2012年2月8日(水) (番外編)ホキ美術館と千葉のC61
今回は、レイアウト制作のイメージ作りのために千葉県にお出かけしました。
目的は日本初の写実絵画のホキ美術館です。
以前、地元の美術館で写実絵画の展示を見たときに、写実絵画に興味を持ち、ホキ美術館の2010年11月3日のオープンの日の新聞の全面広告を見たときに行ってみたいと思いましたが、なかなか機会を掴めずに1年以上が経過してしまいました。
場所は千葉市にある美術館といっても緑区の一番端にあり、何となく行きにくく、友人と車で行こうかと話をしておりましたが、レイアウト制作のモチベーションを上げたくなり、JRを利用して出掛けてきました(^_^)
美術館のJR最寄り駅は外房線の土気駅ですが、他にも行きたいところがあったので時間の節約と、普通車グリーン料金(950円)よりも安いB特急券(900円)を払って京葉線経由の特急わかしおで一駅先の大網駅まで行き、そこからタクシーで美術館に行きました。 運転手と震災の話をしながら、10分弱で到着しました。
ホキ美術館は千葉市緑区のあすみが丘ニュータウンの新規開発された住宅地の中に立地し、後背地は千葉市の公園昭和の森です。
だから、新築の戸建て住宅の隣に巨大な特異なデザインの建造物があるという、ミスマッチな感覚が味わえます(^_^)
ホキ美術館のホキはオーナー館長の名前が保木(ホギ)だからです。
館長は上場会社の㈱ホキメディカルの創業者です。
美術館はお金持ちの道楽が、いい方に作用している好事例ではないかと思います(^_^) 館長のこだわりが良く表れた、素晴らしい美術館の一つです。
ブーメラン型をした敷地にブーメラン型の細長い建造物を3つ重ねたような建物です。
設計は日建設計。 ブーメラン型の展示室も、約200点の作品を2.5m間隔でゆったりと展示したいということで、ブーメラン型の建物は500mの長さが必要と考えたそうです。
ユニークなのは作品を照らす照明はLEDを使い、作品に合わせて照らし方を変えたり、絵画は壁に吊さないで、強力な磁石で壁に貼り付けてあります。
また多くの絵が作品が見やすいようにガラスでカバーされていません。ただし写真にしか見えない作品が多いので、触って絵だと確かめたいと思う人が多いらしく、
当館では、写実絵画をより見やすくするためにガラスを入れていない作品が多数あります。
ただ、悲しいことですが、絵画を触る方がいらっしゃいます。
絵画の保存のために、どうぞ触らないでいただきたいのです。
お客様に見やすい環境をという配慮でガラスを外しておりますがこのままではガラスを入れなければならない事態になりそうです。
どうぞ絵に触れることはされませんよう、お願いいたします。
と、上記の掲示が何ヵ所も貼られています(^_^;)
建築で圧巻なのは、30mのスパンで1階の展示室が張り出している部分で、施工した鹿島建設が誇るプロジェクトです。
展示室で鑑賞していると、空中に大きく張り出していることは、全く感じられません。 少しでもユラユラすれば浮遊感を感じるのですが、あたりまえですが堅牢に造られていて、振動は全く感じられません。
館内は撮影禁止なので、どのような作品が展示されているかは、美術館のホームページの収蔵作家と作品に掲載されているのでご覧下さい。
所蔵している作品の多くは女性を描いたもので、ヌードを描いた作品もけっこうあるので、カミさんと一緒に来なくて良かったです。 ジロジロと作品を眺めていたらドヤされるところでした(^_^;)
風景画も数多く展示されていますが、いずれも写真とまがうほどの作品が並んでいます。
写真と区別が出来ないほどの写実絵画ならば、絵を描かなくても写真でいいのではないかと思わせるほどリアルです。
これは写実絵画を否定する考えですが、この考えで行けば鉄道模型のレイアウト制作も、模型じゃなくて現実の鉄道シーンを楽しんだ方がいいという結論になってしまうので、鉄道模型の存在意義にかかわる考え方です(^_^;)
なので、写実絵画の意義を申し上げます(^_^)
写実絵画は、現実の一瞬の風景を切り取ったものですが、写実絵画は作者が長い時間をかけて風景を描き出すものです。 写実絵画は写真よりも構図に工夫があり、光の当て方(描き方)も風景を際出せるように工夫がしてあり、精密さでは写真に若干負けますが、存在感は写真よりも大いに勝ります。
人が丁寧にリアルな絵を描いたことが、写実絵画に人を引きつけるのだと思います(^_^)
写実絵画の人物画を見ると、顔よりも手や服の描き方が気になります。
手は、指の陰影や関節、そして爪や血管までリアルに描かれています。 自分は人物の手に注目して絵を見てきました。 これは何度も塗り重ねて描いていくしかないようです。
自分は絵心はまたっくありませんが、人の手をリアルに描く技法に感動したので、ミュージアムショップで野田弘志画家のリアリズム絵画入門を購入して学ぶことにしました(^_^)
この美術館の500mの長さの1階から地下2階の3層の展示室を全部見るのに、けっこう歩くことになります。 しかし床の材質に工夫があり、長時間歩いても疲労が少なく造られています。
また構造がブーメラン型の展示室を3フロアー、折り返すように巡っていくと、方向感覚がおかしくなり、現在地点が分からなくなる楽しみもあります(^_^;)
また美術館としては珍しく、外光を内部に取り入れているフロアーは開放感にあふれ明るい展示室ですが、下に降りると一転して足下がおぼつかないほど暗い室内に作品だけが、LEDライトで浮き上がっている展示室が現れるなど、展示室の演出にもこだわった美術館です(^_^)
バーズモール
美術館ホームページによれば、土気駅まではバスで5分、徒歩では20分かかるそうです。
バスは時間が合わなかったので、徒歩で外房線の土気駅まで戻ることにしました。 ニュータウンの住宅地を歩いて駅に向かいました。 自分は歩く速度が速いので、公式案内が20分ならば15分はかかるまいと思って歩き始めましたが、どうも地図も見ずに住宅地の中を遠回りをしたらしく、25分が経過しても駅に到着しません(^_^;)
お陰で予定していた12時05分の快速に乗り遅れました・・・・・
がっかりして土気の駅前に着きましたが、駅前にしゃれた感じのショッピングモールがあるではないですか(@_@)
あすみが丘バーズモールでニュータウンと同じく東急不動産が開発したショッピングモールでした。
原色に近い色を使った建物は私好みで、ストラクチャーの塗装のために、資料写真を撮らせて頂きました(^_^)
ただパティオ(中庭)を配したショッピングモールにしては、平日の12時頃と言うことを割り引いても活気をあまり感じませんでした。
テナントもオープン当初からだいぶ入れ替わっているようで、モールの建物の格にしては、大衆的なテナントが目立ちます。
何よりも、核店舗であった東急ストアーが2011年に撤退していて、このモールの奥で解体工事が行われていました(>_<)
JR土岐駅も、バーズモールに直結するような配置で、駅舎にアーチ状のステンドグラスがあったりして、何気に高級感を醸し出しています。
そういえば、あすみが丘ニュータウンと言えば、バブル期には千葉の高級住宅地として有名になったところで、アメリカの高級住宅地のビバリーヒルズをもじって、チバリーヒルズと言われていたことを思い出しました。
バーズモールも開業当時の勢いのあった頃に、視察に来ていれば良かったかなと思いました。 ここにもバブル崩壊の爪痕を感じました。
土気からは12時27分発の千葉行き209系4両編成(アコモ改造されているので、かつての113系よりも乗り心地は良かった)の普通列車に乗り、蘇我駅で乗り換え京葉線の千葉みなと駅を目指します。
レイアウトに都市の港湾地区を造ろうかと思っているので、千葉港周辺を見て参考にしようかと思います。
蘇我駅で京葉線に乗り換えるのですが、震災後の千葉県の観光を支援するためのちばのご当地キャラクターラッピングトレインが電留線に停車していました。
このラッピングトレインは2012年の3月1杯の営業運転です。
こうしてラッピングされたシールを写真でとれば、模型に貼れるかなと思いましたが、反対側も撮影しなければなりませんので断念しました(^_^;)
勝浦市のキャラクターシールは気に入ったので、シール化してレイアウトの港湾地区に貼ろうかと・・・・
このラッピングトレインはプレスリリースではマイクロエースの225系を使っています。
その縁で、マイクロエースから発売されないかなと思いましたが、ラッピングに関係しているのがJR西日本東日本と千葉県、そして14の市と町のご当地キャラクターが勢揃いしており、それぞれに承認を受けなければならないので、模型として発売するのはたいへんですね・・・・
C61(快速SL内房100周年記念号)
さて、蘇我駅から12時50分の快速で隣の千葉みなと駅に向かいますが、蘇我駅のホームに警察官や警備にあたるJR東日本の社員が並び始めました。 なにか特別列車が通過するのか、それともお召し列車のように特別な警戒を要する列車がやってくるような雰囲気でしたが、先を急ぐことにして、京葉線の快速東京行きに乗り、12時54分に千葉みなと駅で下車しました。
すると千葉みなと駅ホームは、大勢の写真撮影のギャラリーや警備の社員がホームに並び、異様な雰囲気でした。
そして、降りた快速列車がホームから去ると、いきなり蒸気機関車に牽引された旧型客車が現れました(?_?)
こんな列車が走るとは全く知らず、SL列車の運転には興味も関心もなかったのですが、これには驚きました(^_^;)
人垣が出来ている前の方に行ってみるとC61で、最近見たSLはC11とC12くらいなので、さすがにC61はデカイ。
復活したC61はボイラーも他の復活した蒸気機関車のようなピカピカの黒でなく、ツヤ消しの黒であるのがいいし、運転関係の社員も国鉄の煙菅服らしい姿もいいですね、
運転席には運転関係の社員が5人くらい乗っていました。 出発に際して、大きな音が鳴る(汽笛)とギャラリーに(特に子どもに)注意喚起を告げています。
発車に際しては、汽笛を長く大きくならし、自分は胸の中で「長声 一発!」と独り言ちましたが、長声一発は連絡船の号令で、蒸気機関車だったら「汽笛 一声!」でした(^_^;)
やはり、目の前のボイラーで火を炊き、煙と蒸気を吐き出しながら進む蒸気機関車には見せられます。
しばらくは蒸気機関車の模型は買っていませんでしたが、京都の梅小路機関車館で火の入ったC62を間近で見てから、マイクロエースのC59で蒸気機関車にはまって、マイクロエースの蒸気機関車を集め始めました。
営業運転は2月の10・11・12日だそうで、この日は試運転でした。
客車には乗客は乗っておらず、制服と私服の社員が研修も兼ねているのか乗車していて、ギャラリーに手を振って挨拶をしていました。
後部には補機としてDE10が御相伴していました。
貴重な蒸気機関車には無理はさせられません。
偶然とはいえ、京葉線で蒸気機関車牽引の列車に出会えたのは感謝です。 どちらかというと蒸気機関車よりも旧型客車の方が北海道や山陰地方でよく乗ったので、思い入れは強いです(^_^)
このあとは、千葉県立美術館と千葉ポートタワー、そして千葉県庁に足を運びます(^_^)