1/144航空自衛隊基地ジオラマ#18(3Dプリンターの消火器&REMOVE BEFORE FLIGHTのタグ)  

                                        2015年12月18日更新     

 前回に引き続き、1/144航空系ディテールアップパーツシリーズのアクセサリーセットの1/144 F-4 ラダー&地上展示セット1/144 F-15 ラダー&地上展示セットの塗装を行います。
 



 消火器

 最初は、駐機場に駐機する自衛隊機には欠かせない大型の航空機用の消火器です。

 昇降用ラダーに比べたら脇役ですが緑と赤の派手なカラーリングと、ガソリンよりも揮発性が高いJP-4というジェット燃料を搭載した航空機を扱う上で、安全のため消火器は必要不可欠のもので、駐機している航空機の脇に必ず置かれています。(アースも必ずとっていますが)

 

 航空祭でも目にするもので、大型消火器本体にパイプのアングルで、持ち手と車輪が3輪付いています。ホースの形状も複雑です。

 

  
 この3Dプリンターのキットは、そんな複雑で小さな車輪と細いパイプと、細くて複雑に巻き付けてあるホースが、3Dプリンターの特性を生かして、非常に細かく再現されています。組立の必要はなく、ランナーから切り離すだけで完成です。
 
 

 ただ、3Dプリンターで出力された樹脂は、とても脆く、精密ニッパーの切り出しや、カッターでの切り口の修正、そしてパーツをピンセットで摘まむ際に、細くて小さな部分が折れてしまうことがあります(>_<)

 実際に、ニッパーでの切り出し、そしてピンセットで挟んでの塗装のとき、そしてジオラマに接着するときにも、あまりもの細かさゆえにピンセットで掴んで接着しなければならないので、その際に力の入れ具合を間違えると消火器の一部分が欠損してしまい、使い物にならなくなってしまいます(>_<)

 ただ消火器は1箱に、カバー付とカバーなしの消火器が1台ずつ入っているので、極端な話、2個に1個失敗しても大丈夫です(^_^;)
 一応、塗装と設置にあたって、歩留まり80%を目指して作業を行いましたが、結果として歩留まりは想定通り80%で、5個のうち1個は失敗して壊しています(^_^;)

 説明書はカラープリントで、各パーツの塗装見本が印刷されています。これと、実際の基地で撮ってきた写真を参考に塗装をします。

 

 さて、塗装ですがタミヤエナメルのフラットレッドとフラットグリーンでタンクの部分を塗り、車輪付のアングルはグレーブラックで、ホースはフラットブラック、そしてノズル部分は、フラットレッドとフラットホワイトを混色してピンク色で塗りました。
 持ち手には反射テープが貼られているので、フラットホワイトでT字型のバー付近に3箇所、ホワイトを入れました。

 

 カバーなしの消火器。

 

 カバー付の消火器。カバーの下はカバーなしと同じ消火器なので、半分をフラットグリーンで塗ってありますが、カバーの下なので目立ちません。 

 

 消火器を置く位置は、Googleマップの航空写真の百里基地にはF-15とRF-4の列線が映っているので、これをプリントして位置の参考にしました。

 

 この消火器は2016年1月以降に発売される技MIXの航空装備品セットにも含まれおり、一セットに4本入る予定のようですが、今のところ試作品を見ると、かなり省略された形状なので出来には不満があります。製品版はより良いものになる可能性がありますが、出来としては3Dプリンターのキットの方がいいと思うので、3Dプリンター製の消火器を使い続けます。

  

 


 REMOVE BEFORE FLIGHTのタグ


 軍用機、民間機を問わず航空機には、駐機中に誤って作動や作用させないいように安全のためにセーフティピンが各所に刺されています。
 そのピンを差したまま飛んでしまったら、空中で動作することが出来なくなってしまうので、セーフティピンの外し忘れがないように、目立つ色の赤などのタグが付けられています。それには片面または両面にREMOVE BEFORE FLIGHTの文字が記されています。
 昔は布製のものが多かったのですが、今は合成樹脂製やビニール製のものが主流です。


 

 これは、F-4ファントムのコックピットに付けられていたセーフティピンの一つ。
 退色してオレンジ色になっていますが、薄くても丈夫なビニール製のタグが付いています。

 

 セーフティピンにワイヤーが付けられタブに繋がるテープにギロチン(GUOLLOTINE)と記されています。ギロチンとは物騒な名前ですが、ギロチンには英語で切断機の意味があるので、シートとパラシュートハーネスを切り離す切断機か、脱出の際にキャノピーを破壊する機械に付けられていたものか・・・

 

 たいていは野ざらしで、直射日光も浴びるものなので、退色してしまいタグの色は元は赤でも、時間の経過によりオレンジ色か白ぽいオレンジ色に変色してしまいますが、迷彩塗装をされている航空機に付けると目立つものなので、模型映するので、是非取り付けたいものです。



 このタグは大きなサイズのプラモデル用だと、きれいにプリントされたエッチング製のものが売られていますが、1/144ではなさそうです。

 しかし、ありがたいことに1/144航空系ディテールアップパーツシリーズの説明書におまけとして、安全ピン用タグがプリントされています。親切なことに、この裏面もタグの部分だけ赤くプリントされています。
 説明書には「RBFタグは黒線をガイドにして切り離し、マットメディウム等で接着してご使用ください。大変細かいですが機体の各所に着けると臨場感がアップします。」とあります。

 

 このタグは二つ折りにして貼り付けると、両面にREMOVE BEFORE FLIGHTの文字が見えるタグになりますが、あまりにも細かいパーツなので、折り曲げて貼り付けるのは、ピンセットを使ってもかなり困難で、なおかつタグの厚みが厚くなってしまいます。ペラペラのタグを再現したいので、貼り合わせずに片面のみ文字の表示があるタグにします。実物のタグも片面のみプリントのものもがほとんどですから・・

 これをカッターで切り離すのはかなり細かい作業になります。拡大鏡(ハズキルーペ)を掛けて、鉄の定規を当ててデザインナイフで切り離しました。
 吹けば飛ぶような細かな紙片をピンセットで摘まんで、F-15やF-4に接着します。

 このタグをどこに取り付けたらいいのか、書いてある書籍やWebが見つからなかったので、航空祭で撮ってきた写真を参考に取り付けます。

 コックピット周りは、脱出の差異に使う加工品がシート付近になるので集中しています。各脚、ピトー管カバー、アンテナカバー、アスレチィングフック、そして一番多いのはウエポンを取り付ける両翼のパイロン周辺です。
 タグの大部分は、パイロットが乗り込むまえに整備員が取り外しておきますが、下の写真のコックピットにある整備中にキャノピーの下降防止「キャノピーストラット」(技MIXのF-15オープンキャノピーセットに入っています)に付けられているタグは、パイロットがコックピットに乗った後に、タグを付けたままキャノピーストラットを取り外すようなので、最後に外すタグの一つです。

 


 F-15は機首下のECMアンテナの赤いカバーと、3連のタグが印象的です。

 

 尾部のアスレチングフックに付けるセーフティピンの位置が、F-15とF-4では違うなど、今まで気にもしなかったことを知るようになりました。

 
 次回は、脚立や人形を置いてみたいです(^_^)


 

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