レイアウト制作記#218
              更新日2011年8月4日更新         

2011年8月4日(木) 記念艦USS Doorsの建造#3(進水) 


 アオシマより1/150の立体駐車場が発売されました。 5月発売の予定が7月発売に変更になったとき、今年の夏は立体駐車場を作るぞ、と決意していたのをコロッと忘れていました(^_^;)
 
 さっさと記念艦の制作を終わらせて、アオシマの大型駐車場を作ることにしましょう(^_^)


 このキットの塗装は、工期の短縮の為に、ランナーに付いたままの状態で、基本色としたタミヤアクリルのダークグレーをエアブラシで3回吹きました。
 ハンドピースは0.3㎜と0.5㎜をもっていますが、今回のような大型のキットやストラクチャーの塗装に、0.5㎜は素早く吹けるので重宝します。

 甲板の塗装が終了し、船体の組み立ての前に喫水線の黒ラインを塗っておきます。
 日本の艦艇の場合、喫水線から下はいきなり艦底色のマルーンですが、英米の艦艇は喫水線の部分に数mの巾の黒ラインが引かれています。



 船体を組み上げるのですが、このキットはフルハルのキットで、PIT-ROADの1/350のキットのように、フルハルとウォータラインを選択できるようにフルハルの艦底とウォーターライン用の艦底が付いているわけではありません。
 なので、ウォーターラインにするのに創意工夫をしろと言うこになります。


 余談ですが、日本で艦艇模型でウォーターラインが発売されたのは、最近発売されたモリナガヨウさんの『プラモ迷宮日記』第一集 「フィールドグレイの巻」によれば、前 田宮模型社長の田宮俊作さんが、 「見えないところは作らん」   「ドイツで見たアンチモニーなんかでできた小さな軍艦のシリーズ、あれの発想です。ハンブルクの模型店でみとれちゃいました。」ということから始まったそうです。
 
 なぜ海外の艦艇・船舶のプラモデルは、フルハルばかりなのか疑問に思っていましたが、10年前にアナポリスの海軍兵学校を訪れたときに、その疑問は氷解しました。
 アメリカの士官学校は不思議なところで(一般大学もそうですが)、当時は勝手に出入りして、ビジターセンタに寄ってから、指定された建物(博物館、講堂、教会など)を自由に歩き回って見学してくれという開かれた学校でした。(さすがに911の後はそうもいってはおられず、ID必携でセキュリティーチェックを受けてからになったようです。 同じくコロラドスプリングスの空軍士官学校は車で自由に施設内を見学して行ってくれというスタイル。 ウエストポイントの陸軍士官学校だけはビジターセンターからツアーバスに乗って、ツアーで見学して下さいという形式でした)
 
  そこで訪れた海軍兵学校博物館の地下フロアーに膨大な量の艦船模型の展示室があり、一角には工房もあって、海軍公式の艦船模型を造り続けていました。 
 そこでの展示品のほとんどは見事な出来映えの帆船模型で、それらの帆船を見ていると、帆船はフルハルの方が模型として美しい(^_^)

 膨大な数の帆船模型を見ているうちに、ようやく艦船模型の王道はフルハルなんだなと気付きました(^_^;)

 それでも、レイアウトに置いたり、ジオラマ仕立てにするならばウォーターラインにしなければならないので、海外のフルハルのプラモデルをちまちまとウォーターラインに改造していくことになります(^_^)


 1/700のキットには空母以外ありませんが、1/350の以上のキットには船体の補強の為のパーツが付いています。
 1/144のこのキットにも船体補強用のパーツが2つ付いています。



 船体の方は2分の1の高さに切断しているので、この補強パーツも高さを半分以下に切断しなければなりません。
 半分以上切断すると強度に不安はありますが、前回、船体を切断するときの切断面に厚みがあるので、強固に接着すれば強度的には問題ないかと思います。

 プラモデルを作る時には、タミヤの瓶入りのセメントを使っていますが、船体や甲板のように大きなパーツを接着する場合、タミヤのセメントだと接着面の全部にハケで塗っているうちに、最初に塗った部分が乾燥してしまい強力な接着が出来ないので、透明ゴム系ボンドを使って接着します。 本当だったら流し込みの接着剤を使うのでしょうが、ゴム系ボンドは乾燥するまでの時間が長く、プラの場合は乾燥後しっかりと固着するので、こんな時には最適です。

 本格的に艦船模型をやられる方ならば、切断した艦底部に艦底の形に合わせて切ったプラ板を貼り付けるのでしょうが、時間と手間の節約のために省略します(^_^;)
 

 船体が組み上がったら、ドックから出て進水式です。
 「本艦をDOORSと命名する」
 次の艦のためにドックを明け渡し、偽装岸壁にタグボートで移動してこれから、上部構造や兵装などの取付作業に移ります。


 (艦名は架空のものですが)Doorsは戸崎市の名前にちなんで、バブル時代にアメリカからモスボールされていた駆逐艦を博物館として貸与されたもの・・・・・ということにしよう(^_^;)

 175隻建造されたフレッチャー級のうち、他に現存しているのは、
カッシン・ヤング DD-793 Cassin Young
ザ・サリヴァンズ DD-537The Sullivans
キッド      DD-661 Kidd
チャレット DD-581Charrette (ギリシャで記念艦ヴェロスAT Velosとして公開)
 があります。   すべて艦橋の形が角張った後期型の艦ですが、Doorsだけは艦橋が丸みを帯びた初期型です。
 
 あとは19隻が第二次大戦中に日本がらみで沈没し、丈夫で使い勝手が良かったのか、戦後も使われる艦もありましたが、残りはすべてスクラップになっています。
 各国の海軍に貸与され、日本にも、護衛艦ありあけ・護衛艦ゆうぐれ(1959-1974年) として創生期の海上自衛隊を支えました。


 1/144のフレッチャー級駆逐艦に対応したオプションとして、エッチングパーツがありますがこれはどこにも在庫はなく、調達出来ませんでした。
 そのかわり、通行帯などにはる滑り止めを表現したディカールが手に入りました。 せっかくのオプションなのでこれを通行帯の上などに貼ってみます。



 カッターで適宜な長さに切断して貼っていきますが、きれいな縞模様になっていきます。
 このタイプの滑り止めは実艦や記念艦では見掛けたことはなかったのですが、ディカールが発売されている以上、実際にあったのでしょう。



 後部の通行帯にも貼っていき、シワシワになるのを防ぐためにマークフィットのお世話になりました。乾燥後にはけっこうツヤが出て、いかにもディカールを貼りましたという感じになったので、ツヤ消しクリアスプレーを使うことにしました。
 模型店に居合わせたモデラーの人に聞くと、ご推奨は100円高いけどクレオスのMr.スーパークリアーUVカット つや消しだそうで、それを2度吹いたら、ツヤはなくなりました。



 船体の大きさを、1/150のタグボート(TOMYTEC)  1/350 護衛艦あたご(PIT-ROAD)と並べてみると、1/144の大きいこと。
 
 1/350あたごの全長が471㎜、1/144フレッチャーが797㎜ですが、数字以上に大きさの違いを感じます。



 上部構造の組み立てに入ります。
 壁面を接着ですが、隙間もなくきっちりと組み上がりました。 さすがは伝統のあるドイツレベルのキットで、合いがいいので組み立てにストレスを感じません。



 02甲板を載せると、だいぶ船らしくなってきます。 この後、艦橋と煙突を載せると、さらに船らしくなります。
 しかし、次回には、手間と時間のかかりそうな黒い糸によるハンドレールを取り付けなければならないので、やっかいなことになりそうです(^_^;)



 今度の土曜日には海上自衛隊 横須賀基地サマーフェスタが行われます。
 昨年は直前にアド街ック天国で紹介されたので、来場者が凄い人数になりましたが、今年は震災の影響で規模は縮小されているかもしれません。 海上自衛隊の艦艇と横須賀基地は被災地の救援に全力であたったので、災害派遣の展示や話を聞いてみたいと思います。
 写真の方は艦艇よりも、レイアウト制作のために艦艇が係留されている岸壁と、岸壁と艦艇との係留方法を重点的に調べてきたいと思っております(^_^)
                           


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