制作記#10A
                           更新日2012年2月3日更新          

      タモン百貨店の建築 #1・2               

2006年3月11日(土)   タモン百貨店の建築 #1

 

多聞百貨店=タモン・デパートは地元資本の百貨店で、明治時代の鉄道の開通時から駅前にて呉服商を営んでおりましたが、昭和30年代に百貨店に業態転換し、現在の建物を建てました。 何度も増改築を行っておりますが、鉄筋コンクリートの店舗用の現在の法定耐用年数39年をとっくの昔に経過した古い建物です。現在の建築基準法適用前の建物で耐震性には少し問題があるようですが・・・
 昭和の30年代40年代は休日となると、あふれんばかりの来店客が鉄道、バスを利用して県内各地から訪れましたが、昭和の終わりの頃になり、モーターリゼーション化が進んでくると専用駐車場が無いのが祟り、駅前にも関わらす来店客が減少しました。その上、老舗ゆえ顧客が高齢化した上に、時代に合わせた仕入政策の失敗等、売上高減少が経営の大きな課題となっており、現在経営再建中です。
 ともあれ、地元では最初の百貨店であり、以前から「多門百貨店」や「タモンデパート」と呼ばずに、「多門さん」と親しみを込めて呼ばれ、県民の憧れだった名門デパートです。
 
 百貨店の名称は、帝国海軍の名将であり人格的にも優れ、真珠湾攻撃、ミッドウェイ海戦で名を馳せた第2航空戦隊司令 山口多聞中将から名を頂いております。



 商都戸崎市の玄関口、戸崎駅を降りてペデストリアンデッキを渡るとき、左手には「戸崎21世紀美術館」が、右手には「ロゴス百貨店」が見えますが、正面に見えるのは雑居ビルでした。 これは商都と名乗る上では芳しいものではありません。 
 商業施設が次々に郊外に建てられる昨今、もう一つくらい駅前に大型商業施設を建てて、中心市街地の活性化に寄与し、商都の名に相応しい駅前に近づけていきます。
 駅前の百貨店といえば、大阪駅前の阪急百貨店(最近は駅前に新たな商業施設が次々にオープンして影は薄くなり、建替計画有り)のように駅を降りると目に入るような、いかにも昭和の建物という感じにする予定です。 
 
 
↓ 以前の駅前

 ↓使用するのは、アメリカのWalthersの「ハードウェア工場」のキットを使用します。(参考上代価格:$44.98)  Walthersのキットの中では中型の大きさに分類出来る建物ですが面積は大きく、区画整理を行った結果、雑居ビル3棟とその駐車場が移動となります。


 ↑キットの中身(参考:他の同種のキット)

 このキットの建物は20世紀始め頃、造られた感じの工場ですが、四隅に塔のような飾りがあり、手を加えれば昭和30年代に建てられたアメリカンゴシック調の百貨店になりそうです。理想は大阪心斎橋の大丸百貨店のような感じにしたかったのですが、阪急梅田店や新宿伊勢丹の写真をWebからプリントして壁に貼りながら作業しています。  
 ↓大丸心斎橋店(大阪) 



 
後から考えると、HELJANの「ビール工場」や「畜殺工場」の方が、百貨店に近い感じがして、しまったと思いましたがWalthersのキットはアメリカのキットにしては、造形や金型の状態が良く、パーツの合いもいい好キット(日本のグリーンマックスのキットよりも造形もリアルさも遙かに上)なので、仕上がり具合も良い物になると思います。よく見たらこのキットもデンマーク製(HELJANもデンマークのメーカー)と書いてありました。 なぜかキットの中に組み立て説明書が入っていませんでしたが、説明書が無くても箱の完成写真を見ながら問題なく組み立てることが出来ました。


完成写真がコンクリートとレンガで出来た感じだったので、まずコンクリート部分を表現するために、いつも使用しているモデラーズのスプレー「インテリヤ グレー」を吹き付けました。そしてレンガ部分をタミヤアクリルの「フラット アース」を筆塗りしてから乾燥後、その上にレンガの目地と汚れを出すために、タミヤエナメルの「フラット ホワイト」を溶剤で極薄に薄めて、ざっと筆塗りしてテッシュで拭き取ると、完成見本と同じ色具合になりました。
 
現在のままのだと百貨店としては売り場面積が少なすぎるので、現在の建物の上に他のキットを活用して、さらに増築するつもりです。またせっかくペデストリアンデッキが店舗の前に来ているので、デッキから百貨店の2階に通じる通路も工事の予定に入っています。




2006年3月17日(土)   タモン百貨店の建築 #2




 百貨店の上に、もう一個別のキットを載せたら両脇のビルが小さく見えるほど、大きなものになってしましました。 両脇のビルが小さく見えます。



↑ 最初はファサードにスカイブルーのテントに百貨店のロゴマークと名称をデカデカと描きましたが、落ち着かない感じだったので実際のデパートのテントを参考に、ロゴを小さくして、カラーもパープルに変更して落ち着いた感じにしました。↓



 少しでも百貨店らしさを出そうと、テントと看板を取り付けました。 
 もとが工場の建物を、今後いかに百貨店らしくしていくかが課題です。
 店舗正面に20世紀初頭の工場建築丸出しの地下室への明かり取りが並んでいるのもまずいので、この部分は前掲の心斎橋大丸百貨店の写真の例にならって、ショーウインドウやテントを付けて、工場然としたカーテンウオールが並ぶ壁面を少しでも隠すことにしました。 
 ショーウインドウは今回は大いなる手抜きで、グレーに塗装したプラ板に実際のショーウインドウの写真を貼り付けただけです。 本来は中に人形等を配置して作り込んだり、せめてもショーウインドウの部分には、透明プラ板を貼り付けてガラスウインドウを表現したいところですが、上から大きなテントが被さっているのと、街路樹等が前にあって、作り込んでもどうせ良く見えないだろうということで、光沢のシール用紙に印刷して済ませただけです(^_^;)
 また、カーテンウオールの壁面を少しでも隠すべく、大きな広告看板を取り付けました。 経営再建中の百貨店なので、なりふりかまってはられません(^_^;)
 
 
また、ペデストリアンデッキから百貨店の2階に直接通じる通路の為に、穴を開けておきました。
 百貨店の2階の方がペデストリアンデッキよりも高くなっていますので、階段状の通路にしなければなりません。これはペデストリアンデッキがKATOの高架駅の2階から伸びているからで、これは高架駅の2階が低すぎるのが原因で、もう少し高ければリアルになりますが、そのためには高架線自体の高さも上げなければならないので、やむを得ないことですが・・

↓上の増築部分の建物は同じWalthersの「印刷工場」 (参考上代価格:$19。98)       
 このキットはバックグランドビルディングといって、レイアウトの背景画に密着させて、背景が浮き上がって見せるためのキットです。ゆえに合理性を発揮された壁面が3面だけのキットで、後ろ側はありません。 同じキットを最中(もなか)のように貼り合わせれば、前後対称のビルとなります。
 これが、あつらえたように下のビルの屋上に横幅の寸法がピタリと載せられます。





 百貨店の裏側はまだこのような状態になっています(^_^;) 映画のセットか噂に聞く、かの北○鮮のマンションみたいです。
 下の部分は、1階のエントランス部分2カ所と、2階の入口を作るために、工事の都合上まだ背面の壁を取り付けていません。上の部分はバックグラウンド(背景)用のストラクチャーの為に、まだ後ろ半分の同じキットを本日発注したので、この後はアメリカから品物が到着後になります(^_^)


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