
 


 ここは応急指揮所にもなっていて、艦の状況が把握できます。
 昭和の終わりに完成した艦なので、内装や機器もむらさめ型以降の艦と比べると昭和の雰囲気です(^_^)



 かすかに揺れる艦内の狭い通路を歩くのも、これまた楽し。
 いざというときの隔壁などを補強するときなどに使用する材木が置かれています。 やはり、ノコギリを使って迅速に長さを変えられる材木が一番いいそうで。



 護衛艦の艦内の甲板間の移動と言えば、狭くて急なラッタル(階段)を使います。 これが一般公開のときには艦内移動のネックになっていて、女性や子ども、お年寄りなどは昇り降りがたいへんで、昇り降りしにくいし、踏み外したら危険なので、恐怖を感じたりとたいへんです。 自衛隊も一般公開のときは、ラッタルに警戒員を張り付けて、乗艦者の安全を図っています。



 余談ですが、急角度で昇り降りがたいへんなラッタルですが、艦船マニアには楽しいモノなので、私は家を新築した際にラッタルを家に取付けてしまいました(^_^)
 通常の階段とは別に、設計士に頼んでみました(^_^;)
 最初は建築士も、なんで狭くて急なバリアフリーに逆行する階段が必要なのか疑問を持たれましたが、艦船内部の写真を見せ、こういう階段がほしいんだ・・・・と、告げると納得して取り付けてくれました(^_^)
 艦船のラッタルの寸法や角度が載っている図面をネットで探しましたが見つからず(呉の大和ミュージアムならあるかも・・)、残念に思っていましたら、図面を引いてくれ、木製ですが艦船のラッタルそっくりのラッタルを造ってくれました(^_^)

 毎日、家のラッタルを駆け昇り、駆け降りていると健康にいいのではないかと思っています(^_^)  ただし、ラッタルを乗員と同じように前向きに駆け降りているので、年とったらアブナイかもしれない(^_^;)


 さて、8時ちょうどの自衛艦旗掲揚が終わると、出港です。 艦橋サイドにいたので艦尾の掲揚の様子は見えませんでしたが。



 護衛艦はたかぜは、横須賀本港の船越地区から出港します。
 船越地区は護衛艦隊の司令部が置かれている主要港ですが、補助艦艇が中心に停泊していたり、退役した自衛艦が繋留されていたりと、地味な印象の港です。



 出港後、同じ横須賀本港の吉倉地区が見えます。 こちらは横須賀地方総監部が置かれていますが、停泊しているのは戦闘艦が中心で、対岸が米国海軍基地、そして高層マンションやショッピングセンター、公園が周囲にあったりと華やかな感じです。  

  
 
 港は晴れていても、東京湾上は雲がべったりと貼り付いていました。 前日までは雨の予報でしたが、相模湾は晴れでした。

 8日に乗った護衛艦たかなみが横須賀新港をほぼ同じ時刻に出港して並走しました。



 艦尾からスクリューで攪拌された水しぶきや音を聞くと癒やされるので好きです(^_^;)・・・・


 相模湾に到達するまでは、艦内を一通り巡った後、艦橋に上がります。



 普通の人は、観閲式ですれ違う艦艇の写真を撮ったり、訓練展示の写真を撮ったりしましが、自分の場合は変わっていて、観閲式に望むために艦隊を組んだり、艦の針路や速力を調整する操艦を見るのが好きです(^_^;)



 受閲部隊が先行して、相模湾で単縦陣を組んでいきます。
 受閲艦部隊は、180°変針を3回行うので、操艦の妙を楽しめます。(観閲部隊は180°変針は一度のみ) 



針路を真西の270°にとり、相模湾を横断して伊豆半島に近づいていくと、観客を乗せていないので、先行していた輸送艦しもきたや、8日には参加していなかったけれど、本日の予行2から参加する外国海軍の艦船が3隻、受閲艦部隊の最後尾に付くために待機していました。


 はたかぜは11時17分に先行する就役したばかりの護衛艦あきづきに従って、面舵で180°変針して真東の90°に針路をとり、観閲部隊を出迎えます。


 12時が近づくと、前方に2列で艦隊を組んだ観閲部隊が見えてきます。 
 艦橋のレーダーでは見えていても、実際に艦隊が水平線に浮かんでくるとわくわくします(^_^) 


 観閲部隊と受閲部隊がすれ違う時間は、秒単位で修正して定時を目指しているので、艦橋要員も司令部要員も緊張した雰囲気になります。



 12時に観艦式が開始され、観閲部隊の2番艦 くらまに座乗した観閲艦に向かって敬礼の礼式を行います。
 本番の観閲艦は内閣総理大臣で自衛隊の最高指揮官である野田佳彦首相(当時)ですが、予行2では防衛政務官が勤めました。
 艦橋で観閲式に臨むと、すれ違う艦の見学は乗組員の肩越しになります(^_^;)

 観艦式が終了すると、面舵で180°回頭、再び真西270°に針路をとります。



 回頭しながら、予行1には参加しなかった外国艦船が眺められました。
 最初はオーストラリア海軍のフリゲート艦。 アメリカのオリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲート艦を参考にアメリカで造られた艦なので、見た目そっくりです。 
 艦首にはたかぜと同じくターターミサイルを装備しているので、近しいモノを感じます。


 次はシンガポール海軍の揚陸艦 Persistence(パーシスタンス)。 ヘリコプターや上陸用舟艇で戦車や兵員を揚陸させます。



 最後はアメリ海軍のイージス巡洋艦Shiloh(シャイロー)。 
 2006年から北朝鮮の弾道弾への備えとして、横須賀に配備されたので、横須賀ではお馴染みの艦です。
 マストに米国旗と自衛艦旗を掲揚して、米海軍と海上自衛隊の蜜月ぶりをアピール。


 観艦式が終わると、訓練展示になります。

 はたかぜは訓練展示の最初の展示第1群に属し、はたかぜしらねが観閲部隊に対し祝砲を発射します。

 展示を見るために護衛艦ゆうだちを先頭に観閲部隊が真東の90°に面舵回頭してきました。

 はたかぜは始めに観閲部隊の2番目に位置する護衛艦くらまに対して祝砲を発射します。 前後に1基ずつある127㎜砲を使って5発発射します。
 


 砲が見える位置でも、発射音と衝撃さえ我慢すれば見ることが出来ますが、やはり砲発射の艦橋内の一連の流れを見てみたいので、艦橋内に留まりました。
 
 祝砲発射の前に、乗員が「大きな発射音がします」といって、耳栓を配られましたが、艦砲だと音が大きそうなイメージがあります。陸自の駐屯地祭で、127㎜砲よりも大きな155㎜砲や230㎜砲の空砲発射音と衝撃を体験しているので恐れはありません。


 主砲発射のシーンを艦橋から動画で撮影しました。
 
 
 デジカメの動画なので、映像、音声とも鮮明ではなく、手ぶれ補正もないので、ブレています(^_^;)
 見苦しい映像ですが、艦橋からの映像なので、号令や無線通信をお楽しみ下さい。

 前部の51番砲は空砲を3発発射しましたが、画像には1射目と3射目が入っています。
 1射目は1分41秒あたり 3射目は2分03秒で発射しています。
 Movie 護衛艦はたかぜ祝砲発射を艦橋から

 艦橋内にいたので、目の前で3発127㎜砲の発射がありましたが発射音は大きく聞こえることもなく終わりました。
 無線で後ろをいく護衛艦しらねが装填に戸惑い、最後の一発が発射できなかったので、司令部の方では原因を追及していましたが・・・・

 その後、本番の14日では、はたかぜに不発が出て、不発弾の投棄のために隊列を離れることになりました(^_^;)


 祝砲発射が終了すると、艦橋内も一仕事終えた雰囲気になります。
 その後の訓練展示は、3日前にも見たからいいかなと、艦橋見学を続けていました(^_^;)

 訓練展示も終了し、それぞれの艦が帰港のために東京湾を目指します。
 
 艦橋のトップに上がり前方を見ていると、やたらと海面に海鳥が集まっているところがありました。
 乗員によれば、イルカがイワシの群れを追いかけていて、おこぼれ頂戴と海鳥が集まっているそうです。
  
 

  艦が近づくと、イルカの群れは今度は艦に並走して泳ぎ始めました。 乗員によれば、こういうことはよくあるそうで。




 横須賀港入港までの時間、乗艦者を飽きさせないように武器操法展示などのイベントが行われます。


 最初は最前部の対空ミサイル ターターシステム。 この展示にあたっては機密のため、ビデオ撮影や、デジカメ、携帯電話の動画の撮影はご遠慮下さい都のことでした。  機密に指定しなくてもいいくらい、もう枯れたシステムだと思っていましたが、まだまだ現役で使用するので、対応スピードが判明しては、まだまずいのかもしれません(^_^;)



 次は祝砲発射で使用したMk47 5inh(127㎜)砲です。
 無人化した砲塔が主流になっていますが、この砲はまだ砲塔内に4名乗っており、対水上射撃用の照準用の半円形のドームに海曹が乗っているのが見えます。



 最後が対潜水艦用のアスロック発射機で、ロケットモーター付きの魚雷発射機です。



 はたかぜの入港時間は16時40分と遅めなので、ゆっくりとした歩みで東京湾に向かいます。

 横浜大桟橋埠頭に向かうヘリコプター搭載護衛艦 DDH-181ひゅうがです。



 並走していたかと思うと、みるみるうちに先行して東京湾に入って行きました。



 観艦式も3日参加すると、ドップリと艦船漬けに浸れます。 海上自衛官のキビキビとした仕事ぶりに影響を受け、観艦式後の1ヶ月くらいは、仕事もキビキビこなせて、効率が非常に上がるのですが、これが1ヶ月くらいしか続かないのが情けないです(^_^;)



 海上自衛隊の艦船に10時間近く乗れるのも観艦式ならではなので、3年に1度の観艦式を楽しみにしています。
 3年後の観艦式には、ひゅうが型ヘリコプター搭載護衛艦を上回る大きさの22DDH護衛艦が護衛艦しらねに替わって登場することでしょう。




 次回は、久しぶりに戸崎駅周辺のレイアウト制作記に戻ります(^_^)
 
 

 製作記#1~100   101~150   151~200   201~250  251~300